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【渋谷すばる インタビュー】最新アルバム『Su』リリース ”ライブを意識した12曲”で魅せる新境地「すべて踏まえたうえで新たな自分に進化させていきたい」

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Interviw&Text:谷岡正浩 Photo:小境勝巳

前作『Lov U』から約1年ぶりに届けられた最新アルバム『Su』。渋谷すばるの「す」、自然な状態を表す「素」、何かが忍び込むニュアンスの「す」など、想像を掻き立てられるタイトルを冠した作品は、全12曲で今の渋谷すばるが詰まった、ある意味でドキュメンタリーのようでもあり、もちろんしっかりと創作の醍醐味が味わえる1枚となっている。アルバムの中身に切り込む前に、まずは盟友である横山裕との対バンライブの話からインタビューをスタートした。

「アーティストとしてお互いに向き合えている感覚」

── 神戸と東京で行われた対バン形式の『横山裕×渋谷すばる』は、渋谷さんにとってどのようなライブになりましたか?

楽しかったですね。その対バンライブに至るまでの過程も含めて。最初に彼のアルバムに1曲参加してっていうところからつながって、最終的にふたりのライブで一区切りという感じで。久々に一緒にレコーディングしたり、MVの撮影したり、プライベートではなく仕事の現場で一緒の時間を過ごすっていうのを久しぶりに――ていうか、何ですかね? 久しぶりっていう感じよりもアーティストとしてお互いに向き合えている感覚が、とくに対バンのときはあったので、それがすごくよかったんですよね。ここ数年はそれぞれ違う道を歩んで来たけど、それが交わるタイミングが、ここだったのかっていう。

── 楽曲制作の時点で対バンライブというところまでのイメージはあったんですか?

僕が最初にトイズファクトリーから出したのが「人間讃歌」という曲で、そのMVを(横山が)観て連絡をくれたんですよ。それをきっかけに久々に会って話をすることになるんですけど、そのときに曲作りから参加してほしいっていうことから対バンライブまで、すでに彼のなかでは構想があったので、そんな話をその時点でしていました。

── 横山さんとふたりで楽曲を作るということは、それまでにもあったんですか?

ありました。「繋がる」の歌詞が送られてきて、それに僕が曲をつけたんですけど、その感じが――ヨコから歌詞が送られてきて僕が曲をつけるっていうことはよくやっていたので、「懐かしいな」という感覚がありました。

── 懐かしさもありつつ、新鮮な感覚もそこにはあったんでしょうね。そして、今回リリースされるアルバム『Su』のタイトルチューンに横山さんが参加されています。これも今お話しされた一連の流れと大きく関係しているのでしょうか?

そうですね。僕がお願いされて「繋がる」をやったので、単純に次は自分からお願いしようという流れですね。ちょうどアルバムの制作期間に入っていたので。

── 昨年10月にリリースした4枚目のアルバム『Lov U』は、ボーカリストとしての自身の可能性を追求する作品でした。そこから次のアルバムに向かっていくなかで、方向性としてどのような作品にしたいと思いましたか?

『Lov U』をリリースしてツアーを回って、感じたことがたくさんあったんですよね。そういう意味でも『Lov U』の経験は大きいものでした。この作品をやったから次はこうしたいとか、この作品のツアーをやり切ったから次はこんなツアーにしたいとか、そういうことをたくさん感じることができました。『Lov U』は自分で作った曲が1曲だけだったんですけど、そうしたことがすごくよくて、クリエーターの方たちの楽曲で客観的に自分を知れるというか。「こういう曲どう?」って提示していただくなかで、「ああ、こういうことでいいのか」って思えた部分もあったし、「なるほど」ってすごく勉強になった部分もあったし。それでツアーを廻って、数カ月してから今回のアルバムの楽曲制作に入ったんですけど、そのときに曲を作りながら感じましたね、『Lov U』でやったことが生きてるなって。こういう曲を書きたい、ライブでこんな曲をやりたいっていう発想がどんどん湧いてきたので。

── 具体的に『Lov U』の制作のどのあたりが最も生かされていると感じましたか?

今回のアルバムに収録されている曲にも提供してもらっているものはあるんですけど、歌詞は自分で書いているものが多かったりするんですよね。でも『Lov U』のときは歌詞も書いていただいていて、とにかく僕は歌うことに徹しようというテーマで臨んだんです。なので、作っていただいたものを自分でどれだけ表現できるかっていうなかで、何回もデモを聴いたし、たくさん歌い込んでからレコーディングに臨めたことはすごく大きかったです。

──『Su』の5曲目に「さらば」が収録されています。この曲は今年(2025年)の3月にリリースされたデジタル・シングルで、作詞作曲は『Lov U』でも多くの楽曲を提供されたmiccaさんですね。なんとなく印象として、この曲が『Lov U』から『Su』に向かうクロスポイントのような位置にあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

レコーディングをしたのは確か寒い時期で――そうだ、去年の12月でまだツアー中だったんですよ。で、年が明けてMVの撮影をしたから、そうですね。まだ今ほどさっき言ったような『Lov U』での経験が自分のなかで鮮明になっていない状態ではあったんですけど、次に向かう意識はあったのでレコーディングはすごく難しかった印象がありますね。曲も難しいんですけど、タイミングというか。うん、すごく緊張感をもって臨んだのを憶えています。

── 曲の難しさというのはどういうところですか?

歌の表現の仕方というか、あまり熱くいきすぎてもちょっと違うかなっていう感じだったんですよね。あえて淡々とただ真っ直ぐ歌うというか、そういう表現をあまりしてこなかったので。力強くワーっと歌う感じはやってきたんですけど、それでは表現しきれない曲なのでそこが難しかったです。

── だから曲のその受け取り方もそうですし、新しいボーカルの表現に行き着けたというのも『Lov U』を通過したからこそですよね。

ああ、そうですね。それは本当に。

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