コラム
オーストラリアの大学で「AI(人工知能)警察」が暴走中だ。大学が導入したAI検出ソフトが、学生のリポートに目を光らせ、法学部の学生が同じ判例を引用しただけで「AI生成だ」と判定。AIを使ったこともない学生まで疑いをかけられているようだ。
AI使用による不正行為を禁じる大学側は、「司法取引」のように軽い罰を提示する事例まで発生。学生はストレスと金銭的負担を強いられ、卒業や将来のキャリアまで脅かされているという。専門家も「教育改革をサボるための怠慢だ」と、大学の姿勢に苦言を呈している。
教育現場がAIを盲目的に信じた結果、検出ソフトのポンコツさに気づかず、AIがAIを取り締まるいたちごっこに学生が振り回されている形。もしかすると、本当にAIが書いたリポートは検出されず、こっそり満点を取ったケースもあり得るかもしれない。(岩下)