『ONE PIECE』の「つまらない」批判は的外れである:読者は作品の「所有者」ではない
ここ最近、『ONE PIECE』に対する批判や「文句」がインターネット上で目立つようになりました。確かに、「ニカの戦闘スタイル」や「長すぎる回想シーン」、「キャラの多さ」といった点については、作品の構成上の議論として一理あるでしょう。
しかし、これらの本質的な議論から離れ、批判者が振りかざす「作品への権利意識」が、あまりにも的外れで滑稽です。
1. 傲慢な「権利意識」が示す論理の破綻
的外れな批判に必ずと言っていいほど付随するのが、以下の傲慢なフレーズです。
「このままだと誰も読まなくなる」
「読者のおかげで成り立っている」
「つまらないことに文句を言うのは当たり前」
これを主張している人間は、根本的な現実を理解していません。
まず、「誰も読まなくなるはずがない」。あなたのたった一人の不満や離脱で、連載25年以上の国民的漫画の運命が変わることはありません。「お前ひとりが読まなくても何も変わらない」のです。あなたの意見は、膨大な読者層の総意では決してないことを理解すべきです。
次に、作品が「読者のおかげで成り立っている」のは事実ですが、それは「読者が作者に内容変更を指図する権利を持つ」という意味ではありません。作品は作者のものであり、読者はその対価を支払って「楽しませてもらう」立場です。
2. 「読まない」という唯一の選択
面白くないと感じた読者がとるべき行動は、ただ一つしかありません。それは、「読まない」という選択を取ることです。
内容を変えろと作者に指図することではありません。
作品を好き好んで楽しんでいる他者の感性を否定することでもありません。
消費者が不満を表明する「クレーム」は、本来、建設的で真っ当性があることが大前提です。しかし、彼らの「文句」は、「自分の好みに合わせろ」という単なる私的な要求に過ぎず、文句を言う水準にすら達していません。
「つまらない」と感じたなら、静かに去る。それが、作品と作者に対する最低限の敬意であり、大人の読者に求められる姿勢ではないでしょうか。自分の意見が「読者の総意」だと勘違いし、作者の創作に口を出す人間は、その傲慢さゆえに「バカだと言わざるを得ない」のです。


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