二桁の掛け算を暗算するのは難しい、そう思っていませんか?
実は工夫をすることで、暗算がしやすくなる掛け算は意外と多いのです。
さて、今回の問題はどのような工夫をすればスムーズに暗算できるのでしょうか。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
55×1.8
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「99」です。
暗算のための工夫、思いつきましたか?
「うまく計算できなかった」「どう工夫すればよいのか分からなかった」という人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。
ポイント
この問題のポイントは、「×10を作り出すこと」です。
×10や×100など「×10の累乗(10を何個か掛けたもの)」を意図的に式の中に作り出すと、計算が簡単になることが多いです。
例えば、×10は位を一つ上げる計算です。これは、掛けられる数の小数点を右に一桁分移動するだけで終わります。
例:0.2×10=2
面倒な計算をせずに答えが出せるので、×10はとても暗算しやすいのです。
では、今回の問題を変形して、×10を作り出すことを考えてみましょう。
55×1.8
この問題は、5の倍数×2の倍数の形になっています。そこで、5×2=10であることに注目して、次のように式を変形してみましょう。
55×1.8
=5×11×2×0.9
=11×0.9×5×2
=11×0.9×10
55から5を、1.8から2を分離して、×10を作り出していますね。
※掛け算では、掛ける順番を変えても答えは変わりませんので、二行目、三行目、四行目のような変形が可能になります。
後は、11×0.9を計算してから、×10でその答えの位を一つ上げる(小数点を一桁分右に移動する)と答えが出ます。
11×0.9×10
=9.9×10
=99
次のように、0.9×10=9を先に計算するのもよいでしょう。
11×0.9×10
=11×9
=99
まとめ
今回紹介した計算の工夫をまとめると、次のようになります。
a=5×a'、b=2×b'の形になるとき
a×b
=5×a'×2×b'
=a'×b'×10
暗算するときは、aを5で、bを2で割ったときの答えを掛け合わせ、この答えを10倍すればOKです。
5の倍数と2の倍数の掛け算を見たら、この方法を使って暗算できないか試してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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