太地町の太地漁港ふれあい広場で2日、「第36回太地浦くじら祭」があった。コロナ禍などによる中止から6年ぶりとなる開催で、ライブや漁船パレード、地元グルメ、伝統芸能の披露など多彩な催しを、町内外から訪れた大勢の人々が楽しんだ。
太地浦くじら祭実行委員会(岡本光正実行委員長)の主催。太地こども園の4、5歳児22人のダンスがオープニングを飾った。園児たちの懸命な踊りに大きな拍手が湧き、一気に祭りムードが高まった。
その後も日本舞踊の藤紀和会(藤紀実美家元)による舞、井上正哉さん、志村龍我さんの「鯨太鼓」、「ピリナ」のフラダンス、演歌歌手・紀の川良子さんのショー、手話サークルいるかの手話歌、東新青年同志会による獅子神楽など、多彩な出し物が来場者を楽しませた。
ステージ前の広場にはキッチンカーやテントが軒を連ね、綿菓子、焼き鳥、たこ焼きなど、祭りでは定番の食べ物のほか、クジラの竜田揚げ、流れ子(トコブシ)の煮付けなど、地元ならではのグルメも並んでいた。
ミニチュア鉄道やパターゴルフ、射的、ヨーヨー釣りなどにたくさんの子どもが集まり、太地町のゆるキャラ「ゴン太くん」との撮影会も大好評だった。
追い込み漁で使用する漁船に乗船、太地沖を遊覧する「漁船パレード」は今回も大人気で、岸壁に戻って来た人たちは「思ったより速かったね」「気持ちよかった」などの言葉を口にしていた。
最後は約400年の歴史を誇る伝統芸能「鯨踊り」と餅まきで締めくくった。
岡本委員長は「久々の開催に大勢の方がお越しいただき、太地町にはなくてはならないイベントだというのを改めて感じた。これも全て関係者の皆さまのご尽力によるもの、引き続き来年も開催していきたい」と語っていた。
(2025年11月5日付紙面より)
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