間違った思い込みから解放してくれる本
これは、冬眠動物のオメガ脂肪酸の分析と研究の例で、野生動物の中には、それ以外の環境的な誘因があることも、本書ではもちろん補足しているし、「オメガ6に比してオメガ3が相対的に不足していることが誘因となって、肥満が発症している」という説は、まだ証明されていないとも書いている。
だが、それでもアンドリュー医師は、この説は自分が肥満について見聞きしてきた事象にあてはまり、これまで謎の多かった肥満とダイエットの失敗などを解き明かすものだと言っている。
本書ではここからさらに、アルコールの体重への影響(酒は高カロリーにもかかわらず、飲酒の習慣のない国が肥満リストの上位を占めている!)、ワインにチーズ、バター、ステーキなどの食習慣を保持するフランス人に肥満が少ない理由(高コレステロールにもかかわらず!)を説明しつつ、巷で流行った低カロリーダイエット、低脂肪ダイエット、低糖質ダイエット、インターミッテント・ファスティング(週5日普通食で2日制限食にする、1日のうち8時間食べ16時間はほぼ絶食など)の効果(重要なのは痩せられることではなく、痩せた後維持できるかである)などを詳しく解説する。
そして最終章では、実際に健康的な体重にするためにはどんな3食を用意すべきか、スーパーでは何を選び、どの油は避け、迷った時は何を基準に選べばいいかまで、しっかりと紹介してくれる。
しかも幸運なことに、そこに書かれたことを実行するのは、日本に住む私たちにとって、それほど難しいことではないように思われる。
すべてはこれまでの思い込みから解放されることから始まるだろう。
構成・文/風間詩織(FRaUweb)
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