TV「The Biggest Loser」を見て気落ちする医師
一方で、妊娠中の母親が、高カロリー、高脂質の食事をたっぷりと摂るとどうなるか。実は、飢餓の時と、似たようなことが起きる可能性が高い。
なぜだろう。
ファストフードに代表されるキャンティーンフードは、高カロリーであっても、栄養のバランスがいいとは言えない。必要な栄養素は足りていないので、体は飢餓と認識するのではないか、とアンドリュー医師は推察している。
母親が「肥満を治療」した後で生まれると、この症状は見られない。私たちの遺伝子は胎児の間から環境に左右されてしまうというわけだ。
ここまで解明されていながら……。
医師のアンドリュー氏は、アメリカの人気ダイエット番組「The Biggest Loser(ザ・ビゲスト・ルーザー)」を見て、よく気落ちしたという。番組は、選ばれた超肥満の参加者が、30週間過激なダイエットで体重を落とすというもの。
中には80kgの減量に「成功」した人を見ながら、医師が気落ちする理由は、「もしダイエットできないなら、それはあなたの意志が弱いか、口が卑しいか、その両方だ」と間違ったメッセージを視聴者に伝えるためだ。
番組は「減量成功」でエンディングを迎え、参加者たちへの長期的な影響を明らかにしていない。
アンドリュー医師は、参加者14人を追跡調査し、番組出演から6年後の体重と代謝を明らかにした研究についても述べている。
平均58kgの減量に成功した彼らは、6年後平均41kgリバウンドしていた。番組に出演した時の代謝は、30週後の減量成功時には610kcal落ち、6年後にはさらに低くなっていた。
あんなに努力して痩せたのに、そのほとんどがリバウンドして、しかもさらに痩せにくい体になっていたなんて。
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