いいか、しんのすけ。
「品質は工程で造り込む」
「不良を後工程に流さない」
という言葉は当たり前となりすぎた。
今の若手には標語や概念に近いもんだ。
いまは、自動検査技術やAI機能など、
便利な「見つける技術」で溢れている。
それ自体は素晴らしいことだ。
だけどな、品質におけるニーズを、逆に市場から与え決められてしまっているのが現状だ。
だから、ゆるやかに誤解している。
『検査を強化すれば、品質が向上する』と。
事実は逆で、
『検査を強化しても不良が増えるだけ』だ。
品質は、不良を発見する技術ではない。
いま自分達がやっていることを振り返るべきだ。
品質を造っているのか、それとも不良を数え安心してるだけなのか。
『品質は工程で造りこむ』とは何か、それを自分の言葉で語れない限り、生技はただの手配屋となる。
生技の本質は、プロセスを成り立たせるための条件を決め、その条件を再現かつ維持し続ける環境を造ることだからだ。
技術進化は「できる」を広げる。
だが、「正しさ」を決めるのは技術じゃない。
いつだって、原則を理解した技術者達だ。
だから考えるんだ。技術に頼る前に。