どこもかしこも、エーテリアスばかりだ……(涙目)   作:bbbーb・bーbb

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これ終わったらそろそろギャグ風味でやりたいかも。


虚狩りと獣狩り

 見つかった。どうも相当感覚が鋭いらしい。

 一応対話は試みるが、恐らく殺し合う事になるだろう。

 

 覚悟を決めて姿を見せた。吟味する様に見つめられている。

 

 四人居ると思ったのだが、気の所為だったのだろうか。

 獣耳の生えた女に、眼鏡の女。そして、華奢な男の三人が並んでいた。

 Random Playまでの道中で獣人に慣れて居なければ、この時点で殺し合いに発展していただろう。

 

「うっわ〜、凄い見た目。その右手に持ってるおっかないのって……武器?」

 

「私達は対ホロウ6課です。そのまま動かないで下さい。どういう経緯でここへ来たのか、ここで何をしているのか、答えて下さい」

 

 意外にも、殺意は向けられていない。凄まじく警戒されてはいるが、殺そうという意志は感じられないのだ。

 安心して、狩人は答えた。

 

「どうも、はじめまして。 物品収集に勤しんでいた所、野盗に襲われてね。結果は見ての通りだが。今から帰ろうとしている所だ」

 

「へえ〜、この人数を一人で? バラバラで数えにくいけど、二十人は越えてるよね、これ。それに、そもそもここ一般人は立ち入り禁止だよ?」

 

 あまり信じていなそうに声を返して来たのは男。

 立ち入り禁止。官憲の様なもの達に立ちふさがれたのはそういう事だったのか。

 知らなかった、で押し通すか。そんな事を考えていた狩人は、ふと男の手に視線を向けた。

 見れば、両手に持った刀を合体させ、一つの弓に変えているではないか。

 変形機構。よく見れば、眼鏡の女も刀の柄を伸ばしている。

 

「仕掛け武器……まさか貴公ら、狩人か? ならば話が早い、私も狩人なんだ。同業者同士腰を据えて話そう」

 

 狩人、という言葉に獣人が耳を動かした。

 間違いない。この地で初めての、同業者。全員正気を保っている様に見える上、狩人仲間となれば和解は早いだろう。

 ここに来る経緯や、探索しがいのある場所を聞けるかもしれない。期待に胸を膨らませ、マスクの下で満面の笑みを浮かべながら近づいて行った。

 

 歓迎代わりに飛んできたのは矢だった。何故。狩人からほんの数寸の所に突き刺さったそれは、青い雷光を帯びていた。

 

「どういう事だ。私はまだ狂ってなどいないぞ」

 

「じっとしてなって。悪い様にはしないからさ」

 

 次は当てるぞ。そう、言われた気がした。

 

「狩人……虚狩りの事でしょうか。とにかく、貴方を一度保護します。詳しい話は本部で聞きますので、そのまま動かないで下さい」

 

 保護、か。狩人は心の中で嘲った。

 拘束するという意味なのはすぐに分かった。少なくとも、善意から発された言葉ではない。

 

 ……皆、手練れだ。特にあの獣人。明らかに頭一つ、いや三つは抜けている。その上三対一となれば、勝ち目はかなり薄いだろう。

 しかし、だからといって彼ら相手に逃げる事も出来ないだろう。あの弓使いに背中を見せれば必ず撃ち抜かれる確信がある。徴を使っても同じ事だ。

 

 自分の血の遺志を確認する。大した量は無い。失っても精神的に大して問題は無い。

 もう一度、覚悟を決めた。が、先に動いたのは6課の方であった。

 

 瞬間移動にすら思える縮地で、課長と呼ばれていた獣人が刀を抜いた。

 咄嗟に、すれ違うように前に出る。背後を取った狩人の肩に、雷光の矢が突き刺さった。

 

「いきなりどうしたんですか課長!」

 

「この男、今確かにこちらに対して殺気を向けた。敵と分かって攻撃を待つ道理は無い」

 

「課長っ……分かりました、どの道こうなっては、一度無力化するしか無いでしょう」

 

 間髪入れずに飛んで来る薙刀の突きを躱し、距離を取りながら散弾銃を鳴らす。全員に避けられたが、矢を抜いて輸血液を突き刺すだけの余裕は出来た。

 

「傷が癒えて……」

 

「気をつけろ、柳。今ので分かった。この男、かなりの手練れだ」

 

 柳というのか。

 ノコギリ鉈を畳み、全員を視界に収める。左端に柳、右に獣人、そしてかなり奥の方に弓使い。

 

 ……いつまでも弓で狙撃されては堪らない。

 

 今度は、狩人が先に動いた。

 獣人に向けてもう一度放った散弾に気を取られている隙に、飛んで来る矢を避けながら柳に向かってステップ。血を吸ったコートがたなびいた。

 

 ステップの勢いで、変形攻撃。リーチを伸ばしながら放たれた刃は、咄嗟に後ろに仰け反った柳の腹に追い付いた。

 

 しかし、浅い。皮膚を少し抉った程度であろうか。息をつく暇もなく獣人が飛んで来る。二人組で、隙の無い連携。

 実験棟前のエレベーターに居た女狩人二人(ふたりは狩リキュア)を思い出しながら、狩人にしては珍しく後ろに回避し続けた。

 

 何か企んでいる事に勘付かれた様だが、もう遅い。

 一人になった弓使いに向かって、狩人は全速力で走り出した。尋常ではない速度で追って来る二人に、縄付き火炎瓶での足止め。時限式のものも前方向に投げ、混乱を招いた。

 

「悠真っ!」

 

「え、ちょ、僕ぅ!?」

 

 間抜けな声とは裏腹に、矢の精度は凄まじい。狩人に向けた射線上から追手の二人がズレた瞬間に撃ってくる。

 だが、ここまで近づけば十分。悠真というのか。

 弓を刀に変えた悠真が恐ろしい速度で距離を詰めながら飛ばしたバツ字斬りを潜るように躱し、すぐさま振り返り二撃目を放とうと突っ込んで来た彼に、散弾銃を向けた。

 

「なっっ!?」

 

 咄嗟に刀で急所を覆い、身を捩った悠真だが、飛んで来る散弾を避けきる事は叶わず、刀を吹き飛ばされ上半身を晒しながら片膝をついた。

 

 狩人がノコギリ鉈をしまう。掌底で打つような構えで腹を抉り飛ばそうとした瞬間───。

 

「悠真!」

 背後から、新しい声。四人居るという読みは間違って居なかったか。隠れて機を伺って居たのだろう。全く連携の上手い事だと心の中で悪態をついた。

 ───散弾銃で吹き飛ばしてやる。狩人が振り向いた。が、

 

「……子供?」

 

 聞こえた声に感じていた、違和感。誰かと戦うには明らかに若すぎる身体。

 その真っ青な肌を見ながら、その小さい身体を誰かに重ねた。

 何度、何度夜を繰り返しても救えなかった、あの少女に。

 

 ほんの一瞬だった。しかしそれは、既に狩人に追いついていた獣人には十分過ぎる程のものだった。

 気付けば、狩人の首は宙を舞っていた。自分の背中を見つめながら、敗北を悟った。

 

「これで、良い。あそこで手加減すれば、こちらが殺されていた」

 

 動揺する仲間を窘める獣人と、冗談みたいな大きさの武器を持った青肌の少女にこれ以上死人を見せまいと目を覆う柳、そして傷跡を抑えながら頭を掻く悠真を見ながら、彼は眠りについた。

 子供を戦わせるなど、と腹を立てながら。

 

 ──────────────────────

 

「皆さん、怪我はありませんか」

 

 呼びかけに対する、怪我をしたから帰らせてくれと冗談をかます悠真以外の平気だという声と、悠真の多少の怪我こそあれどすこぶる元気そうな姿により、柳はほっと胸を撫で下ろした。

 

「柳ねえ、怪我してるよ?」

 

「大丈夫ですよ、蒼角。少し掠っただけです」

 

「どうします、副課長? この死体、まさかおんぶしてく訳にもいかないですし……」

 

「ええ。ひとまず本部に連絡を。応援を呼びましょう」

 

「それには賛成なんですけど、ほんとにどうします、この死体? 消えていってますよ?」

 

 視線を引っ張られた様に全員が悠真と同じ方向を見る。

 狩人を名乗る男の死体は、服や武器もろとも一つの血溜まりと化してしまった。

 

「これは、一体……」

 

 皆が立ち尽くす中、大量の足音が向かってきた。治安局だった。

 

「ホロウに一人で突っ込んでいった男が居る」という通報を受け駆けつけて来た治安局にこの事件の捜査は引き継がれ、6課のメンバーは午後11時をもってようやく解散となった。

 

「あ~あ、全く今日はツイてないや……」

 

 包帯を替え終わり、自宅のベッドに横たわりながら悠真は呟いた。

 この後いつにも増して酷い悪夢を見る事になるのだが、それはまた別のお話というやつである。




上手くキャラのエミュができねえ(絶望)

ここまでは書き溜めてた分なのでこれから更新激遅になると思います。
赦してくれ…赦して…くれ…

狩人が獣人に慣れるまでの話と悠真がやけに長い悪夢を見る話はいつかおまけ的なので書いてみたい
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