生放送ゆえに様々なハプニングが起こる番組だが、突発的な事象は番組内だけではない。昨年10月31日の放送は、直前のMLBワールドシリーズ中継が延びに延び、わずか1分20秒で生放送が終了した。

この日の番組内容は、ワールドシリーズの中継が『ぽかぽか』に当たる可能性があることを把握した2カ月前から準備。事前に状況を承諾してもらったゲストをブッキングし、大部分が放送されないことになれば後日編集して出すことを決め、「せっかくお客さんが来てくれているので、待たせるわけにはいかない」と、11時50分からいつも通りに進行した。

放送されないが、CMを入れるタイミングも作る本番仕様で、出演者のテンションは「いつもと全く同じでした」と手抜きなし。結果、エンディングの最後の最後に放送が始まり、「ドジャースの皆さん、おめでとうございましたー!」と言いながら「ぽかぽか~」とわずかな生放送を締めくくった。

この体制は、今年7月30日に津波警報発令に伴う緊急報道特番で休止になった際も踏襲。あべ静江と水沢アキをゲストに迎え、いつでも生放送を迎えられるように番組を進行していたが、13時30分頃に全編休止が決まったことを受け、13時40分頃に終了。あべと水沢は、9月17日に改めて出演した。

  • (C)フジテレビ

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報道経験が生きる「コンプラ意識」と「感情の想像」

入社してから4年間、報道局に在籍していた田村氏。そこで培ったノウハウとして、ディフェンス面とオフェンス面の二面が今に生きているという。

ディフェンス面は、コンプライアンス意識。「原稿でここまで行き過ぎた表現をしたら、もし裁判になった時に負けるといった感覚は、制作者としてプラスに働いていると思います」と語る。

『ぽかぽか』は生放送ということもあり、「構成上で気をつけているのは、両論併記になるようなトークにすることです。エピソードはどうしても不幸話とか、誰かを批判するとか、ネガティブなほうが面白くなりがちなのですが、その話をしてもらった上で、リカバリーするポジティブなトークも構成上、絶対に入れます」と必須事項に。

具体的に、アスリートが高校時代の部活でスパルタ指導を受けたトークがあると、その経験があったからこそ後の活躍があるという流れを作って“読後感”を良くすることに加え、学校側に表現を確認するなど、リスクヘッジを行っているのだ。

一方のオフェンス面は、報道の取材現場で様々な人の感情に触れてきた経験だ。

「東日本大震災では発生からずっと東北に行って、津波で家が流された直後の被災者の方にインタビューしたり、ほかにも逮捕される直前の人に直撃取材したり、殺人の被害者遺族の方にお話を聞いたり、逆にうれしいことが起こった現場にも行きました。こうして、様々な感情を持った人たちと接してきたことで、 “こういうトークや表現をしたら、テレビの向こう側の人はこう思うんじゃないか”と、より想像できるようになりました」

これが、『ぽかぽか』で“喜怒哀楽”を重視する意識にもつながっているといい、「制作者としての根本になっています」とのことだ。