一般視聴者を巻き込むスタイルも『ぽかぽか』の特徴。「麻雀牌手積みチャレンジ」の牌の並べ担当といった事前募集だけでなく、その場で決まった観覧客が舞台に上がってクイズやゲームに参加したり、観覧客越しの画やリアクションを映したりすることで、視聴者がテレビ画面の中と一緒に楽しむ空気を味わえる“没入感”を意識している。

これは、田村氏が担当していた『ダウンタウンなう』で、ダウンタウン&坂上忍とゲストがお酒を飲みながら居酒屋でトークを繰り広げる「本音でハシゴ酒」の演出にも通じるといい、「あれは、まるで芸能人と隣の席で飲んでいるかのような雰囲気を味わってほしいと思って作っていました」とのこと。

前述の「NASHI FUKUROU」では、出演者が舞台から下りて、観覧客と一緒にクイズに挑戦し、坂下千里子は正解すると観覧客と自然にハイタッチしていた。「今、ああいう番組ってないじゃないですか。でも、テレビってアナログなもので、その行き着く先が出演者の喜怒哀楽だと思うのですが、それが一般の方と交わることでまた別の面白さが出てくると思うんです」と狙っている。

“お客さんの顔が見える”といえば、外観覧も『ぽかぽか』ならではのシステム。「やっぱりあそこに人が集まると、出演者の方のテンションが上がるんです。目の前でウケているというのが分かりますから、喜怒哀楽をより増長させる装置が、中のお客さんと外観覧の皆さんですね」と、番組にとって重要な要素と位置づけている。

田村氏は生放送本番中、常に観覧客の後ろに立っている。その理由は、「よりテレビで見る感覚に近いほうがいいと思っていて。本音は家でサブ(副調整室)とリモートでつないで、他のチャンネルとザッピングしながら見たいくらいなんです」といい、可能な限りの視聴者目線で放送を見守っているそうだ。

  • 田村氏目線の『ぽかぽか』生放送 (C)フジテレビ

    田村氏目線の『ぽかぽか』生放送 (C)フジテレビ

『ダウンタウンなう』で学んだ「道を作る」こと

『ダウンタウンなう』では、もう一つ学びがあった。ある出演者から言われた「道を作ってくれ」という言葉が、『ぽかぽか』にも生きているという。

「本音でハシゴ酒」は、お酒を飲みながら自由にトークしていた印象だが、出演者の立場として、「ゲストを呼んで“はいどうぞ”と野ざらしだとしゃべれない。かと言って“これをしゃべってくれ”と指定されるのも違う。道を作ってくれたら、その道を進むか逸れるかは任せてほしい」というのが、その真意。

田村氏は「本番が始まるまでにこちらができる準備はしておきますが、その道をストレートに行ってもいいですし、途中で逸れてもこっちが無理やり戻そうとはしません。どこを走るかは、出演者の皆さんの自由なので」と受け止め、「『ぽかぽか』のMC3人は、時には外れて戻ってきたりしますが、そこで事故ることもない。用意した道のゴールに到達しないこともあるし、僕らが作っていない道ができる発見もあります。僕は観覧席の後ろで見ていて、カンペも出さずに手を叩いて笑っているのがほとんどなので、今日はどういうルートを通ってくれるんだろうと、毎日楽しいです」と、全幅の信頼を寄せている。