”あなた“は
シリオンである両親の双方から受け継いだ怪力はあらゆるものを打ち砕くだろう。
しかしあなたは積極的に剛腕を振るうことはしない。壊れた生命は取り返しがつかないからだ。
そんな心に惹かれたのか、或いは守って欲しいのか、あなたには多くの信奉者がいる。
「ンナ! ンナナ!」
信奉者はボンプだ。
彼等は皆ホロウにて何かしらの───例えばエーテリアスなどの脅威に晒され、危機に陥った際にあなたが助けたボンプだ。
彼等はあなたに様々な”貢物“を捧げる。
大層なものではない。ホロウ内に落ちていた物を拾い集めているだけである。
ホロウの外で換金したとしても、数食分ほどだろう。端金だ。
それでも、あなたにとっては有用だ。
あなたは元よりホロウから出るつもりもない。使わぬ金など不要なのだ。
『GYOOOOOOOOOOO!!!!』
あなたと大半の存在には、暴力の性能として隔絶した差がある。
ホロウを棲家とするあなたにとって、エーテリアスは脅威では無いのだ。
「ンナ、ンナンナ!」
しかし、他の者はそうもいかない。
あなたには関係のない話だが、ホロウに居る限りエーテルの侵蝕からは逃れられない。
エーテリアスを破る強者であっても、エーテルに侵されたが最後エーテリアスに成り果てる。
それこそが、生物・機械の区別無く誰もが恐れるホロウという災害なのだ。
あなたの信奉者、ボンプたちも例外ではない。
そのため、定期的に隊を組んでホロウを抜けるようにしている。
今回はホロウと外を繋げる狭間に向かう途中、不運にもエーテリアスに襲われてしまった。
地獄、或いは深淵とも呼ばれるホロウでは、思い通りに進むことの方が少ないのだ。
『GYOOOOOOO───』
あなたはこちらに向かって叫ぶエーテリアスを殴り潰した。一撃であった。
あなたは9m、鎧も含めれば10mを越える巨体だが、だからと言って鈍重というわけではない。
むしろ、あなたより身軽な存在の方が珍しいだろう。あなたがやろうと思えばビルすら跳び越せる。
今まで会った中であなたの一撃を防ぐことが出来たのは、高い
あなたは常に鎧を纏っている。不恰好で、継接ぎの目立つ外装だ。
ボンプが
このようなガラクタが無くとも、あなたの体毛や皮膚、筋肉、骨は攻撃を防いで見せるだろう。
それでも、あなたは鎧を纏う。
この鎧はあなたに貢ぐ信奉者への礼であり、これからも人を救うという誓いの表れであるからだ。
特に拳の部分はあなたの一撃により日々圧縮され、高品質のエーテル合金となっている。
あなたはエーテリアスではない。エーテリアスでは無いが、並のエーテリアスを凌ぐ程にエーテルと融和している。
だというのに、あなたは理性を保ち続けている。
おそらくは『高いエーテル適正』と『頑強な肉体』の両方が原因だと思われるが、正しい原因はわからない。
あなたは思考を発展させることは得意だが、知識がない。そもそも興味もない。
………嗚呼、だから。こんなふうに勧誘されても困るのだ。あなたは心の底から迷惑がっている。
「ふふ………つれないのね。それとも、硬派を気取ってるの?」
妖艶に笑う女。讃頌会、『始まりの主』を崇めている集団の使いらしい。
確か、“無力なヒトの身を捨て、ホロウに適応した生命へと生まれ変わる”事が目的だとか。
「そう。あなたのように、ね」
あなたは『始まりの主』とやらは知らない。だが、時折あなたに語りかけてくる声は知っている。
その声はエーテルを介して、あなたに影響を与えようとしている。
「あなたほど主の恩寵を受けた人は居ないでしょう。私達は、あなたを歓迎する用意があるわ」
「ねえ、
声は今も囁いている。旧都陥落の、あなたが真に“あなた”になった時からずっと。
ホロウを広げろ。エーテル濃度を上げろ。より侵せ。更に殺せ。そうあなたに迫り、破壊衝動を湧き上がらせる。
そして、あなたはその全てを無視している。
───鎧越しでもわかるほどあなたは肺を膨張させ、空気を吸った。
「………?何を───」
あなたは叫んだ。あなたは吠えた。あなたは教えた。あなたは伝えた。
それは最早音の爆弾であり、ホロウ中に響き渡り、その外───新エリー都にまで届いただろう。
あなたは無視しているだけであって、声があなたに与えた破壊衝動、凶暴性が消えたわけではない。
それでも、まだ屈していないのだと。人は、未だ敗北してないのだと。
あなたは───俺は、まだ戦っているのだと。
11年前のあの時からずっと、あなたは勝利を叫び続けているのだ。
”あなた“/
言うまでもなく元ネタは極限化ラージャン。
喇は騒ぐ音、張は広がるという動詞。
背景とか全く考えていない。一般通過シリオンハーフがエーテルに適応した。
旧都陥落時に大暴れしたので一部の被害が軽減したが、旧都は陥落したし多くの犠牲者が出た。
常に破壊衝動を煽られているが、叫んで解消している。騒音の元。
ボンプ達
ホロウ内部で助けてもらった。所属があるボンプは元の場所へ。
そうでないボンプは貢物を捧げているが、時折ラージャンが貢物を売って(正確にはボンプに売らせて)得た金で生活している。
集団ホロウレイダーと化している。彼等が拾った宝を横取りしようとすると
サラ
金色ゴリラを勧誘したが相手が悪かった。ポンコツ疑惑のある秘書。
いきなり目の前で叫ばれた。気絶したがなんとか生きてる。