いじめ高2自殺訴訟、5年ぶり口頭弁論 元部員「じゃれ合いだった」

西田慎介 坂本純也
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 福岡県久留米市の県立高校2年で野球部の男子生徒(当時16)が2018年、いじめを苦に自殺した問題で、遺族が元部員6人に謝罪と損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が10月31日、福岡地裁久留米支部(川崎聡子裁判長)で開かれた。元部員2人と遺族の証人尋問があった。

 訴状などによると、生徒は17年7月~18年6月ごろ、部員6人にズボンや靴下を脱がされ、3人にスマートフォンを複数回隠されたとしている。

 6月22日には同級生のLINEグループから外され、靴のひもを絡ませる嫌がらせを受けたとされ、同日夜に自殺した。

 生徒はスマホに「毎日色々言われてもう限界やった」「生きているだけで苦痛だったよ」などのメモを残していた。

 口頭弁論は20年12月の第1回以来、約5年ぶり。この間にウェブでの弁論や和解協議がもたれたが、和解には至らなかったという。

 この日、元部員2人は傍聴席から見えないようについたてで遮られる形で法廷に立った。

 1人はLINEグループについて「他のメンバーのほとんどが退会させられたことがある」とし、「退会が苦痛を与えるという認識ではなかった」と述べた。別の1人は「申し訳ないと思っているけど、お互いのじゃれ合いだった」と話した。

 遺族の父親は元部員6人を「もう許すことができない」と静かに語り、怒りをにじませた。

第三者委がいじめ認定

 この問題をめぐっては県教委の第三者委が19年3月、いじめを認定し、自殺との因果関係も認める報告書をまとめた。県教委もいじめと認定した。

 県警は集団でズボンを脱がせたとして元部員3人を暴力法違反容疑で書類送検。福岡地検久留米支部は同法違反の非行行為で家裁久留米支部に送致。家裁久留米支部は3人を不処分とした。

 閉廷後、会見で父親は「記憶を取り戻して話してくれたのはよかったけど、ひとこと謝罪があってもよかったのではと思う」と声をふるわせた。

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この記事を書いた人
坂本純也
西部報道センター|平和、司法
専門・関心分野
国内政治、司法、平和・原爆