明和住販流通センター事件(東京地判令6・3・21) 上司へのメール内容はハラスメントで減給処分 1年4カ月後の懲戒有効に

2025.10.16 【判決日:2024.03.21】
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 上司に「気持悪い」「頼りにならない」というメールを送信したことはハラスメントに当たるとして、減給処分した事案。メールの送信から1年4カ月後の処分の有効性が争われた。東京地裁は、時間が経過しても企業秩序の維持には懲戒権の行使が必要で、処分は重すぎないとした。会社がメールの存在を知った経緯から、長期間処分をせずに放置していたとはいえないとした。

長期放置といえず 秩序維持する必要

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 Y社は、不動産の売買等を目的とする株式会社である。Xは、平成17年10月からY社において正社員として勤務し、腎臓疾患を患って以降、病気療養を理由とする時短勤務をしていた。また、Xは、Y社の人事評価制度において、病気療養中であることからバックアップが必要な職員としてRクラスとされ、後述の降給降格処分(以下「本件降給降格」)前はR-S1クラスであった。もっとも、業務内容について特段制限は受けておらず、特例措置として、実際の時短勤務後の所定労働時間で換算したよりも低い減額割合(6%)が適用されていた。

 Xは令和4年8月、Y社から、Xが同3年4月5日および同月8日に上司であるA次長に対し、「ストレスを感じ、かつ気持悪い」「頼りにならないにも程がある」という部分を含むメール(以下「本件メール」)を送信したことを理由に、同4年9月21日以降、S1からS2クラスに降格し、時短調整前の基本給35万6000円から2万円減給する旨の処分をされた。本件降給降格処分後、減額割合は時短勤務後の所定労働時間によって算定され13%となった。

 Xは同月27日、Y社から同日付で普通解雇することを通知された(以下「本件解雇」)。Y社が交付した「解雇通知書」には、解雇理由として、Xの言動が頻繁に他の従業員および上司の人格を著しく傷つけ、上司から注意されても反省の態度を示さず同様の言動を繰り返しており、職場内での秩序が乱されているうえ、メールおよびパソコンを業務中に私用目的で利用するなどの業務懈怠の態度が著しい旨記載されていた。また、Y社がXに対して交付した同年10月7日付「解雇理由書」では、解雇理由として、ハラスメント行為および業務命令違反、パソコン等の私用目的での利用、職務能力の欠如が、就業規則の各条項に違反する旨記載されていた。

 本件の争点は、①本件降給降格の有効性、②本件解雇の有効性、③Xの賃金(賞与を含む)請求権の有無および金額である(なお、紙幅の関係で、③の解説は割愛する)。

判決のポイント

 本件降格の有効性

 本件メール…の内容は、…Xの上司に対するハラスメント…であり、…

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令和7年10月20日第3517号14面 掲載
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