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2024年5月20日

【主張】重要土地調査法 指定区域の規制は必要最小限に

自衛隊基地など重要施設の周辺や国境離島の土地について、安全保障の観点から利用実態を調査・規制する重要土地調査法が先週から本格的に動き出した。

同法に基づき政府が規制対象とする指定区域は全国583カ所に上る。自衛隊基地の機能を阻むような土地利用を規制するのは当然だが、本来、土地利用と取引は自由であり、経済活動と国土開発の基盤でもある。規制は必要最小限にする必要がある。

同法の目的は、例えば、自衛隊施設周辺の土地に電波妨害用アンテナを設置されないように、土地利用に関して規制をすることだ。重要施設のおおむね1キロメートルの周辺が規制対象だ。近年、重要施設周辺や国境離島の土地が外国資本に所有されている例が多く確認され問題になっていた。

重要施設に含まれるのは、東京都の防衛省市ケ谷庁舎や各地の基地など自衛隊施設、沖縄県の普天間飛行場など米軍施設である。さらに、自衛隊も使用する北海道の新千歳空港や、各地の原子力発電所も対象である。また、長崎県の対馬などは国境離島として規制対象とされている。

指定区域は注視区域と特別注視区域に分かれ、国は両方の土地所有者に対し、資料提出を求め、不適切な利用があれば利用中止を命令し、最後は買い取りもできる。特別注視区域には、さらに土地取引の「事前届け出」も課される。しかし、これによって通常の土地利用や取引に支障が出てはならない。

そのため、与党は法案策定段階で、政府の当初案にはなかった「個人情報の保護に十分配慮」し、「必要な最小限度のものとなるようにしなければならない」との義務規定を総則に加えさせた。さらに、指定区域について「経済的社会的観点から留意」するとの規定も定めた。この留意により、本来なら特別注視区域に該当する東京都心の防衛省市ケ谷庁舎の周辺も注視区域にとどめられた。

安全保障と自由な経済活動との均衡のとれた運用を求めたい。

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