「空気」のようになった高額療養費制度 治療や薬…患者にできること

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聞き手・武田耕太
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 高齢化で膨らむ医療費をどう抑えるか。国民皆保険制度を維持できるのか――。そんな不安の声をよく聞くようになった。患者・市民の側に、何ができるだろうか。患者の自立と主体的な医療参加をめざす認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長の山口育子さんに聞いた。

 患者ひとりひとりが「いのちの主人公」「からだの責任者」としての自覚を持った「賢い患者」になりましょう、と呼びかけてきました。会報誌の発行や電話相談、ミニセミナー「患者塾」などを通し、患者と医療者のよりよいコミュニケーションを構築するための活動を続けています。

 医療費の自己負担に限度額を設ける「高額療養費制度」の見直しが議論されています。セーフティーネットとして重要で、守るべき制度です。一方で医療が高度化し、高額薬も次々に登場しています。制度を守るために、ある程度の負担増は仕方ないのではないか、と私自身は考えています。

会計時に受け取る明細書、どこを見る?

 いま、高額療養費制度が「空気」のようになっていると思います。制度が始まったころは、いったん3割などの自己負担額を窓口で支払い、その後に上限を超えた額が戻ってくるしくみでした。このため、制度を利用している実感がありました。現在は上限額までしか窓口で請求されません。自分がどれだけの医療費を使っているのか、自覚しにくくなりました。

 会計時に受け取る領収書や明…

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この記事を書いた人
武田耕太
編集委員
専門・関心分野
医療・健康、こども政策
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    安田菜津紀
    (フォトジャーナリスト・D4P副代表)
    2025年11月3日20時56分 投稿
    【視点】

    この記事の内容に驚いている。社会保障制度を利用することは権利であり、「恩恵」ではない。制度を利用している「自覚」を持ち、まるで感謝しなければならないかのような論調は、人権の観点からも危うい。 「制度が始まったころは、いったん3割などの自己

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    岩本菜々
    (NPO法人POSSE代表理事)
    2025年11月3日22時56分 投稿
    【視点】

     病気を抱え支払い能力のない人々をどう支えるかという社会の側の問題を、医療を利用する側の「責任感」など個人の努力の問題にすり替えるという手法は、国の公的責任を解除し、新自由主義的な政策を推し進める時に度々用いられるロジックです。高額医療費制

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