2024年12月、年の瀬に入った初日に1本の電話が鳴った。

「申し上げにくいのですが今回のコーディネートは患者さんのご都合で終了となりました。度重なる検査や禁酒のご協力をして頂きありがとうございました。」

その後にも話は続いたがあまり憶えていない。

インスタのストーリーには上げてたがドナー登録をしていた骨髄移植の手術を受ける事になっていた。
コレ登録して7年越し。
7月に検査で呼ばれたものの肝臓の数値が高すぎて手術が出来ないと言われ禁酒をして9月の終わりに再検査。

最初の検査では手術は早ければ9月(手術には患者さんの体調面もある)順当にいけば10月でしょうと言われていた。
前述の通り、日々の飲酒が響いて通常の人の5倍の肝臓の数値を叩き出し再検査となったので禁酒をした。
ワタシを知る皆さんなら分かるとは思いますが水のように酒を飲むワタシが禁酒とは一大事。

誓って言う。
その間、1滴も飲まなかった。

それを乗り越え12月の中旬に手術をする予定だった。

再検査の日がやってきてその検査中にワタシは聞いた。
「もしこれでダメだったら再々検査になります？」
医師はこう言った。
「いや、再検査自体基本的にしません。こういった検査費用なども患者さんの負担でもあります。」
検査や手術に関する事は分かっていたつもりがリングに立てていなかった自分を恥じた。

そもそもお相手には時間がないのだ。

他にもドナー適合者がいる事はドナーのコチラには伝えられない事になっていて。
驚くのが適合者の人の60%くらいが辞退するらしい。
再検査案件のワタシを望むという事はそういう事。
多分ワタシ以外に候補はもういない。

ワタシは再検査を無事にクリアした。
が、手術の前にまた数値が上がると手術出来ないから禁酒はしててほしいと。

結果120日、本当に1滴も飲まなかった。
ほとんどの人が知るワタシと言えば泥酔スト(ベーシスト)のワタシが、だ。
そして冒頭の電話に戻る。

つまり、間に合わなかった。

厳密に言うと「患者さん都合」の都合は教えてもらえない。
ただ白血病の方への移植手術。
現在も薬で完治はなく骨髄移植のみ。
通常無いと言われた再検査までした。
ということはそういう事だと。

人生で1番悔いた。
ワタシが毎日ヘラヘラ酔っ払ってたせいで再検査になった。
最短の予定で手術が出来ていたら、と思わずにいられない。
数人の友人に話したが、
しょうがないよ
少しの間でも希望が見えただけでもよかったと思うよ
という意見ばかりだった。
たしかにそうも思う。
が、ワタシは助けたくてドナー登録をした。
やっと出番が来た。
そしてそれは日々の生活のせいで叶わなかった。
いや、叶わなくなってしまった、だ。

その後、1週間くらい本当に落ち込んだ。
しかしワタシは思った。
コレはもうどんなに考えてもどうにも出来ない。
出来る事はなんだ？

それは知ってもらう事。
骨髄バンク、ドナー登録、白血病について。
ワタシがそれらについて知ったのはX Japanのhideさんがキッカケ。
ファンの方が世界に3例くらいしかない難病でそれを機にhideさんがドナー登録をして記者会見をした時だ。
それを観て自分も、と思った。

勿論hideさんのような影響力はワタシにはない。
でも知ってもらう事が大事。
知った人は登録せずとも、その友達が登録して適合するかもしれない。
適合率は何万分の1。
彼らは万が1の可能性を信じて待ってる。
かもしれない、ていう可能性すら大事。

ワタシはロフト統括の大塚さんに相談した。

骨髄バンクのポスターをフラワーズと貼れる系列店に貼ってもらえないかと。
オーケーをもらった。

そこで全国各地にいるワタシの友達、世話になったライブハウスに電話したりもしてるがお願いある。
郵送するので画像のポスター貼ってほしい。
勿論お店の思考やスペースなどもあるのでその上でオーケーならば。
神奈川、埼玉、千葉ならワタシ持って行きます。
ついでに5杯くらい飲んでお金も落としますので連絡プリーズ。
早速北海道に送るのが決まった上に、ドナー登録もしてくれたそう。
泣けちゃう。

hideさんのファンの子は小さな頃から病院で過ごしてその後手術を受けられて、ベッドを出て外の世界に触れる事が出来た。
その映像が忘れられない。

ワタシがあげられる物で誰かの毎日に光が差すのならば何度でもあげたい。
何も変わらないかもしれない、と思って何もしなかったら何も変わらない。
THE CLASHのジョーストラマーは言った。

「月に向かって手を伸ばすんだよ。例え届かないとしても。」

この投稿はつまりコレ、ワタシのパンクスマインド。
月に向かって手を伸ばしているその手を掴んで引っ張って起こしてあげたい。
その手を掴む為に月に向かって手を伸ばす。

シェアしてくれたら嬉しい。
ドナー登録しなくても、知って、考えてくれるだけでも嬉しい。

長々読んでくれてありがとね。

骨髄バンクのサイト↓