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Conversation

私は豊猟会の下っ端としてこの活動に携わっています。 神奈川県におけるツキノワグマの生息数はおよそ40頭とされており、県のレッドリストでは絶滅危惧Ⅰ類(絶滅のおそれのある地域個体群)に分類されています。 このような状況から、県ではツキノワグマが誤って捕獲された場合には殺処分を行わずに奥山へ放獣するなどの対応を取り、また狩猟の自粛も呼びかけています。 ツキノワグマの個体数を回復させたいという思いがある反面、人里への出没が増えるのは避けたいというジレンマがある中で、猟師という立場から何ができるかを考えたときにハジメさんが思いついたのが、 「熊が食べる実のなる木を山に植えて育てる」という取り組みでした。 樹種を選定する中で目をつけたのがクヌギ。クヌギは発芽率が高く簡単に苗を作ることができ、根を地中深くに強く伸ばすので植えれば土砂崩れの防止に役立つことが期待されます。また椎茸の原木としても最適で、材として収穫したあとも萌芽更新により継続的に活用することが可能。「熊の住める山づくり」と同時に「災害に強い山づくり」「お金になる山づくり」ができるのではないかとハジメさんは考えました。 地域の人たちにクヌギのドングリを拾ってもらい苗をつくり山に植えて育てるこの活動を十数年前から続けてきました。こうして地域に育林の仕事も生んできました。 ところがここ数年、山北町にはたくさんのクヌギの母樹があるにもかかわらずドングリの凶作が何年も続きました。このままでは苗木づくりが進まないと苦心していたところに、たまたま見つけたのが例のクヌギ。次の年も、また次の年もそいつだけがたくさんのドングリを実らせるのを不思議に思い多少の誇張も相まってあって「幻」という言葉が出たのかもしれません。 豊猟会としてはこの取り組みに共感し、今年の3月からハジメさんと共に山づくりにチャレンジしています。シカの食害があり、うまくいっていないところもありますが勉強しながら楽しく活動しています。 猟師にとっての山を、単に「獲る」対象としてではなく、「施す」対象として再定義すること。 その考え方こそが、私たちの活動の根幹にあると思っています。 「猟師の山づくり」という言葉はその理念を象徴するものであり、グループの結束を高める力もあると思っています。 「幻のクヌギを全国に配布して…」という点については、ハジメさんのマイクパフォーマンス的な要素もあるかと思います。 ただ、たとえ本気でそのように考えていたとしても、地域ごとに熊の生態環境や実情が異なること、また種の遺伝的撹乱が懸念されることから、個人的には賛同しかねる立場です。 また、ミズキやウワミズザクラ、カラスザンショウ、ヤマグワ、オニグルミなど、いろんな樹種を植えて季節ごとに木の実を食べられるようにしてもよいのかなと思います。 今後もさまざまなご意見やご批判をいただくかもしれませんが、そうした声を真摯に受け止めながら、より実りある活動へとつなげていけたらいいんじゃないかと思います。
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ライブドアニュース
@livedoornews
【危機感】「クマだって人間を避けて生きたいんだ」餌得られる山にするため、神奈川の猟師が奔走 news.livedoor.com/article/detail 猟師の男性は「山奥はスギとヒノキばかり。こんな森では野生動物が生きられない」「クマが増えたのではなく、人間が餌場を奪った結果、里に下りてきている」と語気を強めた。
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