VRChat炎上まとめ│VRChatはなぜ炎上を繰り返すのか?2018年から2025年までの論争
VRChatという名前を聞いたことがあるだろうか?
VRゴーグル(頭に装着する仮想現実を体験できる機器)を使って、仮想空間で世界中の人と交流できるサービスだ。アバター(自分の分身となるキャラクター)になりきって、まるで別の世界で生きているような体験ができる。
2017年にサービスが始まってから、このVRChatは何度も大きな炎上を繰り返してきた。
版権侵害、MOD(ゲームを改造するプログラム)禁止、セクハラ、運営乗っ取り、デマ拡散、未成年への脅迫——挙げればきりがない。
なぜVRChatはこれほど問題が絶えないのか?
この記事では、VRChatを知らない人にもわかるように、2018年から2025年現在までの主要な炎上事件を時系列でたどっていく。僕自身はVRゴーグルを持っていないんだけど、このコミュニティで起きていることは、僕らの社会全体が抱える問題の縮図だと思っている。
2018年:版権侵害問題で始まった火種
MMD界隈からの流入と版権意識の欠如
VRChatの初期、2018年頃に最初の大きな問題が起きた。
それは版権侵害だった。
MMD(MikuMikuDance:初音ミクなどのキャラクターを3Dで動かせる無料ソフト)のユーザーが大量にVRChatに流入してきた際、版権キャラクターのモデルを無断で使用する問題が多発した。
要するに、アニメやゲームのキャラクターを勝手にVRChat内で使っていたわけだ。
本来、こうした版権キャラクターを使うには権利者の許可が必要なんだけど、「VR空間だから大丈夫でしょ」みたいな軽い認識で使う人が多かった。
CGWORLDというメディアでこの問題が取り上げられ、大きな議論を呼んだ。
ちょっとえらいことになっちゃったみたいです。VRChat関連の新規ユーザーは元々MMD界隈で業界荒らしてた人も多いので版権への理解が甘い人が多いです。他にも色々なところで炎上してるみたいですし。フグを喰らわば毒までってことです。https://t.co/VUeYiln1tp https://t.co/VUeYiln1tp
— 坂本ますく@3DCG_目指せデジタルアートマスター (@mask_3dcg) May 11, 2018
この投稿が炎上の起点となって、VRChatコミュニティ全体の版権意識の低さが批判された。
まあ、新しいプラットフォームが登場した時って、こういうルールの曖昧さが必ず問題になるんだよね。
2022年:MOD禁止騒動でコミュニティが分裂
EAC導入とMODユーザーの反発
2022年、VRChatは**EAC(Easy Anti-Cheat:不正行為を防止するプログラム)**を導入した。
これによって、MOD(ゲームに機能を追加するプログラム)の使用が実質的に禁止された。
MODって何かというと、公式にはない便利機能を追加するプログラムのこと。例えば、フレンドリストを見やすくしたり、パフォーマンスを改善したり。ユーザーが自作して使っていた。
ただ、MODの中には悪用されるものもあって、他人のアバターを盗んだり、ワールド(VRChat内の仮想空間)を荒らしたりする不正ツールも存在していた。
運営としては、こうした不正を防ぐためにEACを導入したわけだけど、便利なMODを使っていた一般ユーザーからは猛反発を受けた。
結果として、Steamのレビューが大炎上。いわゆるレビュー爆撃(大量の低評価レビューが一斉に投稿されること)が起きた。
実際、今回騒ぎになるまで海外のVRChatの方々の実情を知らなかったことは事実なんですよねぇ。
— レナス・スケイム🍊「楽しい」を伝えたいボクセルいのちVtuber🔶 (@sukeimu_v) July 27, 2022
ただ、それを認めた上で今回情報を取り入れた結果、
「規約を無視してModを導入しないと成り立たない使い方をしていることそのものがダメなんじゃないの?」
という結論にしかならなかったですが・・・ https://t.co/kgtqdrmH0x
この投稿では、MOD規約違反の使い方が批判されている。
さらに、日本サーバーがDDoS攻撃(大量のアクセスを送りつけてサーバーをダウンさせる攻撃)のような状態になり、サーバーが落ちる事態も発生した。
色々調査して分かった事だけど、専門的な事は兎も角VRChatの日本鯖が疑似的なDDos状態に陥っているらしい
— ラック@大衆食堂へらぶな店主 (@Name_is_Luck_) July 27, 2022
知り合いにコネクションしているTCPを調べてもらったのだが、どうやら日本鯖へのポート状態が変らしいね
それとは別の問題としてEAC Errorで弾かれている知り合いが多数居る
※画像掲載許可済 pic.twitter.com/Ihx9w06aS5
この騒動で、VRChatコミュニティは「MOD派」と「公式派」に分裂した印象がある。
海外ユーザーを中心とした騒動だったけど、日本でも大きな議論を呼んだ。
2024年:経営危機とハラスメント問題の表面化
スタッフ30%のレイオフ
2024年、VRChatはスタッフの30%をレイオフ(解雇)した。
これは単なる人員整理ではなく、収益性と将来の存続に対する不安を象徴する出来事だった。
VRChatは無料で遊べるサービスだけど、収益源は限られている。主な収益は「VRChat Plus」という有料サブスクリプション(月額課金サービス)と、アバターやワールド用の有料アセット(3Dモデルや素材)の販売手数料くらい。
それで数十人規模のスタッフを抱えて運営するのは、正直キツいんじゃないかなと思う。
このレイオフのニュースは、コミュニティに「VRChatって、もしかして終わるんじゃないか?」という恐怖を植え付けた。
Does anyone else feel that realization that there’s a lot of “NPC’s” in VRChat? Not literal NPC’s you can interact with in worlds lmao, but people that only talk about the following: Lewd, Alcohol, and/or Drama.
— Shopow (@ShopowVR) October 6, 2025
Tbh, I’d probably have a conversation with the teppanyaki robot npc…
この投稿では、コミュニティの毒性(有害な雰囲気)や「NPC」行動(何も考えず流されるような行動)が指摘されている。
経営が不安定だと、運営の対応も後手後手になりがちで、それがさらなる問題を生む悪循環に陥る。
未成年者への脅迫・セクハラ暴露
同じく2024年から2025年にかけて、未成年ユーザーへのセクハラや脅迫が次々と暴露された。
VRChatは匿名性が高く、アバターを使って別人になれるため、現実世界では考えられないような行動をする人が出てくる。
#拡散希望 #VRChat
— あおちゃん (@ao1401_) October 12, 2024
ちなみに実際の配信を切り抜きしたものがこちらになりますが本当に酷いです。
これよりもっとひどいセクハラ行為等も何度も行っている常習犯ですし本人に聞いても直す気も無いみたいですのでこれ以上の被害が出ないためにも本当に拡散協力よろしくおねがいします。 https://t.co/p3i3Loa8kg pic.twitter.com/J1cXefbwL9
この投稿では、配信の切り抜きによってセクハラ常習犯が告発されている。被害者からの拡散希望として投稿された。
VRChatで未成年の方が相手から脅迫されたという話を確認しました。
— やがて捨てられる補助輪 (@byebye_hojorin) May 28, 2025
添えられた音声でのやりとりの記録が聞く人によっては強い不快感やショックを受ける可能性があること。
被害届は出しているとのことなので、拡散行為が相手への私刑行為と判断される可能性が考えられることから拡散はしません。
こちらは未成年への脅迫音声が確認され、拡散自粛を呼びかける声もあったものの、議論を呼んだ。
まあ、正直言って、仮想空間だからって何をしてもいいわけじゃない。当たり前のことなんだけど、VRChatみたいな空間だとその境界線が曖昧になりがちなんだよね。
2025年:連続する炎上と深刻化する問題
2025年に入ると、VRChatの炎上は加速した。
短期間に複数の大きな問題が次々と表面化し、コミュニティ全体が混乱状態に陥った印象がある。
1) イベント運営のセクハラ・パワハラ問題
CSBグループというイベント運営団体で、内部のセクハラ・パワハラ問題が告発された。
CSBは、VRChat内で大規模なイベントを開催する有名なグループだった。
しかし、推しメンバーへの被害告発が相次ぎ、署名運動にまで発展した。
この件に関してCSBグループ代表(@sara_azura )からの充分な説明•謝罪が無ければ追加でポストし、Vket(@VketReal )への永久出店停止の署名運動をしようと思います。推しをセクハラパワハラモラハラから守る為、同じような被害を増やさない為、楽しく #VRCHAT でイベントが出来るよう御協力下さい。
— 南 紗英/Minami Sae (@oniku_umai_na) April 26, 2025
この投稿では、CSB代表への説明・謝罪要求と、Vket(バーチャルマーケット:VRChatで開催される大規模イベント)への出店停止を求める署名が呼びかけられている。
運営団体の内部トラブルがここまで大きくなるのは、コミュニティの信頼が大きく揺らいでいる証拠だと思う。
2) FUJIYAMAワールド運営乗っ取り騒動
2025年、FUJIYAMAワールドという人気ワールド(VRChat内の仮想空間の一つ)で、運営の乗っ取り疑惑が浮上した。
運営メンバーの体調不良を利用して、他のメンバーが運営権を奪ったという告発がnote(ブログサービス)に投稿され、大炎上した。
補助輪さんと話しました#FUJIYAMA の問題
— ミツエモン@11.13未来しごと集会 (@axie_japan) October 26, 2025
どっちが悪いとかじゃなくて
同じことを起こさないために
どうしてくかが
大事だって結論に至りました
そのために#VRChat で活動する人向けの
コンプラ/ガバナンスをゆるく推奨する
【組合】みたいな
仕組みのアイデアが話の中で出てきた🤝
どう思う❓ pic.twitter.com/6owKBwqIrc
この投稿では、FUJIYAMA問題についての議論と、組合のようなアイデアが提案されている。
このところ日本のVRChatを悪い意味で賑わせている件、なんかもう情報が錯綜しすぎてわけわかんねぇ🙃…
— にゃまさぎ (@nyama_sagi) October 27, 2025
こちらでは、情報が錯綜していることが批判され、内輪揉めを民意化するnoteが問題視されている。
https://x.com/Fuon_Vtuber/status/1982959263378178378
運営乗っ取り疑惑のまとめと、noteの偏向が指摘されている。
FUJIYAMA炎上の件、内容が不十分な情報を発信されただけであれだけ炎上したのがヤバすぎる
— ナズナ/nazuna_d (@nazuna_d2) October 27, 2025
VRChatには定期的に炎上するネタがいくらでも転がっているので、また同じように大炎上するかもしれないというのは常に考えていかないとな
不十分な情報発信による炎上リスクが警告されている。
この騒動の問題は、情報の錯綜だった。
一方的な告発だけが拡散され、真偽が確認されないまま大騒ぎになった。結局、何が真実だったのかは今もはっきりしていない。
まあ、SNSで拡散される情報って、こういうリスクが常にあるんだよね。
3) 規約違反デマ拡散と配信ルール誤解
2025年には、VRChatの規約に関するデマも拡散された。
「VRChatでは無断配信が禁止されている」というデマや、アバターの撮影規制についての誤解が広がり、混乱を招いた。
これVRChatの規約にどこにも書いていない(なんならプラットフォームを利用したら動画配信しても良いと明記してる)のに、何故かGMOの平文でいきなり無断配信禁止の勝手ルールが提唱されていて非常にデマになってる有害な部分だと思ってる
— ǝunsʇo ıɯnɟɐsɐɯ / メタバース炎上対策専門家 (@otsune) August 16, 2025
>他人のアバターやワールドを無断で映すのはNG https://t.co/u8kg97Uufd
この投稿では、規約にない配信禁止デマが批判され、有害だと指摘されている。
何件か #VRChat の荒しの晒しが流れてくるので思うのは、
— Tony_Lewis @VRChat (Tony Lewis Hiroaki URAHAMA) (@slord399) August 16, 2025
その場に居た人が "https://t.co/tGhzqJALoq"から証拠をつけて通報しましょうねというお話。
ちゃんと何があったか書かれていれば運営側でログと照らし併せて対応ササッとしてくれますから。…
荒らしを晒す投稿のリスクが警告され、運営への報告が推奨されている。
VRChatの規約は英語で書かれていることもあって、日本語圏のユーザーには正確に理解されていないことが多い。
それにつけ込んで、デマが拡散されやすい土壌がある。
4) クリエイターの人間性・コミュニティ毒性暴露
Fantia(クリエイター支援プラットフォーム)のランキング関連記事で、あるクリエイターの人間性が批判された。
VRChatのゲーム性を他責(他人のせい)にする態度が問題視され、コミュニティの毒性が改めて浮き彫りになった。
読んだ感想。
— スウ(・∀・) (@suh_JP3SGN) September 11, 2025
かなり辛口だけど。
自分の人間性で問題を引き起こしておきながら、その理由として「VRChatというゲームの性質のせいだ」と他責して、「自分は悪くないもん!被害者だもん!」と駄々を捏ねているだけ。
問題の原因は、コレを書いている人の人間性がクソだから。
以上。 https://t.co/gkfxFaNyZu
人間性を「クソ」と批判し、ゲームを他責にする駄々が指摘されている。
案の定色んな人が色々と言ってるので、私は別観点でこの記事に関する疑問を投げときますね。
— Reg(土) (@ANCR_eret) October 30, 2025
無料公開分を読むと… https://t.co/nQOWfHRTJM
Fantia記事のVRChatへの紐づけに疑問が投げかけられ、誤解が指摘されている。
8年弱くらいVRChatやってるけど、自分で管理してるJPT含め長続きするワールドやイベントに共通してるのは「利用者・仲間への誠意」と「自分の意思」だと思うんだよね 自分で言うのもアレだけど…
— たましこ (@tamsco274) October 25, 2025
運営の誠意・意思の欠如が批判され、内部喧嘩による炎上例として言及されている。
まあ、クリエイターも人間だから、完璧な人なんていない。でも、影響力のある人がこういう態度を取ると、コミュニティ全体の雰囲気が悪くなるのは確かだと思う。
5) 同性愛結婚偽装・内輪ノリ炎上
内輪ノリの投稿がジェンダー関連で大炎上した事例もあった。
同性愛を偽装するような投稿が、女性ユーザーへの偏見を助長するとして批判された。
昨日一日で同性愛結婚と偽ったやつとjust云々のやつで2人も炎上したがどっちも「そんなつもりなかったんです🥺内輪ノリで…🥹」みたいなムーブしてんのあまりに"女さん"すぎて笑いが出るな
— わさび (@wasabi31_Vrchat) October 26, 2025
女嫌いな奴が多いvrchatのコミュニティでそれ通じるって思う脳みそ、流石炎上するのも予測できない馬鹿って感じ
同性愛偽装とjust云々の炎上、「女さんムーブ」という表現が批判されている。
内輪ノリって、当事者には楽しいかもしれないけど、外から見ると不快に感じる人もいる。特にジェンダーや性的指向に関わる話題は、慎重になった方がいいと思う。
6) バーチャル僧侶関連の危険人物告発
個人の告発動画で、危険なユーザーが暴露される事例もあった。
皆さん、ちょっと聞いてください
— いとよ(バーチャル僧侶)@VRChat (@itoyo_monk) October 31, 2025
私の元お砂糖が、危険人物なので
これ以上、被害者が出ないように
今日は勇気を出して、告発します
(動画があります)
VRChatの危険なユーザーを告発します|いとよ(バーチャル僧侶) https://t.co/IzXJwRtHWi
危険人物告発noteが投稿され、被害防止を呼びかける「勇気ある投稿」として拡散された。
こうした個人告発は、被害を防ぐために必要な場合もあるけど、一方で冤罪のリスクもある。バランスが難しい。
7) ワールド・イベントの居場所感トラブル
ワールド閉鎖後に、そのワールドをコピー(リッピング:データを不正に抽出すること)して似たようなワールドを作る現象が問題になった。
そういやVRChatは「ヘッドセットを使うと居場所感や臨場感で脳がバグる」という特性があるからなのか、元祖Japan Shrineみたいにワールド作者が権限で閉鎖してもリッピングしたコピーワールドを立ち上げるみたいな現象が発生してたな。
— ǝunsʇo ıɯnɟɐsɐɯ / メタバース炎上対策専門家 (@otsune) October 28, 2025
馴染みの居場所をもとに戻す動機なのか。
「居場所感バグ」によるコピーワールド現象が議論されている。
これは「脳バグ特性」(脳が錯覚を起こす性質)を利用したもので、元のワールドに愛着を持っていた人からすると、不快に感じる問題だ。
8) コミュニティの毒性と「ダークサイド」暴露
最近の動画や投稿では、VRChatコミュニティの**「ダークサイド」**が次々と暴露されている。
危険なグループ、退廃、人身売買疑惑、監視行為——これらの内部告発が相次いでいる。
Jesus christ we had no idea how bad it was.
— Rima Evenstar (@RimaEvenstar) July 24, 2025
-During the Hogwarts Legacy controversy, Silvervale had a call with Gunrun, someone she admired. She says she was told she was “a disappointment,” “harmful to the brand,” and that her harassment was “an inconvenience” to other talents.… pic.twitter.com/HpiXUZk6BJ
VRChat文脈でのVTuberの操作と裏切りが告発され、1.6万以上のいいねを集めた。
I just watched the whole 46 minutes of this video and I'm disgusted with VRChat. With all the degeneracy going on, it didn't surprise me something was going on behind the scenes, with all the paid age verification bullshit and other concerns it all adds up.
— Vyra (@VyraxioN) October 28, 2025
I'm never playing… https://t.co/CNNtHlXjV9
暴露後の退廃に対する嫌悪感が表明されている。
vrchat trolling content must be way nicher than i thought it was bc like 3 whole dudes got outed for soliciting things from fans, lolicon, etc. and there's like one tweet and like two youtube videos ab it 😭
— જ⁀➴ ꒰ °bii ꒱ 🍉 ༘⋆ | GHOST OF YOTEI BRAINROT (@bumbleybii) October 29, 2025
クリエイターのロリコン(未成年への性的嗜好)や勧誘の暴露。ニッチだが未報告のドラマを強調している。
A whistleblower came forward with details of schematics, transactions, contacts of key players, client lists, and dates and times of exchanges. Slowly, the technology was moving further away from monitoring into full blown human and sex trafficking.
— PSIVS (@StopVirtuaStalk) October 29, 2025
人身売買の繰り返し内部告発がなされている。
正直、ここまで来ると「仮想空間」という言葉では済まされないレベルの深刻さだと思う。
なぜVRChatは炎上を繰り返すのか?
ここまで見てきて、一つの疑問が浮かぶ。
なぜVRChatはこれほど炎上を繰り返すのか?
僕なりに考えた理由をいくつか挙げてみる。
理由1:匿名性と無責任の構造
VRChatは匿名性が高い。
アバターを使えば、現実の自分とは全く違う姿になれる。声も変えられる。
この匿名性は自由をもたらす一方で、無責任な行動を助長する。
「どうせバレないから」という意識が、ハラスメントや不正行為のハードルを下げてしまう。
理由2:運営のリソース不足
2024年のレイオフで明らかになったように、VRChatの運営はリソース(人員・資金)が不足している。
スタッフが少なければ、問題への対応も遅れる。
規約違反の報告が放置されたり、ハラスメントが野放しになったりする。
結果として、ユーザーの不満が溜まり、炎上につながる。
理由3:コミュニティの自治の難しさ
VRChatは「ユーザーが作る世界」を掲げている。
ワールドもアバターもイベントも、ほとんどがユーザー主導で作られる。
これは素晴らしいことなんだけど、自治の難しさも生む。
運営がコントロールできない範囲で問題が起き、それが炎上する。FUJIYAMAワールドの運営乗っ取り騒動なんかはその典型だ。
理由4:情報の錯綜とSNS拡散
VRChatコミュニティは、X(旧Twitter)やnoteなどのSNSと密接に結びついている。
問題が起きると、すぐにSNSで拡散される。
でも、その情報が正確とは限らない。デマや一方的な告発が、真偽不明のまま広がる。
FUJIYAMAワールド騒動や規約デマがその例だ。
理由5:コミュニティの多様性と価値観の衝突
VRChatには、世界中から様々な人が集まる。
年齢も性別も国籍も価値観も、バラバラだ。
これは豊かさでもあるけど、価値観の衝突も起きやすい。
何が「許される行為」で、何が「許されない行為」なのか。その基準が人によって違うから、摩擦が生まれる。
まとめ
VRChatは、2018年から2025年まで、数え切れないほどの炎上を経験してきた。
版権侵害、MOD禁止、セクハラ、運営乗っ取り、デマ拡散、未成年への脅迫、人身売買疑惑——挙げればきりがない。
なぜこれほど問題が絶えないのか?
それは、匿名性と無責任の構造、運営のリソース不足、コミュニティの自治の難しさ、情報の錯綜、価値観の衝突——これらが複雑に絡み合っているからだと思う。
でも、僕はVRChatというプラットフォーム自体を否定するつもりはない。
仮想空間で自由に表現し、世界中の人とつながれる体験は、本当に素晴らしいものだと思う。
ただ、その自由には責任が伴う。
匿名だからといって何をしてもいいわけじゃない。
運営もユーザーも、もっと誠実に向き合う必要があるんじゃないかなと思う。
VRChatがこれからどうなるのか、僕にはわからない。
でも、このコミュニティが抱える問題は、僕らの現実社会が抱える問題の縮図だ。
仮想空間で起きていることは、決して「バーチャルだから関係ない」で済ませられるものじゃない。
これは、僕ら全員が考えるべき問題なんだと思う。


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