26年前の名古屋主婦殺害、容疑者を複数回聴取　当初DNA型提出拒む

1999年11月に名古屋市西区のアパートで住人の主婦、高羽奈美子さん（当時32）を殺害した疑いで逮捕された同市港区のアルバイト、安福久美子容疑者（69）に、愛知県警が今年、複数回任意の事情聴取をしていたことが1日、西署捜査本部への取材で分かった。

以前も聴取したが、最近の捜査で事件に関与した疑いが強まったとみられる。当初はDNA型鑑定試料の任意提出を拒んでいたが、10月に応じたという。捜査本部は動機などを調べる。

捜査本部は11月1日午後、安福容疑者を立ち会わせてアパートを現場検証した。部屋は高羽さんの夫、悟さん（69）が事件解決のため現場を残そうと計2200万円以上の家賃を支払って借り続けていた。

現場検証の終了後に取材に応じた悟さんは「希望はかなった。このために頑張って家賃を払っていた」と話し、事件の全容解明を願った。安福容疑者について「動機がまだ分からない。（容疑者が）自分の関係者でつらい裁判になると思う。うそ偽りなく正直に話してほしい」とも語った。

捜査本部などによると、事件発生からの26年間で話を聴いたのは5千人以上に及び、安福容疑者も含まれていた。

高羽さんは安福容疑者と面識がなかったとみられる。容疑者の逮捕後に悟さんは2人について「知る限りでは接点がない。（容疑者が）自分の関係者だったので、奈美子には悪いと思う」と話した。容疑者と悟さんは高校で同じソフトテニス部に所属していた。

99年11月13日午後、アパートの大家が廊下に倒れている高羽さんを見つけた。首を数カ所刺され、失血死だった。安福容疑者は今年10月30日に出頭し、同31日に容疑者と現場に残された血痕のDNA型が一致し逮捕された。容疑を認めている。〔共同〕