狩人さんが今度はテラの大地に赴くようです 作:ron3studio
狩人さんは前回の滞在中にケルシーからテラの大地のことについてある程度教えて貰っています。
狩人のステータス
体力 65
持久力 50
筋力 60
技術 75
血質 30
神秘 50
右手武器
ルドウイークの聖剣+10
月光の聖剣+10
左手武器
エヴェリン+10
装束
狩人の帽子
狩人の装束
煤けた狩手袋
狩人のズボン
今日も今日とて狩人は聖杯ダンジョンに潜っていた。
導きのノコ鉈を完全体にするべく物理27.2%スタマイの血晶石を求めて*[8ewm2xxx]の三デブのモツを何度も何度もブチ抜いていた。
「ふぅ……そろそろお目当ての物が出て欲しい所だが、むぅ。今回もダメか」
真っ先に細身の大槌持ちの*守り人の長モツを2回ブチ抜いて生命活動を停止させ、その次に大きな大きな肉断ち包丁のような剣を持った守り人を殺し、最後に銃持ちの守り人にバクスタを決めればひと段落。
少し待てば報酬の血晶石がポケットの中に入っていたが、性能はカス。生まれてくるべきでは無かった。恥を知れ。と狩人が内心で散々に罵倒するくらいにはお目当ての物からは遠かった。
「はぁ……一個、一個お目当ての物を手に入れたら休憩するか……」
まあ血晶石厳選なんてこんな物なので、狩人は気を取り直して灯火へと手を翳した。
一回、二回、三回……と周回を繰り返し、周回が20回を超えたところで、ようやくお目当ての物理27.2%スタマイの血晶石を手に入れることが出来た。
「スゥ……私はやったんだぁぁぁぁあ!!!!……よし、人形ちゃんとお茶会をしよう」
余りの嬉しさに狩人も雄叫びをあげ、一頻り声を出して満足したら灯火に手を翳して狩人の夢へとさっさと戻っていった。残り一個手に入れないといけないって野暮な話はしないでおこう。狩人が壊れちゃうわ。
———
[狩人の夢]
「ただいま〜!」
「お帰りなさいませ、狩人様。とても嬉しそうですね、良い事でもありましたか?」
「うむ、ようやく欲しい血晶石が一個手に入ったのだ。もう嬉しくて嬉しくて仕方がない。と言うわけで一緒にお茶でも如何かな?」
「喜んで同席させて頂きます」
「よし、それでは待っててくれ。紅茶の準備をしてくる」
とは言っても、人形ちゃんは無機物なので当然お茶などを飲める訳もなく……一人お茶会のような物なのだが。まあ一人では無く二人で時間を過ごす、という事が大切なのだろう。
狩人はルンルン気分で狩人の夢にある工房の中に入り、棚にしまっていたティーカップにポット、茶葉を取り出す。茶葉をポットに入れ、いつの間にか足元に湧いていた使者から沸騰した湯が入った容器を貰う。
その湯をポットに入れ茶葉を蒸らすために少し待つ。
かなり適当な淹れ方ではあるが、生憎ここには紅茶の淹れ方をご教授してくれる者は居ないし、教本も無い。それに狩人も大して味は気にしてないので、まあこれでいいのだろう。
何はともあれ、数分待った狩人はポットとティーカップを持って人形の元へと戻った。
「戻った」
「お帰りなさいませ」
人形はいつもの石垣に腰掛けており、狩人もその横に、少し間を空けて座る。そうしたらティーカップに紅茶を注ぎ、ポットは自身の横に置いて楽しい楽しいお茶会の始まりだ。
「はぁ、最近は散々だった。頭を大槌でカチ割られかけたかと思えば散弾が身体の至る所にめり込んで死ぬわ、*謎に足が長い奴の火球に焼かれて死ぬわで……」
「狩人様、幾ら貴方様が生き返れるからと言って慢心は禁物であります」
狩人が上位者となった今でも、彼自身が恐ろしく強大な力を行使出来る訳ではない。人の形を保ったままならば、精々この狩人の夢を維持し、死んだとしてもその事実を夢として蘇る等。"人"という存在がほんの少しだけ力を得て一個格を上げられた様な物だ。
つまり、彼も普通にミスをするし気を抜いて死ぬこともある、という事だ。
「あぁ。忠告、身に染みるよ。そうだ、以前話した異邦?というよりは別世界の者と再び会う機会があってな、また良き体験が出来た。」
「それは……良かったですね」
「うむ、とても良い再開であった」
そこから狩人は人形にテラの大地で体験した事を話しだした。
オリジムシなる生物についてケルシーから教えてもらったこと。
テレジアという新たな友人が出来たこと。
あの大地に生きる人間が、苦難の道を進んでいることを。
強い意志を持つ人間が居ることを。
そんな事を話し込んでいれば、あっという間に時間は過ぎ去り、ポットにもティーカップにも紅茶は無くなっていた。
「む……お開きか」
ここ狩人の夢は時間の流れというものが曖昧であり、それ故に何かしらの区切りを決めておかないと、狩人がその時話すことが無くなるまで話し込んでしまうのだ。
「そうですね、とても楽しい時間でした」
「それなら良かった。さてと、片付けをしてからテラにいる友人に会ってくる。当分の間空けると思うが、何かあったら*コレで伝えてくれ」
狩人がポケットから取り出し、コレと言ったのは彼がケルシーに渡した鐘と似たような物であった。それは狩人が人形に何があった時のお守りとして渡した物であり、機能としてはケルシーに渡した物と変わりは無い。
とは言えこの狩人の夢に人形を害する存在はおらず、強いてあげるならば……狩人の攻撃くらいだろうか。が、狩人が人形に向けて武器を向ける訳がないので、コレはほぼお飾りのような物だ。
「はい、お気を付けてください」
「あぁ、また土産話を持って帰ってくる」
そう言って狩人はいそいそと片付けを始め、終わり次第工房の奥にある灯火に手を翳しテラの大地へと向かった。
———
[テラの大地]
こうして狩人の夢からテラの大地へと移動した狩人は、すぐに人間と出会うことになる。
「むむ、なんだ、ケルシー女史ではないか」
そう、彼の良き友人(?)のケルシーである。以前の資材運搬を終えた後数日間バベルに滞在していた彼は、狩人の夢に戻る時に移動用の座標マーカーとして*お手製灯火をケルシーの自室前に置いてたのだ。
故にこうやってケルシーと移動してすぐに出会ったわけだな。
「ハンター……やはり君は……」
「まあ待ちたまえ、ここで話す内容でもなかろう」
狩人からしたら灯火を使った移動なんて散々していたので何も思わないが、その光景を見たケルシーは自力である考えに至ったようだ。
やはり以前から怪しまれていたのだろう、そりゃそうか。
「甲板に出よう。あそこなら、まだ話しやすいだろう?」
最初に出会った時は状況が状況で下手をしたら殺される!探索出来ひんやん!そんなん嫌やで!!から言い訳をしたが、現在狩人はケルシーと友人なのだ。理性的な彼女が狩人が得体の知れない存在だからと排除しようという愚かな思考に至らぬ人物であると認識しているので、もう隠しもしない。
「さてと、以前の滞在でこの船の構造は覚えた。甲板に行こうではないか」
「……分かった」
カツ、カツ……と硬い材質の床を歩く二人分の足音が非常灯のみが付いている廊下に響く。その間二人の間に会話は無く、ただひたすらに足音のみが響いていた。
そうしてエレベーターに乗り、甲板へと辿りつく。ちなみにエレベーターの操作はケルシーにしてもらったようだ。
「さてと、何処から話したものかな?」
「君が何者か、それと何処から来たのか」
「ふむ、では長くなるが、話させて貰おう」
———
私はヤーナム、という場所から来た……いや、このテラの大地とは別の世界から来た。というのが今ケルシー女史が求めている答えに相応しいのかな?
うん?やけにあっさりと話すのだなって?
隠す必要も無いからな。最初に出会った時はまあ殺されたくなかったので嘘を付いたが、今はそんな事に怯える必要も無いだろう?
で、私はそのヤーナムという場所で狩人として活動していた。
あそこは血の医療と呼ばれる物が発達していてな、それはとても人間に益を齎した……が、それは多用しすぎると人を失い、獣となる物だったのだよ。そんな獣に成り下がった存在を狩るのが、狩人だ。
……うむ、その狩人もまた、血の医療の恩恵を受けた存在だ。狩人の中にも、人を失い獣となる者も数多く居た。
これ以上は長くなるから、この話はここまでにしておくとしよう。
次に私が何者かについてだが……うぅむ、狩人であり……何というべきか……。あ、そうだ。少し前の滞在の際にケルシー女史が巨獣について説明してくれたな。
その存在と似たような物だ。色々あってな、人間を辞めたのだ。
ヤーナムにいた頃は、このような存在を上位者と呼んでいた。人間では無く、一つ高次元の存在……という事だ。
なに、安心したまえ、私が出来ることなんてたかが知れてる。ちょっとしたこと以外は人間とさして変わらんさ。
なのであれだな、先程のケルシー女史が見た光景も私の行使できる能力の一部だ。移動くらいにしか使えんぞ、あれ。けどケルシー女史があれを使用するのは避けた方が賢明だろう。私以外にちゃんと機能してくれるかが不確実なのでな。万が一の事があっては悲しい。
なんだ、その顔は。
まるで私の思考が人外バリバリの人物だとでも?いや、私は元々人間だが?そんな慈悲もない心はしてないぞ。友人が自分のせいで死んでしまったら悲しいだろう?
とまあそんな感じだ。
うむ、ケルシー女史らとは今後も良い関係を築きたいと思っている。よろしく頼むぞ。
———
「……話は理解した。君が私たちに対して友好的であり、危害を加えるつもりもない事も」
「分かってくれたのならそれでいい。ん……夜明け、か」
「君にとって、夜明けとは感慨深い物なのか?」
「まぁ、そうだな。ヤーナムは夜明けとは縁が無く、常に夜間だったな」
「そうか」
「前は日の光も当然のように享受していたが……改めて認識すると……おぉ……」
「……」
「やはり、夜明けとは良いものだ。例え世界が、周囲が苦難に満ちて居ようとも、希望が持てる明るさを私たちに届けてくれる」
「君は、この大地をどう思う」
「ん?そうだな……実に、人間性に満ちた大地だと思うな」
「人間性が?」
「あぁ、天災という災害がある大地で自らの種族が発展する為に源石という天災の原因を巧みに使い、発展を躍進させた。それは死にたくないから対策をする、という人間ならではの行動ではないかね」
「それに、源石が齎した
「その状況を変えようとする者、維持させようとする者、三者三様のやり方で行動を始めるのも、また人間だからだろう。実に素晴らしい、多くの者は立ち上がるだけの力を持たず、持っていたとしても自身がその境遇に居ないのであれば見て見ぬ振りをする!力を持ち、現状を変えようとして対立するのもまた人間だからだ!この大地はそんな事が満ち溢れている!実に素晴らしいではないか!」
「ゴホン……失礼、少々熱くなりすぎてしまったな。貴公らの思想は理解出来る、乗り掛かった船だ、助力はしよう」
「あぁ……質問に答えてくれて感謝する」
「そうだ、ケルシー殿よ」
「なんだ」
「獣云々について語ったな。血の医療であれなんであれ、人が獣に成り下がる機会は沢山ある」
「……」
「故に貴公、人を失わぬように気をつけたまえよ」
*[8ewm2xxx]
[9kv8xiyi]と同じ種類の血晶石が取れるダンジョン。けどマップ構造が違う。
作者はこっちの方が好き。
*守り人
三デブ三デブと狩人の皆さんに言われている敵モブの正式名称。
大槌持ちのが守り人の長、という名称に少し変わっている。
一体ずつなら大したことはない相手だが、彼らの本領発揮は三人で徒党を組んで殺しに掛かる時である。油断してると普通に死ねる。
ので、相手をする際は一体ずつ誘い出してから殺していくのが得策だろう。
この先、不注意による死に気を付けろ。
*謎に足が長い奴
聖杯ダンジョン[8ewm2xxx]の一層目の途中。一層ボスの三デブに向かうために開ける必要のあるギミックに向かう途中に居る敵。
周りにいる雑魚を強化したり、火球を出したり、そのながーーーい足を使ってキックをかまして来たりと、よく分からん敵。
正式名称知ってる有識者居たら教えてください。
*コレ
狩人が人形ちゃんに渡してるお守り。
ぶっちゃけ大した意味は無い。
*お手製灯火
狩人が作ったワープポイント。うん、無いと自分からテラの大地に行けないもんね。だから作ったんだ。
狩人の権能について
狩人月の魔物をブチ殺してから上位者となったので、狩人の夢を構成する能力は狩人に譲渡されたので、狩人の夢の主として振る舞える。とかワープ用の灯火作れたらケルシーや人形ちゃんに渡した鐘を作れたり……あとは選んだ対象を夢にご案内出来るくらい。
この力で世界滅ぼすゼェWRYYYYYYYは出来ない。
狩人の目標
物理27.2%スタマイの血晶石を二つ獲得する。
ケルシー、及び組織「バベル」に協力する。
人形ちゃんにお土産話、またはお土産を持って帰る。
読んでる方、ブラボ履修済みであられますか?
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3周終わらせてる
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とりあえず1周だけ終わらせた
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やってない
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動画だけなら見た事ある