AI活用やタイパ重視の風潮が加速する中で、若手エンジニアの間でよく見かける光景。
「これ、流用できる回路ないですか?」
…その質問、危ないです。
もちろん、過去資産を活かすのは効率的。だが、その“効率”は、基礎が身についていることが前提の話。
ラダーを読解した経験が浅い。
デバッグを自分で完遂したことがない。
設計を0からやりきったこともない。
そんな状態で流用に手を出すと、状況理解が浅いまま機能だけを借りることになる。結果、仕様からズレた誤動作が生まれ、制御が破綻し、バグの巣窟に。
絡まりすぎたパスタのように、どこから直せばいいか分からないプログラムが出来上がり、結局ベテランに泣きつく。
「そもそもこの回路、なんのつもりで流用したの?」
「えっと…見た感じ似てたので…」
―現場で何度も見たやりとりです。
タイパを意識したはずが、0から地道に調査するより、トータルでは遥かに時間がかかっている。
そういう若手、非常に多いです。
AIの活用も、流用も、ChatGPTも、全部使っていい。むしろ使うべき。
ただし、それは「自分がやったことがある」「苦しみながらも一度通った道である」という経験の上に乗って初めて、意味のあるショートカットになる。
地図を持たない人間が、近道を選んでも迷うだけです。
だから、私はこう言いたい。
「ずっと一人で考え続けろ」なんて、非効率な根性論を言いたいわけじゃない。
でもね、最低でも一回は、0からやってほしい。
苦労して作ったプログラムは、見た瞬間に構造が分かるようになる。
デバッグで詰まった経験がある人ほど、トラブルの原因を一瞬で突き止められる。
誰かが作った仕様書を読んでも、実装イメージが自然に頭に浮かぶようになる。
その“地力”が、
1年後のあなたのスピードを変え、
5年後のあなたの立ち位置を変え、
10年後の報酬や裁量権すら、変えてくれます。
効率化が進む時代だからこそ。
「一回、0からやったかどうか?」という経験が
周囲との差を静かに、でも確実に生み出していく。
興奮気味にAIの可能性を語る若手エンジニアにこそ、
この言葉を届けたい。
#PLC
#生産設備屋のイヌ
#イヌ式PLC学習術