1505年創業の老舗酒造 「赤字」でも米作りを続ける事情とは
毎日新聞
2025/10/31 16:00(最終更新 10/31 16:00)
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日本酒の原料となる米を、自らの手で作る酒造会社が増えている。安定して良質の酒米を確保できるメリットがあるが、収支的には「赤字」になることも多い。それでも農業を続ける理由とは何なのか。
田んぼの面積は30倍に拡大
1505年に兵庫県伊丹市で創業した「剣菱(けんびし)酒造」。江戸時代、関西から東京に運んで消費された下り酒として名声を高めた老舗だ。1703年、赤穂浪士が吉良邸への討ち入り前に、武運を祈って剣菱の酒を飲んだというエピソードが残る。
500年以上という長い歴史の中でも米作りを始めたのは、平成に入ってからだ。蔵元の家で生まれ育った白樫(しらかし)政孝社長(48)は、「農業を知る社員が少なくなり、米作りの話をしていても分からない人が多くなった。酒造りをするのに『それはあかんやろ』ということで、2005年に300坪の田んぼを借りたのが最初でした」と振り返る。
剣菱酒造が始めた米作りは、…
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