出雲坂根駅は夜でも電気で明るく、荷物を全部確認する事にした。
バッグを開くと、「衣類が数点」「衣類に挟まっている58万円の現金」「メガネ」「財布(起きてから自分で入れた)/財布の中身は空」「小銭入れ(名刺入れ?)/3000円のQUOカード」「薬」、バッグの横のポケットの片方に「折り畳み傘」もう片方に「モバイルバッテリー」が入っており、全て自分の物という認識はあった。
お腹が減っており、駅の横にある自動販売機で飲み物を買おうと思い移動する。
※写真は拾い物です
この時に気づいたのが、車や電車、自動販売機の認識は有るのに飲み物の種類が分からなかった事。持っていた現金が1万札のみで、お金の価値は分かっていたこと。
分かることと分からない事が有ったのだ。
万札で飲み物は買えず、椅子へ戻りながら考えたのは「自分は誰?」「名前は?」「どうやって生きてきたのか?」等の自分の事が全く分からなかった。
しばらく椅子で考えたが全く分からないまま眠気が出た為、近くの茂みで横になった。
とても寒かった為、カバンに入っていた衣類を体にかけて眠った。
翌朝、明るくなった為目が覚める。
また水を飲み、椅子へ座る。
この近くを歩き回って自分に声を掛けてくれる人を見つけようと考え、歩き回ることを決める。
移動中の飲み物を確保する為、ゴミ箱の空きペットボトルへ水を入れて移動をする。取り敢えず下へ向かった。
体力が無いようで、少し歩いては休みを繰り返した。
途中、お店を見つけたがあいていなかった。
※写真は拾い物です
もう少し進んで、足がかなり痛くなってきたので、下の写真ぐらいの場所で引き返す事にした。
※写真は拾い物です
この間に車は3台のみすれ違い、歩っている人はいませんでした。
気温が上がり暑くなってきたので、行きよりも休む回数が多くなった。ペットボトルも1本では足りなかった。
延命水の近くへ戻り、駅のドアが開いていたため、中へ入る。電車の時間と停車駅が見れた。トイレを借りて茂みに戻る。
空腹よりも眠気が強かった為、すぐに寝た。
夜は寒く、何度か起きて焚き火で凌いでいた。
翌朝、足が筋肉痛で痛いが上へ向かう事にした。
途中に道の駅があったが、開いていないためトイレだけ利用する事にした。
トイレの鏡で見た自分に少し驚く、モヒカンだった。ただすぐにそれが自分なんだと認識できた。横のはえかかっている中途半端な毛の方が気になってしょうがなかった。
外に出ると時計があり、時間に驚いた。体感1時間ほど時間が掛かったと思うのだが、まだ7時だった。
起きている時間がかなり早かった事に気づいた。
道の駅に2組人がいたが、話してくる様子はない。自分から話しかける度胸がない事にこの時気づいた。
また少し進み、戻る事にした。
※写真は別日に撮った物です
また延命水の近くの茂みに戻り、寝た。
暗くなった時間に起きて椅子で水を飲んでいると、1台の車が駐車場に停まる。
50代ぐらいの男性だった。僕の様子がおかしかったようで、声を掛けてくれた。
こんばんわと言われて、こんばんわと言ったつもりだがちゃんと発音ができていなかった事が自分でも分かった。
どこからきたの?→分からない
名前は?→分からない
記憶がない事を伝えた。半信半疑なリアクションをされたが、身なりと匂いで通常ではない事は理解して下さり、店が多い街に行きたいので送って貰えないかを相談した。
出雲市駅近くを通るため、そこまでなら送ってくれると返答を貰えた。
移動時間は1時間ほどだろうか、色々質問をされたがはっきりと喋れずに何度も聞き直された事をよく覚えている。
警察への相談も進められていたが、警察という言葉に嫌悪感があった為、その会話は聞き流していた。
出雲市へ到着し、お礼を伝えて別れた。