2025年11月2日(日)
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足立修氏 広島の強さは初期から地域一体でクラブを支える〝育成力〟 下部組織出身者が躍動

[ 2025年11月2日 05:00 ]

ルヴァン杯決勝   広島3-1柏 ( 2025年11月1日    国立 )

<ルヴァン杯決勝 柏・広島>前半、ゴールを決める広島・荒木(撮影・西海健太郎)
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 23年まで22年間にわたり広島のスカウト、強化部長を歴任したJリーグ・フットボール本部の足立修フットボールダイレクター(53)も現地で古巣の優勝の瞬間を見届けた。クラブ史上5個目のタイトルを手にし、天皇杯も優勝の可能性を残す。前強化部長が広島の強さの理由である“育成力”について語った。

 先制弾の荒木、2点目の東はともにユース出身。下部組織で育てた選手が躍動した試合は広島を象徴している。クラブを支えているのは“育成力”。金太郎あめじゃないけど、どれだけ選手を引き抜かれても、新しい選手を出し続けるのが仕事だと皆が思っており“抜きたいなら抜いてみろ”という風土がある。Jリーグ発足当時に各クラブが選手の人件費に資金を使う中、広島だけはユース選手専用の寮を建てた。今西和男さん(当時の総監督)の決断がクラブの方向性をつくったといえる。

 歴代のユース寮の寮長は選手が通う吉田高校のPTA副会長を務めており、下部組織の育成は人間力を重視する。寮のある安芸高田市吉田町は昭和の雰囲気が残り、あいさつできない選手を近隣住民が注意してくれたりする。地域一体で選手を育てる環境があることも地方クラブならではの強みだと思う。

 良い若手を育てるには、良い指導者、良いベテランも必要。監督の人選は育成に目がいくことを重視しており、スキッベ監督は過去にシャルケU―19や、U―18ドイツ代表を率いている。ペトロヴィッチさんは選手を育てることが純粋に好きだったし、森保監督にも最初はスクールコーチを経験してもらった。

 良いベテランは少し前なら青山、今は佐々木や塩谷らがいる。“今季から若手に切り替えました”というチームもあるが、背中で教えられる見本がいないとクラブはうまく回らない。広島はここ数年で予算規模が約2・5倍になったが、今後も人件費だけでなく育成に投資していくと思う。広島と柏はともに育成に力を入れてきたクラブ。Jリーグのあるべき姿のように感じる。  (Jリーグ・フットボールダイレクター)

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