累乗の計算は一見シンプルに見えても、負の数が含まれると符号の扱いで間違いやすい分野です。
特にカッコの有無によって答えが大きく変わるため、注意が必要です。
今回は、そのような負の数を含んだ累乗の計算問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
(−2)^4+(−3)^3
計算の順序や符号に注意して、正しい答えを導きましょう。
解説
今回の問題の答えは「−11」です。
途中の計算は次のようになります。
(−2)^4+(−3)^3
=16+(−27)
=−11
累乗を含む計算式では、次の順序で計算を進めることが大切です。
(1) 累乗の計算
(2) 掛け算・割り算の計算
(3) 足し算・引き算の計算
したがって、まず「(−2)^4」と「(−3)^3」をそれぞれ計算します。
「(−2)^4」は、「(−2)を4回掛ける」という意味です。
(−2)^4
=(−2)×(−2)×(−2)×(−2)
=+16
次に「(−3)^3」は、「(−3)を3回掛ける」という意味です。
(−3)^3
=(−3)×(−3)×(−3)
=−27
以上の計算より、元の式は「16+(−27)」となります。
16+(−27)=−11
よって、今回の問題の答えは「−11」となります。
よくある誤答
よくある間違いの一つは、カッコを正しく扱わずに符号を誤って計算してしまうことです。
(誤答例)
(−2)^4
=−2×2×2×2
=−16
「(−2)^4」は「(−2)を4回掛ける」という意味になります。そのため「2を4回掛ける」というのは間違いです。
カッコがない「−2^4」は「−(2^4)」という意味になり、この答えは「−16」です。
この違いを理解していないと、符号を間違えてしまう原因となります。
まとめ
累乗の計算では、符号とカッコの扱いが結果を大きく左右します。
カッコの有無や計算の順序をしっかり確認しながら、丁寧に進めることが大切です。
繰り返し練習して、間違いやすいポイントを確実に身につけていきましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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