「ノーチャイナ」に法的規制の網

 最近、共に民主党は「集会デモに関する法律改正案」の立法を予告した。李在明大統領じきじきに、中国大使館がある明洞と中国人密集地域である大林洞などで行われている嫌中デモを「人種差別的集会」、「国益と国家イメージを傷つける百害無益な自害行為」と猛非難すると、民主党がこれらの取り締まりに本腰を入れ始めたのだ。

 改正法案の趣旨は、特定国家出身や特定人種、障害者などに対して差別とヘイトを助長する集会・デモ開催を禁止し、他人の人格権を深刻に侵害する侮辱に対しては集会禁止・制限通告を下すことができるというもの。正式名称は「嫌悪集会禁止法」なのだが、嫌中集会を狙った措置であることがミエミエであるため一般的には「嫌中集会禁止法」と呼ばれている。

 民主党政権と韓国メディアが人種嫌悪だと非難している嫌中集会は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の支持団体や保守系青年団体が扇動している。尹錫悦前大統領の弾劾局面から始まって、「中国政府が韓国の選挙に不正に介入しており、共に民主党政権の背後には中国がいる」との主張を展開している。要するに、彼らの集会は「嫌中集会」でありながら、同時に「反民主党集会」でもある。

 彼らは数百人ずつ集まって町を歩き回りながら「ノーチャイナ」「中国人アウト」などを叫び、時には中国国旗を燃やしたり、習近平主席や中国大使の写真を破ったりするパフォーマンスを繰り広げている。新たに制定される法律によると、彼らの行為は規制と処罰の対象になりうる。集会を繰り返せば刑事処罰をくだされる可能性もあるという。

 共に民主党の嫌悪デモに対する批判は、グローバル国家としてのコモンセンスであることは間違いない。ただ、反米と反日デモの先頭に立っていた民主党が、嫌中集会に対してだけ「嫌悪集会」だと非難する姿は、“親中政権”の本性を現わしたと見ることもできる。