追い出し部屋
おいだしべや
職場にとって不要な社員・職員を、合理的かつ合法的に追放するために「自主退職したくなる状況に追い込む」ことを目的とする部署の俗称。左遷の一種で、いわゆる窓際族や社内ニート状態になっている社員も多く含まれる。
日本の法律では終身雇用を重視するために企業や団体の正規の社員・職員を解雇するハードルが高く、また会社都合退職では退職金の割り増し支給にも繋がるため生まれたと考えられる。
どちらかといえば人材を補充しやすく、かつ経営状態の余裕があまりなくなっているような大企業に多く見られる。
対象となるのは、主に仕事が(極端に)できない、あるいは他の社員の仕事の大きな妨げになるような問題行動を起こす社員(いわゆるモンスター社員)だが、パワーハラスメントとして、内部告発などを行っているような上司・組織にとって不都合な立場にある人物を、それどころか単なる嫌がらせやいじめのために気に入らない人物を追い出し部屋に送り込む場合もある。
また、誘導ではなく直接的に退職勧告を行ったり、謹慎などを理由に仕事を一切させず自宅待機を命じたりといったケースも存在する。
同様の組織は古くからあったようだが、1999年にセガの追い出し部屋「パソナルーム」に追いやられた元社員が訴訟を起こしたことや、同時期にドラマ『ショムニ』が流行したことで知られるようになった。
- 仕事が極端に少ない、もしくは必要性の薄い業務しか存在しない(閑職)
- 本人の能力に見合わない、誰でもできる仕事(単調な仕事や雑用など)しか与えない
- 達成不可能なノルマを与えて、達成できなかったら過剰に叱責するなどのパワハラを行う
- 業務内容が想像できないような曖昧な部署名が用いられる事が多い
- 例として「キャリア開発課」「人材強化チーム」「プロジェクト支援センター」などがある
- 他部署との繋がりが希薄で、他部署からも存在意義を感じられない
- 人事考課の水準が総じて低く、また残業も基本的に発生しないため給料が上がらない
- 最悪の場合は外出禁止、会話禁止、カメラで監視されるなど、行動そのものが制限される(先述のパソナルームが該当)
やりがいや貢献とは無縁のポジションであり、それらを求める人にとっては苦痛以外の何物でもない。
当然、重要な仕事を任せられないため、スキルを身につける機会が少なくなり、給料が上がらなくなる。
追い出し部屋の目的は「やりがいもそれに見合った報酬もないまま、責任感を持てない形で簡単かつ曖昧な仕事をさせられ、自己嫌悪や将来への不安が強まり、その仕事すら手につかなくなった社員が自主的に退職すること」であり、本人が少しでも「辞めたい」「転職したい」と思って辞めてしまった時点で会社側の思う壺である。
一方で、度が過ぎるとパワハラに該当し、追い出された本人や労組がそれを逆手に取って労働基準監督署に告発し是正措置が取られ、会社を相手取って裁判を起こし、会社側が慰謝料や損害賠償を請求されたという事例も数多い。
また、パソナルームのような行き過ぎた追い出し部屋は当然ながら問題だが、見方によっては「責任のないポジションで忙しくなく安定した給料がもらえる」と捉えることもでき、評価は人それぞれである。
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