手軽に「じゃがりこ」ロゴで二次創作!?IP管理プラットフォーム「かるれっと」の開発
THE CALBEEでは、新商品や新しい取り組みの担当者に、プレスリリースでは書ききれない想いやこだわりを聞く企画“KEY PERSON”(キーパーソン)をスタートします。
第1回はブロックチェーン技術※1を使った知的財産(IP)管理のプラットフォーム「かるれっと」の開発者・関口さんに話を聞きました。
※1 ブロックチェーン技術:取引記録を暗号技術で1本の鎖(チェーン)のようにつなげてデータを管理する仕組み
関口 洋一 (せきぐち よういち)
カルビー株式会社 Calbee Future Labo CXチーム マネジャー
前職でのシステムエンジニアを経て、2017年入社。直営店「カルビープラス」の運営部門で店頭のデジタル化のためのシステム構築などを担当。2020年にはカルビー初のアプリ「カルビー ルビープログラム」を開発。2023年4月より現職。
「かるれっと」
IPを、クリエイターやライセンシー(許諾を受ける側)が安心して使えるようにするために権利を可視化するプラットフォーム。クリエイターやライセンシーはウェブサイトにアクセスし、IPの利用申請やダウンロードができます。2025年4月から実証実験を開始しました。
詳細はプレスリリースをご覧ください。
カルビー初!ブロックチェーン技術を活用したIP管理プラットフォーム
『かるれっと』
お菓子以外のお客様との接点を増やす
―なぜ「かるれっと」を開発したのでしょうか。
関口:根本には“より気軽にカルビーと共創できる世界にしたい”という想いがありました。カルビーとお客様の接点の多くはお菓子ですが、キャラクターやロゴを使ったおもちゃやTシャツなどほかのものが増えれば、お客様との接点を増やすことができると考えたのです。
ただ、いまは外部クリエイターが「じゃがりこ」や「ピザポテト」ロゴを使った作品をつくりたいと言っても、契約や申請など様々な手続きが必要で制限がありますよね。それをブロックチェーン技術を使えば簡素化できて、二次創作物を増やすことができると思ったんです。
―もともとブロックチェーンに詳しかったのですか。
関口:詳しくありませんでした。社内外の方々と一緒に新規事業を考えるプロジェクトがきっかけです。このプロジェクトにはIT企業の方やデザイナー、経営者など多様なバックグラウンドを持つ方々がいて、刺激をもらいました。当時ブロックチェーンが話題になっていたこともあり、何かできないかと考えたんです。
「NFTチップス」の経験をもとに開発着手
―最初から「かるれっと」を考えていたのでしょうか
関口:まず実施したのは商品を購入した方に、実際の購買に紐づいて成長する「ポテトNFT※2」をプレゼントする「NFTチップスキャンペーン」でした。この取り組みは「プロ野球チップス」のおまけカードから着想を得た企画です。
※2 NFT:ブロックチェーン技術を用いて所有権が証明されるデジタルデータ
「プロ野球チップス」のお客様はカードを楽しみに商品を購入しますが、こういった熱狂的な価値観をデジタル領域でも実現可能か確認したかったんです。NFT技術を活用しながら、デジタルコンテンツが「成長する」という概念を取り入れることで、より魅力的な体験を提供できました。
この「NFTチップス」を通じて、ブロックチェーン技術の可能性を探ることもでき、当時構想していたIP事業にも応用することができるのではと考えたのです。
―いつから「かるれっと」の開発を始めたのですか。
関口:2024年の早い段階から構想をディスカッションしていました 。IPを管理するプラットフォームは、社内では誰もやったことがないので要件定義が大変でした。外部のクリエイターがつくった二次創作物をいかに管理するのか、社外含め色々な方にヒアリングしました。すべて手探りでしたね。
気軽にカルビーのIPを使える世界を
―いよいよ実証実験です。「かるれっと」の特長はなんでしょうか。
関口:まず、公的個人証明(JPKI)、いわゆるマイナンバーカードを使った認証を導入しています。クリエイターの本人確認を確かなものにする1つの手法です。もう1つが、ブロックチェーン上の仕組み※3を使った透明性の高い権利管理です。これらによって、外部のクリエイターの権限管理、ライセンス業務の簡素化を実現し、より二次創作などの創作活動に専念できるようになると考えております。
※3 DID(Decentralized Identifier:分散型識別子)とVC(Verifiable Credential:検証可能なデジタル証明書)と他の技術を組み合わせた仕組み
―最後に今後のビジョンを教えて下さい。
関口:最初は限られたクリエイターの方々に「かるれっと」を利用いただいて検証しますが、将来的にはオープンにして、たくさんのクリエイターが「じゃがりこ」のキャラクターなどで二次創作できる世界を実現したいです。また、同じ悩みを持つ他社へ「かるれっと」のシステムを提供することもできると思います。新しいコラボレーションやビジネスの可能性を広げていきたいですね。
文・写真:櫛引 亮


