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【対談】Calbee×Chinozo 「ポテトチップス」で楽曲を作る?カルビーの音楽レーベルによる第1弾プロジェクト

この曲は、パーカッションの代わりに「ポテトチップス」の“咀嚼音”を使っていますーー。
 
そんな試みが行われたのは、若い世代から人気のクリエイターユニットniKuの新曲「DAHA」です。
 
楽曲「DAHA」は、カルビーが2025年4月に立ち上げた音楽レーベル「じゃがレコード」の第1弾プロジェクトで誕生。「ポテトチップス」や「堅あげポテト」などの商品を食べる際に生まれる音(タベオト)を使って楽曲を創作するのがレーベルのコンセプトです。

仕掛けたのは、カルビーのブランドやデザインといったIP(知的財産)の活用事業を行う「Calbee Future Labo(カルビー フューチャー ラボ、以下CFL)」です。
 
この記事では、CFLの松本知之さんと、「DAHA」を制作したniKuのChinozoさんが対談。タベオトを使った楽曲の制作秘話や、その可能性について語りました。

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Chinozo(写真右)
niKu コンポーザー
ボカロP

松本 知之(写真左)
カルビー株式会社 
Calbee Future Labo ディレクター

~niKuとは~
コンポーザーのChinozoさんとイラストレーター・アニメーターのがちゃさんによるクリエイターユニット。Chinozoさんは個人でも活動し、MV1.4億回再生の「グッバイ宣言」の作曲や、Adoさんへの楽曲提供も行っている。

カルビーの生命線である技術は、音につながっている

ー今回のプロジェクトは、カルビーからお声掛けしてスタートしました。最初に話が来た時、Chinozoさんはどう思われましたか?
 
Chinozo:本当にびっくりしました(笑)。カルビーさんが音楽レーベルを設立?僕とコラボレーション?と戸惑うばかりで、最初はどういうことか、まったくわからなかったんです。でも、お菓子の音を使って楽曲を作るというコンセプトを聞いてからは、楽しそうだと思いましたね。実験的で、ぜひやってみたいなと。

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ーそもそもなぜ、お菓子を食べる音「タベオト」に着目した音楽レーベルをカルビーが立ち上げたのでしょうか?
 
松本:私たちCFLでは、カルビーのIPを活用して、食べるシーン以外でもお客さまとの接点を増やす活動を行ってきました。その中で、タベオトも大切なIPだと捉えたのが始まりです
 
なぜなら、タベオトにはカルビーの技術が詰まっているからです。例えば「ポテトチップス」なら、パリッとした食感を追求するためにフライ時間や温度などを研究してきました。食感は私たちの生命線であり、その努力が最終的にタベオトとなって現れます。テレビCMを作る時も、昔から食べた瞬間の音にこだわってきました。
 
加えて、カルビーは商品のバリエーションが幅広く、それぞれのタベオトも異なります。食べる人によっても変わりますよね。お客さまにおいしい音を鳴らしてほしいという思いはずっとあり、それを何かに活用できないかと考えていました。「じゃがレコード」設立の根底にはそんな思いがあります。

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ー第1弾の楽曲をniKuに担当してもらうのは、どのような経緯で決まったのでしょう?
 
松本:タベオトを活用して何かしようと考えた時、私が趣味程度に音楽をやっていたこともあり、まずはCFLのメンバーと音楽スタジオに行って、何種類かのタベオトを録音しました。ただ、その先でどう使えばいいのか、私たち素人ではいいアイデアが浮かびませんでした。
 
タベオトを使ったダンスイベントなども考えたのですが、何かしっくりこないと。それならもう、プロの方に依頼しようと思ったのです。その道のエキスパートの方々にカルビーのIPを活用していただいた方が、私たちの発想を超えるものが出てきます。CFLが大切にしているのはその姿勢であり、食文化と音楽が新しい形で融合したら面白いと思いました。
 
そんな中、niKuが「音楽を自由に食べる」というコンセプトを掲げて活動されていることを知り、このプロジェクトにぴったりだと思ってお願いすることを決めました。

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3袋近く食べて、Chinozoさん自ら作り出したタベオト

ーお話を受けたChinozoさんは、先ほどの通り、「実験的で面白そう」だと感じたんですね。
 
Chinozo:はい。実は昔から「お菓子でサウンドを作れないか」と考えていました。特にやりたかったのは、パーカッションの代わりにスナック菓子を食べた時の音を使うことです。パーカッションのシェイカー(振って音を出す楽器)に近いですし、きっと音楽に合うと。絶対に気持ちいい音になると思っていました。
 
お菓子の音のフリー音源もあるのですが、やはり自分が望む音を作って楽曲を制作したいですよね。かといって、実際の商品を使って自分で音源を録って公開するのは、権利などを考えると難しい。今回は、タベオトとして公式に使えるのでうれしかったですね。
 
松本:IPは“企業が守るもの”というイメージが強いのですが、カルビーがやりたいのは、IPをたくさんの方が安心して使えるようにすることです。そのために、IP管理のプラットフォーム「かるれっと」などを開発してきました。カルビーのキャラクターやデザインを使って、一般の方も二次創作でき、ライセンスや与信の管理も行える形を目指しています。タベオトもその世界に持っていきたいですね。

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ー今回発表した「DAHA」は、niKuにとって久々の新曲になりました。タベオトを使って制作した過程をぜひ聞かせてください。
 
Chinozo:ある程度は原型ができていた曲に、タベオトを取り入れることにしました。その時点ですでに「DAHA」という曲名が付いていて、実はこのタイトルも“言葉の音”の気持ち良さだけで決めたんです。音重視の曲だったので、今回のプロジェクトにマッチしていると思いました。
 
松本:タイトルさえも“音”で捉えているのは面白いですね。
 
Chinozo:作業としては、まずみなさんでスタジオに集まって、タベオトを録音するところから始まりましたよね。
 
松本:今回は第1弾なので、使う商品はあまり広げず、厚さが異なる3種類の「ポテトチップス」(「ポテトチップス うすしお味」「ポテトチップス 超薄切り こだわりしお味」「ポテトチップス ザ厚切り のためのうすしお味」)のタベオトを使うことにしました。

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左から「ポテトチップス 超薄切り こだわりしお味」「ポテトチップス うすしお味」「ポテトチップス ザ厚切り のためのうすしお味」

個人的に感動したのは、タベオトを録音するところからすべてChinozoさんにやっていただいたことです。いい音を出すために、いろいろな食べ方を試していただきましたよね。ですから、今回使われているのは「Chinozoさんが作り出したタベオト」です。
 
Chinozo:合計で3袋くらい食べました(笑)。噛み方によって音の質や方向性が変わるので、いろいろ試しながら食べましたね。「ポテトチップス」はもともと好きなのですが、“超薄切り”は今回初めていただいて。最初に噛んだ瞬間から「すごくいい音がする」と感じました。
 
松本:この商品は通常の「ポテトチップス」とは違う製法をしているので、それがタベオトに反映されたのかもしれません。
 
Chinozo:ただし、超薄切りだからといってタベオトの響きが軽くなるわけではないんですよね。それも面白い発見でした。こうして録音したタベオトを組み合わせて、曲に使っていった形です。

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念願叶い、音楽の中に「ポテトチップス」を忍ばせた

ー最終的に、どのような形で「ポテトチップス」のタベオトが「DAHA」に使われたのでしょうか。
 
Chinozo:大きく2つの使い方をしました。1つは、パーカッションのようにリズムを奏でる音として使っています。これは僕がずっとやりたかったことですね。目立たせるのではなく、曲の中に忍ばせているもので、やさしいタベオトを使用しています。
 
もう1つは、間奏部分にタベオトを入れています。こちらはかなり強い音にして、楽曲のアクセントにしていますね。

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ータベオトを楽曲に使用してみて、どんなことを感じましたか。
 
Chinozo:もっとやりたくなりましたし、次はさらに“さりげなく”使ってみたいですね。今考えているのは、「キック」と呼ばれる低音ドラムの音にタベオトを被せること。かなり気持ち良い音になるかなと思います。
 
松本:うれしいですね。企業とアーティストのコラボレーション企画というと、どうしても受発注の関係になりがちですが、今回のように、Chinozoさんと私たちが一緒になって新しい価値を作れたことに意味があったと思います。食文化と音楽の融合ができたかなと。
 
出来上がった「DAHA」は素晴らしい曲ですし、私は毎朝聴いています(笑)。また、曲中のタベオトを聴いて「ポテトチップス」を食べたくなるというリマインド効果も期待できるかもしれません。

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ー今後、じゃがレコードはどのような活動をしていくのでしょうか。
 
松本:いろいろなクリエイターの方にタベオトを活用していただきたいですし、そのための仕組みを構築したいですね。クリエイターの方がカルビーのIPを使って何かしたいと思った時に、安心して活用できるよう公式に認める形を作る。そうして、たくさんの方にカルビーのタベオトで遊んでいただけたらと思います。
 
まだアイデアレベルですが、タベオトのコンテストなども開催してみたいですし、ウェブ上にタベオト素材のアーカイブを作り、誰でも活用できる形にできたら面白いですよね。
 
Chinozo:すごくいいですね。実は「DAHA」を発表した時、「私もお菓子の音を使いたい」というクリエイターのコメントがたくさんありました。僕も含め、今は一般人のクリエイターが個人で創作物を作り、SNSなどで公開する時代です。その時に、どうしてもIPや権利関係で悩ましいシーンがあります。そこを解消する仕組みがあると、きっとたくさんのクリエイターが喜ぶのではないでしょうか。

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■Calbee Future Labo関連記事

■博報堂DYグループ「生活者データ・ドリブン・マーケティング通信」でも「じゃがレコード」の取り組みを紹介しています。

http://seikatsusha-ddm.com/article/15833/

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文:有井太郎(外部)
写真:櫛引亮
編集:瀧澤彩

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!次の記事もお楽しみに

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カルビー公式アカウント「THE CALBEE」です。歴史や開発秘話、社員の思いなど、カルビーにより親しみを持っていただけるようなストーリーを語っていきます。
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