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挑戦の先にあった成功。「Jagabee」中国生産の舞台裏

じゃがいもの味わいにこだわり、素材そのまま、皮つきじゃがいもを使用した「Jagabee」は中国でも人気商品です。日本から中国への輸出は2018年にスタートしました。

需要が増えるにつれ、供給が課題となっていきます。そこで2022年にプロジェクトを立ち上げ、多くのお客様に「Jagabee」をお届けするため、中国現地でのOEM生産体制を整えました。

カルビーの海外展開の新たな挑戦となった中国での生産体制構築には、どのような苦労があったのでしょうか。今回は、プロジェクトを率いた登海さんに話を聞きました。

とうみさんが話している様子

登海 徳謙(とうみ とくけん)
カルビー(中国)管理有限公司 総経理 
2005年、カルビー株式会社に中途入社。中国現地法人の支援や原料調達、中国合弁会社設立に従事するなど、カルビーの中国事業を支える。
2018年に中国駐在となり、2025年より現職。

中国生産「Jagabee」誕生の背景

中国では、日本を中心に、韓国やタイ等、アジアオセアニアにあるグループ会社で製造された商品を輸入販売しています。「Jagabee」もその1つ。2018年に販売がスタートすると、瞬く間に人気商品となりました。

しかし、輸入コストの上昇や政治的な要因、新型コロナの影響などにより日本からの供給量が一時的に不足する事態になりました。

もともとカルビーには、現地生産・現地販売の考えがあります。これをきっかけに中国で「Jagabee」を生産する動きが加速していきます。

「売上が好調だったときは、現地生産の話は出ていませんでしたが、2020年からは状況が変わりました。2022年には日本でプロジェクトが立ち上がり、現地生産の具体的な計画が始まりました。私自身もこのプロジェクトの一員でした」と登海さんは語ります。

「最初は、工場をどうするかという話になりました。自社で工場をつくるかOEM生産にするのか。OEM生産は、自社工場を設立した場合と比べてスピードが速く、初期投資費用も抑えられますし、売れ行き次第ではもしOEM取り引きを停止しても、費用損失を最小限に抑えられる利点もあります。一方で、生産ノウハウが社内に蓄積されにくいことや、レシピなどの機密情報を完全に開示できず、品質再現までの時間がかかるデメリットもあります。本社関係者と検討の結果、総合的判断により『まずはOEMでの販売を進めよう』ということになりました」。

とうみさんが話している様子

パートナーはこうして決まった

OEM先に求めた一番のポイントは、原料であるじゃがいもの調達力でした。日本、香港、タイ、韓国というアジアで「Jagabee」を生産している国は、主にアメリカで製造された冷凍生地を使用しています。しかし、中国はじゃがいもの生産量で世界一を誇る国。中国で生産する「Jagabee」には中国産のじゃがいもを使用したい。そこで白羽の矢が立ったのが、内モンゴルに本社を構える会社でした。

「OEM先の探し方はいくつかあります。ネット検索、展示会での情報収集、また、実際に店頭へ行って商品の製造元を見ることもあります。その際は、試食して品質を確認し、そのメーカーに連絡するという地道なやり方です。今回は、数年前に展示会で知り合った企業でした。

中国にも日本と同様に『じゃがいも収穫前線』があり、南から北へとじゃがいもの収穫時期が北上していきます。内モンゴルは北海道とほぼ同じ緯度で、じゃがいもの栽培に適しています。

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日本のじゃがいも収穫前線のイメージ

OEM先は、じゃがいもの栽培と調達に強い親会社を持っています。自営の農場に加え、契約生産者や馬鈴薯研究所を保有し、新種の育苗から栽培、独自品種の開発なども手掛けています。まさに、カルビーグループが担う事業活動を行っています。さらに、冷凍設備や製造ラインも整っていて、もともとじゃがいものスナックを製造販売していました。

良質な原料じゃがいもの栽培技術と調達力に優れ、製造ラインも保有していたため、ここが最適だと判断しました」

中国のじゃがいも畑
中国のじゃがいも畑

※カルビーグループのばれいしょ事業については下の記事をご覧ください

100回以上の試作を経て、OEM生産開始

2023年からはOEM先での生産を構築するためのプロジェクトに変更し、試作を開始しました。中国産のじゃがいもで初めてつくったときはまだ「ポテトスティック」の段階で、食感の違いなどから「Jagabee」の品質基準とは程遠いものでした。 

「『Jagabee』って、表面はカリッ、内側はサクッ、そして噛むほどに口の中でほどけて、ホクッとしたじゃがいもの食感を感じるというのが特徴です。しかし、最初の試作品は、食感の再現ができていませんでした。中国ではサクサクした『Jagabee』より少し柔らかめの食感が人気ですが、関係者からは、食感が「十分満足できるものではない」との評価でした。そこで、日本の開発チームより技術サポートをいただき、冷凍生地の製造段階からフライ工程まで、商品全体の品質を向上させていきました」

最初は合格点に届かなかった食感は、日本の支援のおかげで徐々に良くなっていきました。そして最終的には「『Jagabee』と呼んでも遜色ないレベル」と認められた時には、試作は100回を超えていました


OEM先の製造ライン
OEM先の製造ライン

「品質の向上を続けると同時に、日本への情報共有や情報交換、OEM先との交流を大事にしました。ブランドを守ることは十分理解している中で、中国市場専用の商品という事もあり、さまざまな角度から食感や品質について協議しました。その結果、現地の嗜好に合わせる事にも視点を置き、また中国市場の情勢は変化が早く、いつどうなるか分からないので、『まずは販売してみよう』となりました。

こうしてようやくGOサインが出たのが2023年11月末でした」

中国で生産されたJagabeeの箱と中身袋
中国生産品
じゃがビーの中身が写った写真

中国生産の「Jagabee」への期待、望むこと

2024年6月から本格的な販売をスタートしました。

「売上は好調で、当初の計画を上回る出荷量となっています。中国生産の『Jagabee』は、生産から商品配荷がスピーディーに行えます。よりフレッシュな『Jagabee』をお客様にお届けできるようになりました。そして何より、商品輸入ではなく中国産のじゃがいもを使用し現地生産することでコストダウンが実現できます」と登海さんは自信を見せます。

「今後は、『Jagabee』ブランドを守りつつ、販売チャネルを広げていく方針です。品質には自信を持っていますので、適正な価格を意識しながら交渉していきます。

中国市場は競争が激しいですが、『Jagabee』を約14億人いる中国の消費者の、一人でも多くに届けたいという目標を持っています。もっと愛されるブランドに育てていくため、これからも挑戦を続けます!」

ちいかわとコラボレーションした中国生産のJagabee
「ちいかわ」とコラボレーションした中国生産「Jagabee」

「Jagabee」が中国市場でどのように成長していくのか、今後の展開に期待が寄せられます。

※「Jagabee」開発秘話はこちら!

文:間瀬 理恵
写真:岡戸 悠馬

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます!次の記事もお楽しみに

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挑戦の先にあった成功。「Jagabee」中国生産の舞台裏|THE CALBEE
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