「つくり手の想いを届けたい」北海道で出会った、伝い手の熱量がすごかった。工場見学スタッフ座談会
北海道千歳市は、石狩平野の南端に位置し、空の玄関口である新千歳空港や、水と緑あふれる支笏湖を有する街です。農村地エリアでは野菜の収穫、乳製品づくりといった農場・牧場体験を楽しむことができます。
多くの魅力が詰まった千歳市には、もう一つの顔があります。11の工業団地を擁し、280社を超える企業が立地する道内屈指の工業都市でもあるのです。食品・飲料関連企業を中心に、ものづくりの現場を体験できる工場見学が実施されています。
本記事では、千歳市に工場を構えるカルビーとキリンのコラボレーション企画として、工場見学スタッフによる座談会をお届けします。両社の人気コンテンツ「工場見学」を支えるスタッフが熱い想いを語り合います。
【プロフィール】
北原 千晶(きたはら ちあき) ※写真左
カルビー株式会社
カルビージャパンリージョン 東日本事業本部 北海道工場 生産支援課
2009年入社。ポテトチップス製造などを経験し、2021年より工場見学を担当。
高橋 未莉(たかはし みり) ※写真中央左
カルビー株式会社
カルビージャパンリージョン 東日本事業本部 北海道工場 生産支援課
2023年に入社し、工場見学を担当。
千葉 令奈(ちば れな) ※写真中央右
キリンビール株式会社
生産本部 北海道千歳工場総務広報担当
2006年入社。品質保証室を経験し、2019年より総務広報担当にて工場広報を担当。
髙島(たかしま)さん ※写真右
キリンアンドコミュニケーションズ株式会社
工場広報事業部 北海道千歳事業所
2014年入社。工場見学を担当。
「カルビーポテトチップス」「キリン一番搾り」がもっとおいしく!好き!になる工場見学の裏側
―カルビー北海道工場は千歳市第1工業団地、キリンビール北海道千歳工場は千歳市第2工業団地に立地し、車で5分もかからない距離にあります。日頃、工場間で交流の機会はあるのでしょうか。
(※C:カルビー、K:キリンの略)
北原(C):普段はスタッフ同士が交流する機会をあまり持てていないのですが、キリンさんの取り組みはいつも気にしています。なので、今回このような場をいただけることを心待ちにしていました。
千葉(K):昨夏、千歳市工業団地に工場を構える食品・飲料メーカー4社によるイベント「おいしさはっけんバスツアー」が実施され、小学生のお子様と保護者を4社の工場見学にご招待しました。カルビーさんとご一緒させていただきましたが、その際はゆっくり見学できなかったので今日はとても楽しみにしています。
―座談会の前に、お互いの工場見学を体験いただきました。ご覧いただいていかがでしたか。
髙島(K):安全・安心につながる取り組みや、北海道工場の成り立ちをしっかりと伝えていて「千歳にカルビーの工場がある理由」を感じることができました。また案内してくださる皆さんの知識量が豊富で、お子様から大人まで学びがあり、見学後はカルビーさんの商品を食べたい!と思える内容でした。
高橋(C):「一番搾り」のおいしさの秘密や、キリンさんのものづくりにかける想いが伝わってくる見学でとても刺激になりました。特に、五感で体験できるコンテンツが満載で、麦芽やホップに触れて、味や香りを楽しんだり、二条大麦がそよぐ音を聞いて、映像でつくり手の想いを感じたり、没入感のある演出が印象的でした。
―工場見学における、それぞれの特徴や見どころ教えてください。
千葉(K):キリンビール北海道千歳工場は1975年に操業を開始し、今年で50周年を迎えました。工場見学をはじめたのは1986年からになります。「五感を使って体感する」をコンセプトに、仕込室やパッケージング室を見学いただき「一番搾り」の魅力をお伝えしています。見学後には、北海道千歳工場直送の「一番搾り生ビール」を試飲することができるのも魅力のひとつです。カルビーさんからの感想で「五感」というワードをいただけたのはとても嬉しく思います。
北原(C):カルビー北海道工場は1969年に操業を開始しました。工場見学は2001年から実施し、「ポテトチップス」や、北海道工場のみで生産している「じゃがポックル」の製造工程をお楽しみいただけます。見学中は、できたての「じゃがポックル」や当日生産の「ポテトチップス」を試食することができます。2023年には見学施設をリニューアルし、バリアフリー化を実現。より多くのお客様にご参加いただけるようバージョンアップしました。
北海道千歳市で工場見学を実施する意義
―両社は全国で工場見学を展開しています。北海道で実施する意義については、どのようにお考えでしょうか。
高橋(C):カルビーが1年間に使用する国産じゃがいもは、国内生産量の約19%に相当します。そのうち約8割は北海道産です。北海道工場でも北海道産じゃがいもを多く扱っているので、「つくる責任、つかう責任」として、契約生産者の皆さんと二人三脚でじゃがいもづくりに取り組んでいることも丁寧にお伝えしています。
実は、じゃがいもの植えつけや収穫がひと段落した時期に、契約生産者さんが工場見学で来場されることもあります。
高島(K):とても素敵で、北海道ならではのエピソードですね。千歳市は、水資源が豊富なことも大きな利点です。キリンビール北海道千歳工場では商品の原料となる水は、環境省の「名水百選」に選ばれている、ナイベツ川湧水を主水源とする良質な水を使用しています。水源地を守る活動として「キリン千歳水源の森づくり」があります。
北原(C):実はカルビーの工場でも、じゃがいもの洗浄などでたくさんの水を使用しています。持続可能な水源涵養機能の維持・向上を目的として、千歳市にある「カルビー・ミナミナの森」にて、森林保全活動に取り組んでいます。この活動は工場従業員や家族が参加し、自然の恵みを再認識し、貴重な地下水を利用する責任を考える機会になっています。
お客様によろこんでいただくための飽くなき挑戦
―工場見学にお客様をお迎えする上で、意識されていることはありますか。
千葉(K):キリンのファンになっていただくこと、お客様の「好き」や「知りたい」を大切にすることを意識しています。もともと他社のビールが好きで、見学参加自体にも後ろ向きだったお客様が見学終了時には「今度から『一番搾り』を飲むよ」と笑顔で帰ってくださったことがあり、とても印象に残っています。
高島(K):「一番搾り」のおいしさを来場された皆さまに実感していただき、北海道でキリンビールが頑張っていることを知っていただきたいですね。お客様の声をダイレクトに聴くことができるのも工場見学ならではの機会です。コロナ禍の長期休館を経て、お客様が来場してくださることのありがたさを再認識することができました。お客様の「ありがとう」を直接聴くことができるのは本当に幸せなことだと日々感じています。
北原(C):キリンさんのお話しはどれも共感することばかりです。私たちカルビーは、来場いただくお客様に合わせて、見学内容を分かりやすくお伝えすることを心掛けています。北海道工場は新千歳空港からアクセスが良いこともあり、道内にお住まいの方や近隣の学校に留まらず、道外や海外からのお客様が参加されるケースもあります。海外からのお客様には、普段使用される言語を事前に確認し、コミュニケーションの工夫をしています。
高橋(C):見学後にお客様から「『ポテトチップス』や『じゃがポックル』がより身近に感じられるようになった」「カルビーの商品を意識して購入するようになった」とお声をいただいたときはとても嬉しいですね。お土産の提供に際しては、お客様のアレルギーや宗教的な事情を十分に配慮し、安心してお受け取りいただけるよう努めています。また道外からお越しのお客様には、北海道限定商品をオススメしています。“メイドイン北海道”の価値をお届けするのも私たちの大切な役割です。
―最後に、今後の展望や挑戦してみたいことをお伺いできますか。
千葉(K):キリンビール北海道千歳工場では、これからも地域社会と共に成長し続けることを目指していきたいと考えています。今回、カルビーさんとこのような機会をいただいたので、北海道・千歳ならではの活動も一緒に取り組んでいきたいです。
高島(K):「一番搾り」に合うカルビー商品のペアリングとかも面白そうですね。工場が近いこともあるので、カルビーさんの工場直送品を「一番搾り」の試飲時に提供いただくとか。特別な日の工場見学企画として、カルビーさん、いかがでしょう?
北原(C):とてもユニークなアイデアですね。来場いただいたお客様に喜んでいただけそうです。早速、工場長に掛け合ってみます。
高橋(C):キリンさんもお話しされていましたが、北海道・千歳ならではの企画を実施してみたいです。たとえば、お客様とじゃがいもの契約生産者さんが交流できるような特別な工場見学とか。懇親会をやるなら乾杯はぜひ「一番搾り」でやりたいですね。
北海道千歳市で、半世紀以上にわたり工場を構えるカルビーとキリン。両社の工場見学を支える伝い手の熱量を感じる座談会となりました。これからの進化に期待が高まります。
▼両工場長と千歳市長による鼎談記事はこちら
【工場の概要】
カルビー北海道工場
・所在地:北海道千歳市北信濃779-4
・操業開始:1969年
・主な製造商品:「ポテトチップス」、「堅あげポテト」、「じゃがポックル」等
キリンビール北海道千歳工場
・所在地:北海道千歳市上長都949-1
・操業開始:1975年
・主な製造商品:「一番搾り」、「キリンラガー」、「淡麗極上<生>」、「淡麗グリーンラベル」、「のどごし生」、「本麒麟」等
文:古澤 大輔
写真:櫛引 亮





