この時代、大学へ行けた若者は全体のわずか数%だったものね。彼らエリートが将来国家を牽引するからと、徴兵が猶予されていた。一方、赤紙一枚で引っ張られるふつうの若者らにとって、その猶予は不公平に感じられた。だから、学徒出陣は悲劇ではあるけれども、そういう庶民の冷ややかな視線もないわけでもなかったんだよね。それでも結局、学徒兵たちは、即成の将校にされ、激戦地に送られて次々に亡くなったし、特攻作戦にも大勢が送り込まれた。結局、全部の若い人がびんぼうくじを引かされた。引かせた爺さんたちは、畳の上で天寿をまっとうした人も多い。こういう国でした。