優良事例
PF会員間連携
自治体による粗大ごみのネット販売等でのごみ減量とリユース推進
愛知県蒲郡市 × 株式会社メルカリ
(登録団体:株式会社メルカリ)
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取組概要

全国的な自治体の大きな課題となっているごみの減量を図るため、蒲郡市・加茂市・西宮市において、自治体自らが、株式会社メルカリおよび株式会社ソウゾウが運営する「メルカリShops」を活用し、粗大ごみ等として排出されたまだ使えるものをリユース品としてネット販売する仕組みを構築し、財政負担を軽減しつつ、市民自らリユースを推進する施策も並行して実施することで、ごみの減量とリユースを推進した。

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蒲郡市・加茂市での粗大ごみ販売開始
加茂市の粗大ごみの様子

基本情報

代表地方公共団体等 愛知県蒲郡市
代表民間団体等 株式会社メルカリ
他の連携団体等 株式会社ソウゾウ、西宮市、加茂市、加茂市・田上町消防衛生保育組合
カテゴリ
行政サービス・手続き
ゼロカーボン
廃棄物(ゴミ)対策
事業費 事業費用:0万円(販売した場合売却費用の10%が手数料)。期間:自由
目指すSDGsゴール
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事業化までの期間 初回の蒲郡市と加茂市の事例は4ヶ月程度。西宮市は1ヶ月弱で実現。

取組内容

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西宮市 メルカリShopsへ粗大ごみ出品
「メルカリエコボックス」でリユース品分別
この取組で解決した課題 ごみの排出量減量や費用削減は全国的な課題となっている。一方でゴミ減量やリユース推進は、これまで市民への啓発や協力依頼をすること以外に具体的な取り組みはほとんどなかった。こうした中、行政が主体的にごみ減量を図る取り組みとして、回収した粗大ごみを「メルカリShops」で販売することで直接的にごみの減量に努めた。11月10日現在で蒲郡市は26品を販売、約317.7kgの減量と55,400円の実績となった。同時に、希望する市民に「メルカリエコボックス」を配布しリユースを分別のカテゴリーにする実証実験では、配布した方の78%が「実際に不要品を入れた」とし、うち42%の方が「入れたものを実際にリユースした」と回答、市民の自発的なリユースの可能性も具現化した。同時に「メルカリ教室」を実施し、デジタルディバイド等によりこれまで活用できなかった層等も含めリユースに関する市民意識の涵養と推進を同時に実現した。
解決に向けた手法株式会社メルカリと子会社の株式会社ソウゾウが運営するECプラットフォーム「メルカリShops」を活用し、自治体が自らネットショップを開設し、自治体に排出された粗大ごみ等を自治体自身が販売する実証実験を開始した。「ごみゼロの日」である2022年5月30日から蒲郡市と加茂市(加茂市・田上町消防衛生保育組合)で、3R月間である10月24日からは西宮市で販売を開始し、自治体が自らごみとして排出されたものを販売することでごみを減量するとともに、リユースを促進する取り組みを行った。また、蒲郡市・加茂市では、同時に「メルカリエコボックス」を希望する市民に配布し、リユースを分別カテゴリーにする実証実験も行った他、「メルカリ教室」を実施するなど、市民が主体的に「メルカリ」等を活用してリユースを推進させていくことで、市民と行政が一体となってごみ減量やリユースを推進する取り組みを行った。

取組詳細

事業推進上の各団体の役割分担 メルカリとソウゾウは運営する「メルカリShops」や「メルカリ」の活用のノウハウおよび「メルカリエコボックス」等を提供。 蒲郡市・加茂市(加茂市・田上町消防衛生保育組合)・西宮市は「メルカリShops」にネットショップを開設し、各自治体で市民が排出する粗大ごみ等からまだ利用できるものを販売、商品の受け渡しを行ったほか、「メルカリエコボックス」の配布、アンケート調査、「メルカリ教室」の開催等を実施。
地域関係者との連携方法 蒲郡市・加茂市・西宮市の各関係者の協力はもちろん、市民からごみとして排出したものを販売することの理解を得るとともに、出品されたリユース品を購入することで、ごみ減量とリユース推進に協力いただいた。 同時に蒲郡市と加茂市では「メルカリエコボックス」を希望者に配布し、自宅にあるまだ使えるものをこの箱に入れ、リユース推進に協力いただいた。市民が自発的にリユースを進められるよう「メルカリ教室」も実施した。
資金調達方法 実施にあたって資金は必要なく、むしろ実施によって、自治体のごみ処理の財政的負担が軽減される他、粗大ごみ等を販売することにより財源確保につながる。
資金調達方法の補足 株式会社メルカリと株式会社ソウゾウが運営するスマホ1つで誰でも簡単にネットショップを開設できるEコマースプラットフォーム「メルカリShops」を活用してまだ使える粗大ごみを販売し、2022年11月10日現在で、蒲郡市は45品中26品、加茂市(加茂市・田上町消防衛生保育組合)は17品中14品、西宮市は17品中9品が既に販売済みになっている。
事業推進上の課題・工夫 これまで自治体はごみ減量やリユース推進については啓発することが主だったが、市民が排出した粗大ごみ等を自治体自身が「メルカリShops」にネットショップを開設して販売するスキームを構築した。開設や運用にあたっては、自治体職員だけでも「メルカリShops」が運用できるようにマニュアルを作成しつつ、レクチャーなどを実施し、現在では自治体職員を中心に販売から発送、購入者対応まで自走化できている。また粗大ごみだけに限らず、蒲郡市では自治体の不要な中古備品の販売も実施した。一方で、自治体自身が販売するスキームだけでは販売できる数量に限りがあるため、蒲郡市や加茂市では、市民自身がフリマアプリ「メルカリ」を利用してリユースを進めるため、自治体による「メルカリ教室」の実施や、リユースできそうなものをご家庭で分別する「メルカリエコボックス」を希望者に配布することなども、並行して実施し、自治体ぐるみでリユースの意識が高まったと考えられる。

担当者のコメント

自治体におけるゴミ問題は、どの自治体においても大きな課題であり、処分費用は財政的な負担も大きいです。一方で、これまでの自治体におけるゴミ削減や3R推進の多くは市民への啓発であり、意識の高い市民の皆さんの行動に依存することが多かったのではないでしょうか。こうした状況下で、ICTを活用して、自治体自身がゴミを減量する具体的な取り組みとして、粗大ごみのネット販売を開始することは、市民全体に対するリユース意識の涵養という観点からも大きな意味を持つと考えます。これに並行して、リユース品を分別する箱「メルカリエコボックス」を希望する市民に配布するとともに、フリマアプリ「メルカリ」の使い方を学ぶ「メルカリ教室」を自治体が開催することにより、相乗効果を発揮し、実態として市民のリユース推進を実現することができたと考えます。引き続き、弊社は循環型社会の構築に向け、リユースのリーディングカンパニーとして、自治体との協働に取り組んでまいります。
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蒲郡市との包括連携協定締結写真

問い合わせ先

団体名称 株式会社メルカリ
部局名 経営戦略室政策企画
氏名 石﨑忠行
電話番号08028870025
eメールアドレスt-ishizaki@mercari.com

優良事例応募項目

応募にあたっての記載事項 ①地方創生SDGsの視点 ゴミの減量とリユース推進による循環型社会の実現は持続可能な地域社会をつくるために不可欠なものであるとともにSDGsそのものの活動でもあり、同時に地域におけるごみ処理やその処理費用の財政的な影響は大きく、重要な社会課題の一つとなっている。 今回の一連の取り組みは、SDGsの「11住み続けられるまちづくりを」「12つくる責任 つかう責任」「13気候変動に具体的な対策を」などに該当する取り組みであり、循環型社会の実現に向けて市民が実施できる仕組みを構築するとともに、市民へのモデルとして自治体自らも取り組むという新たな事例であり、同時に民間の技術やノウハウなどを生かした公民連携による「17パートナーシップで目標を達成しよう」にも該当する取り組みでもある。 ②ステークホルダーとの連携 エリアも規模も異なる蒲郡市、加茂市、西宮市の3自治体において、粗大ごみ等のごみを排出する市民にリユース品として販売することについての理解をいただくとともに、まだ使えるこうしたリユース品を購入してもらう形で、ステークホルダーである市民との連携を図り、市民の皆さん自身にもフリマアプリ「メルカリ」などを活用し、これまでは捨てていたようなものについてもリユースを行うなど、ゴミの減量と、同時にリユースの推進など循環型社会実現に向けて協力してもらえるよう働きかけた。 ③モデル性・波及性 ごみの減量は全国どの自治体においても共通の課題であり、一方で、今回実施した「メルカリShops」を活用したまだ利用できる粗大ごみの販売はどの自治体でも実施が可能であり、今までにない新しい取り組みでもあることから、多くのメディアに取り上げられ、好意的な反応が多い。今後も市民が自らフリマアプリとして全国2,000万人が利用する「メルカリ」の利用促進や「メルカリエコボックス」の活用などを施策ミックスすることで、ごみ減量とリユース推進の進展が大きく図られる大きな可能性がある。