男と女はぶっち切りぶっち切られが基本である。愛とは何か。付き合うとは何か。そんなことは知らない。嫌われたくない？傷つきたくない？拒絶されるのが怖い？そんなことは知らない。わかっているのは自分の気持ち。自分がやりたいと思うことを真っ向勝負で相手に伝える。DO or DO。やる一択。やるっきゃないから、やるのである。言っちゃえ。やっちゃえ。男と女は、互いにぶっち切り合うことによって広がり、おおきくなる。

愛知在住の女性Ａ様から「恋愛相談を聞いて欲しい」とご連絡をいただいた。Ａ様とは先月一度お会いした。その時は海を見ながら一緒に泣いた。海岸を歩いていたら行き止まりにぶつかり、引き返すのも癪なので高さ三メートルの壁を「俺の肩を踏み台にして駆け登ってください」と提案し、二人でファイト一発をやった。あの瞬間、何かを越えた。体を使う遊びは楽しい。どんどん越えよう。遊ぶとは、ごはんを食べたり施設に行くことだけではない。芝生で寝転んだり、浜辺で相撲をしたり、焚き火で履歴書を燃やすことも遊びだ。

Ａ様は「好きな人に好きと言った。言えただけで嬉しかったけど、ここからどうすればいいかわからない。突っ走りたいのに逃げられたくないとか思っちゃう。たぶんいま弄ばれてる。わたし死ぬほど単純だから可愛いって言われたらすぐ好きになっちゃうわ、どうにかして。弄ばれてんなって思ったからこっちも相手してあげよって気持ちでいようとしたけど全然弱々だった。坂爪さんに会ってから声かけられること増えた！何事！」と言った。私は「Ａ様はまじで可愛いから、それが開いただけだと思う。可愛いだけじゃなくて、俺はＡ様の声が好きだ。可愛いなんて当たり前のことで、格好いいのがポイントだと思う」と言った。

Ａ様はもののけ姫が好きだと言った。サンがアシタカに生きろそなたは美しいと言われてハッ！ってなるところが大好きなのだと言った。私は「Ａ様にはサン味がある。野生を感じる」と言った。強くて美しくて純粋で、獰猛な形をしている。私は知っている。女の強みは可愛さではない。可愛いなんて当たり前のことで、格好いいのがポイントなのだ。女が男前になる。女が男気を見せる。女がぶちかます。言いたいなら言う。抱きたいなら抱く。食いたいなら食う。殴りたいなら殴る。水をぶっかけたいなら水をぶっかける。おにぎりをぶん投げたいならおにぎりをぶん投げる。愛とは何か。付き合うとは何か。そんなこたあどうでもいい。男と女は、ぶっち切り、ぶっち切られるのみである。言ったれ。やったれ。ぶちかませ。

好きだと言える相手がいることの尊さよ。若さ。やらない後悔よりもやった後悔。玉砕した後悔。具体的な失敗が僕らの架け橋。女は虎。女は獣。強くて美しくて純粋で、獰猛な形をしている。どうしたどうした。お前はそんなもんじゃないだろう。もっとぶっち切ってみろよ。もっと自分を出してみろよ。伝えられなかった気持ちは何処に行くのだ。言わずに終わるのか。言って終わるのはどうだ。言っちゃえ。やっちゃえ。ぶちかませ。こうして私は挑発する。生きろそなたは美しい。我こそが令和のアシタカである。曇りなき眼で見定めて決める。共に生きよう。振られた時は抱いてやる。どうだ。胡散臭いだろう。胡散臭いなんてものではない。胡散そのもの。俺が胡散だ。女が男を見せないでどうする。言っちゃえやっちゃえぶちかませ。胡散からのメッセージは以上だ。