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納品が終わった映像素材どうしてますか? ~H.265が便利すぎる~

映像制作に関わらている方にお聞きしたいのですが、納品が終わった映像の素材ってどうされてますか?

特に、撮影から編集まで請け負った場合、大元の素材はこちらの手元にあるわけで、

編集する前の元の映像も納品してほしいっていうケースだったら、こちらの手元に残しておかなくても良いと思うんです。

でも完成データだけ納品する場合、リテイクに備えてしばらくは素材を残しておきますけど、

段々いつまで保存しておけばいいかなって思いますよね。

最初はHDDを買い足して保存していたのですが、4K映像を扱うようになるとHDDもすぐいっぱいになってしまいました。

数年前の素材ならもう消していいかな?でも何かに使うかもしれないしなと、ちょっと悩みの種でした。

で、今のところのこの問題に対する自分の答えは「H.265 (HEVC)に変換してDVDに焼く」です。

意外とDVD納品が多い

映像制作をするようになって驚いたのですが、今でもDVDで納品という形をとることが多いです。

DVDはもう30年くらい前の技術なんですが、映像をモノとして形にした方が何かと扱いやついのだと思います。

で、DVD納品の場合、大なり小なりDVDが余ります。

これが何度か重なると結構な量になるので、活用できないかなと思うようになりました。

それで先ほどの話に戻るのですが、納品が終わって時間が経った映像素材をDVDに保管すればいいのではないか、となったわけです。

ちなみに、DVDの容量は4.3GB(4.7GBと表記されているけど実際は違う)。

映像を扱う方からすれば4.3GBはちょっと少ないなというのが正直なところではないでしょうか?

そこで私が活用しているのがMP4のH.265 (HEVC)です。

2倍の圧縮率をもつH.265

動画のフォーマットとしてよく使われるMP4ですが、H264とH265という種類があります。

今まではH264が主流だったのですが、新しいH265はH264の2倍の圧縮率を持っているので、置き換わりつつあります。

2倍の圧縮率ってどういうことかと言いますと、ざっくりですがH264と同じ画質でH265の方が2倍の時間の動画を記録できるということですね。

ここで先ほどのDVDが出てくるのですが、容量が4.3GBしかなくても、素材をH265に変換してやれば単純計算で8.6GB分の動画を入れれます。

これだと画質劣化も抑えつつ容量も増やせるので、本当にH.265を開発した方々に感謝です。

DVDの寿命は10~30年

今のところ納品が終わって数年後に「あの素材まだ残ってますか?」と言われたことはありませんが、

かと言って完全に消去してしまうのもちょっと心配ではあります。

多少、画質が圧縮されたとしても映像が残っているか残っていないかは差が大きいように感じたので、

H.265を活用してDVDに収まるように素材の容量を圧縮して保管することにしました。

DVDの寿命は10~30年と言われていますので、仮に一番短い10年しか持たなかったとしても、

素材を10年間保管しておけば十分ではないでしょうか。

余談 最近はH.265撮影も増えてきた

ちょっと前まではH265って少なかったんですが、最近はかなり普及してきました。

スマホやアクションカメラの動画はもうH.265 (HEVC)で撮影が当たり前になりつつあります。

ビデオカメラの方はまだ切り替わりが遅くて、H.264が主流に感じますが、H.265で撮影できるカメラも増えてきました。

例えば私が使っているFX30には「XAVC HS 4K」という記録フォーマットがあり、これはH.265を使用しています。

4Kでありながら容量が節約できるので非常に重宝しています。

H.265の短所として編集ソフトが重くなる(圧縮率が高ければ編集時に復元の負荷が高くなる)という点があるのですが、

4世代前のGPU搭載PC × DaVinci Resolve Studioという組み合わせでも基本的な編集は問題なく行えています。

(私が使っているのは有償版のDaVinci Resolveなので、H.264/H.265のエンコーダー/デコーダーが高速化されてるそうです。無償版でどれくらいの違いが出るのかは検証していないので分かりません)

余談 もっと圧縮率の高いAV1

当たり前ですが最初からH.265で撮影してしまうと、今回のH.265に変換して容量を稼ぐというテクニックは使えません。

単純にビットレートを落とすなりして画質を圧縮するということになります。

ですが、近い将来H265よりも圧縮率の高いコーデックが普及していくと思います。

実際にAV1(AOMedia Video 1)というH265から更に圧縮率が30%向上したものもあり、まだ普及していませんが着実に増えてきています。

時間が経てばもっと優れたコーデックも開発されていくでしょう。

横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」というほどのものではないかもしれませんが、

古い技術であるDVDを最新の圧縮技術で活用するというのも、何だか不思議で面白いなと思います。


滋賀県で映像制作などをしております。良ければホームページものぞいていってください。


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納品が終わった映像素材どうしてますか? ~H.265が便利すぎる~|マルさん(映像・音響・配信の何でも屋)
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