40手前の男が直属の上司だ。
正直全く仕事ができないし、社歴が長いわりに社内処理さえもミスが多い。
コミュニケーション能力に長けているというわけでもなく、ただ会社にいる期間が長いからマネジメントする立場にいるのだと思う。
業種はWeb関連だけど特別業界知識があるというわけでもない。
むしろつい2週間前に初めてChatGPTを使ったと嬉々として報告してきた。
都内のWeb制作会社でそんなこと言ってるのこいつだけだろと思った。
今週あった取引先との打ち合わせでも、競合との比較資料を出して、「これChatGPTに出してもらったんですけど😃」とわざわざ伝えていた。
あとタバコを吸うわけでもないのに、異様に席を立つ回数が多い。
そのくせ「タスクがパツパツで😅」とか言って振られた仕事を後回しにしたり、断ったりしてる。
見た目も165cmほど・中年太り・短足・メガネ・ケツデカ・カオデカ・癖毛だけど前髪だけ縮毛矯正という始末。
ただその人はプラトニックな人だったらしく、交際中は肉体関係がなかったとのこと。
その話を聞いた時、セックスをしたくて仕方なかったから結婚しただけじゃんと思った。
正直憧れる部分が1つもない上司なので、些細なことでもイラッとくる。目につく。腹が立つ。
キーボードのタイピングがうるさいこと、空咳が爆音なこと、取引先との打ち合わせで詰められた時に耳が赤くなること、そのすべてにイラッとくる。
彼なりの助走をつける。
それが本当に不愉快。
笑わせにくるとこっちはわかるから、もちろん一つも笑えない。
意外性が一つもない。
「今から驚かすからな!」と言われて「ワッ!!!」と言われるようなもの。
そんなことしても誰も驚かない。
彼は順調に揺れていた。
黒霧の炭酸割りを飲み始めて以降、加速度的に揺れが増えていった。
そのすべてで自分は笑えなかった。
またボケるんだなと思った。
上司は言った。
「じゃあこれにて閉店で!」
キモ。