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今こそLinux環境を構築してみたい その1~Windows10が終わる中、取り残される初代Surface GoにLinuxを入れる(その1)~

気づいたら今年でWndows10のサポートが終了するとかマジですか???
そんなわけで2023年に購入した、CPUの関係でWindows11にアプデできない初代SurfaceにLinuxを入れてうまい具合に現代でもある程度使えるタブレットとして環境構築していこうと思います(唐突)

環境

以下の機種にArch Linuxを入れます

Model: Surface Go(第1世代)
CPU: Intel Pentium Gold 4415Y
Storage: eMMC 64GB
Memory: 4GB
※購入機のバッテリー最大容量は大体80%ほど。

第1世代のSurface Goです。今回入れていくモデルは下位モデルで、上位モデルはストレージが128GBのSSD(ここ重要)、メモリが8GBにグレードアップしています。
中古で買うなら上位モデルのほうがオススメです。CPUはともかくメモリ4GBは流石に現代において厳しいと言わざるえないです(CPUに関しては1コアを体感するともう全てにおいて文句は言えないですね)
CPUは世代としては第7世代のため、ギリギリWindows11にはアップグレードできません。持ち運べるサブ機で運用していくならLinux運用推奨です。パワースペックとしては当時でもエントリー帯の性能でまあそこまで強くは無かった(当時もSurfaceにしては6万程度で買えるのがすごいみたいなところがありました)にしても、重いデスクトップ環境(BudgieとかCinnamonとかUKUIとかDeepinとか)を選ばなければそれなりに使える…とは思います
正直Ubuntuとかを入れたほうがインストール時の手間はかなり楽ではあると思うのですが、最終的にタブレット向けに調整をすることを考えるとインストール時は多少手間であれど、最小限のパッケージで組むことになるArch Linuxからインストールするほうが楽と判断しました

Arch Linuxをインストール

Arch Linux=インストールがCUIで難しいというイメージがあると思います。実際に慣れないと難しいのですが、2021年4月にarchinstallというインストールのヘルパーライブラリがISOファイルに同梱されるようになり、ネットワークが繋がれている状態であれば、設定ウィザードに従ってインストールすることができるようになりました。今回はせっかくなのでarchinstallを使ってインストールしていこうと思います

archinstallを使うことに対して

ただ最初はやはりArchWikiのインストールガイドページを参考にしたほうが良いと思います

理由としては、CUI操作主体のLinuxの中でもトラブルに対してのQ&Aが多く含まれており、コンソールでの作業の入門編としては一番手頃だからです。正直これに慣れてしまえば、サーバーのコンソールでの作業などもできるようになりますし、使わなくなったPCがあればいい感じに手頃な練習台として活用もできるのでオススメです

デスクトップ環境を何にするか問題

Arch Linuxは多種多様のデスクトップ環境(以降DE)、ウィンドウマネージャー(以降WM)を選択できるが故にどれを入れるのが良いか?という問題が生じると思います
今回に関してはタブレットなので、WM(i3やawesome、Swayなど)は今回のインストール候補から外します。まあこれは私の環境下ではキーボードカバーを所有していないため、なるべくキーボード操作を多く必要とするWMは使い勝手としてあまり良くないと判断したためです
そもそもarchinstallでインストールできるDE/WMは限られているため、基本メジャーなものであることを考えるとまあ面白いものはそんなに無さそうな気はしています

今回は基本タッチ操作のデスクトップ環境であることを考えると、タッチ操作に関しての情報が比較的多いGNOMEあたりが良いんでしょうけど、今回は流石に2017年発売のPCならCeleron搭載でもない限り低スペでも動くのではないか?ということで、重いDEとされているBudgieを入れてみようと思います

archinstallを使ってインストールする

インストール自体は上記のようなTUI形式でのインストールになります。なので基本そんなに迷うことはないと思いますが、上記のものよりだいぶ細分化されている感じのため、解説を挟んでいきたいと思います

事前準備: 作業しやすい状態にする

必須作業ではありませんが、デフォルトでキーマップが英字のものになっているため、日本語キーボードを使っていると印字の文字と入力される文字に差異が生じます。そのため、キーマップを日本語に変更します

loadkeys jp106

こうすると日本語のキーマップに設定できます
また、FullHD以上のディスプレイで表示すると文字が小さくて見づらくなります。作業しづらくなるため、こちらも解消します

setfont ter-128n

ある程度見やすい環境になったかと思います

事前準備:ネットワークに接続する

前述の通り、archinstallを利用したインストールにはネットワークがつながっていることが前提となります。有線LANがあれば確実ではあるのですが、ノートPCはWi-Fiがつなげるケースが多いと思うため、今回はiwctlを使ってネットワークにつなげることにします(Arch Wikiみたほうが確実だとは思いますが)

iwctl

iwctlの対話型プロンプトが立ち上がるため、いろいろ設定していきます

device list

これでネットワークのデバイス名が分かります。基本wlan0とかいう名前だと思います。そうしたら次のコマンドを順に打っていきます

station device scan
# デバイスのスキャン
station device get-networks
# 接続できるネットワーク一覧の表示
station device connect SSID
# ネットワークに接続

※ここのdeviceは取得したデバイス名、SSIDは接続するネットワークのSSIDを入力してください。ネットワーク接続時にパスフレーズを求められるため、パスフレーズを入力してください
すべてのコマンドでエラーが返ってこなかった場合はexitと入力してプロンプトを終了します

最後にネットワークに本当に接続できているかどうかを調べるためにpingコマンドを入力します

ping archlinux.org

コマンドを入力したときに何かしらのデータが返っていればネットワークに接続できています、お疲れ様でした

各項目: Archinstall Language

インストーラーの言語設定です
日本語の翻訳は完了していますが、日本語フォントが用意されていないため、文字化けします
デフォルトの英語のままにしておきましょう

各項目: Mirrors

パッケージのミラーリストについてです
Mirror Region → Japan選択で問題ないです

各項目: Locales

言語設定についてです
インストールした環境下の言語環境を設定できますが、上記の通り日本語に設定してしまうとフォントが適用されていない状態になる可能性があるため、ここではKeyboard layoutの設定だけ確認して他はデフォルトのままにしておきましょう

各項目: Disk configuration

パーティション関連です
Partitioning から好きにパーティションを組みましょう
Use a best-effort default partition layoutを選択すると、1GiB分EFIおよび/bootパーティションが確保されてその他のパーティションが全て/に割り当てられます
ファイルシステムはお好みのものを選びましょう、私はext4を選択しました

各項目: Disk encryption

ファイルシステムの暗号化の設定です
ここはお好みでどうぞ

各項目: Bootloader

ブートローダーの設定です
UEFIだとデフォルトでSystem-bootが選択されていると思います(BIOSはGRUB)
ここもお好みでどうぞ

各項目: Swap

スワップを使うかどうかです
自分は一応ONにしました、メモリが8GB以下であれば一応つけておいたほうが良いかもしれません(流石にそれ以上あればよほど重くなるようなことをしない限りは十分なメモリは確保はできるとは思います)

各項目: Hostname

ホスト名の設定です、ここは本当に好みです

各項目: Root password

rootユーザーのパスワードです
ここはちゃんと設定しておくことを推奨します。rootパスワードが未設定の場合、rootユーザーは無効となるからです
たしかにrootユーザーで好き勝手にできる状態は好ましくありませんが、最終手段を封じておくメリットもありません
ちゃんとパスワードは設定しておきましょう

各項目: User Account

rootユーザー以外のアカウントに関しての設定です
Add a Userからユーザー名、パスワードを設定し、最後に管理者権限(sudo)を持たせるかどうかを聞かれますが、特別な理由が無い限りはyesを選択しておきます
設定が済んだらConfirm and exitを選択して保存します

各項目: Profile

デスクトップ環境などの設定です
今回は完全なデスクトップ環境として設定するため、Desktopを選択した後、パッケージとしてBudgieを選択します

各項目: Audio

オーディオサーバーの選択です
ここはお好みで良いと思います、私はPipewireを選択しています

各項目: Kernels

Linuxカーネルの選択です
デフォルトのままでもいいですし、複数選択可能なため適宜利用したいを選択するで良いと思います

各項目: Additional packages

追加でインストールするパッケージをここで指定できます
今は入れなくても良いですが、vimなどのコンソールエディタはこの段階で入れておいたほうが良いかもしれません

今回は任意パッケージである、以下のパッケージとネットワーク関係のパッケージをインストールしました

networkmanager
netctl
dhcpcd
budgie-desktop-view
network-manager-applet
papirus-icon-theme

各項目: Network configuration

ネットワークの設定です
一番上の今回接続したWi-Fiの情報を適用もしくはNetworkManagerを選択します
この設定をしないとインストール後の環境でネットワークに接続できなくなり、以降のセットアップで詰む可能性があるため、絶対どちらかは選択しましょう

各項目: Timezone

タイムゾーンの設定です
適宜地域に合わせましょう。日本であればTOKYOもしくはAsia/Tokyoあたりを選択すれば大丈夫です

各項目: Automatic time sync (NTP)

時間の同期を有効にするかどうかの設定です
Trueでいいと思います

各項目: Optional repositories

追加のリポジトリに関しての設定です
Wineなどをインストールする予定があればmultilibの選択はしておきましょう

最後に

一連の設定が完了したらinstallを押下してインストールを進めていきます。基本自動で進んでいきますが、Wi-Fiなどの無線環境を利用している場合はたまにネットワーク環境が切断された状態になるとその時点でエラーとなります。
再度インストールを実行するかどうか聞かれるため、気にせず再実行しましょう

インストールが完了すると「新しくインストールした環境に対してchrootで入って設定を続けるか」(原文: Would you like to chroot into the newly created installation and perform post-installation configuration?)と聞かれます。additional packagesで入れきれなかったパッケージを入れたり、GUIを立ち上げる前にやっておきたい設定などがあったりする場合はyesを、特になければそのままNoを押して再起動します

デスクトップ環境

正確な実測は忘れたのですが、大体電源ボタン押下~ログイン画面までは30秒程度だったと思います。eMMCと考えれば割と早い部類かなという感じです

画像
入れたてほやほや
画像
Htopで見たときのシステムの状態。やはりメモリは食いますが許容範囲

かなりシンプルな感じです。メモリの使用量なども1GBとやはり他のDEと比べて多く占領はするのですが、スワップで何とかなりそうな気がします
ただ軽く動かしてみた感じ、普段の動作時点でカクつくこといったことはなく動かせているため、流石にCeleronじゃなければ普通に使える程度のCPU性能は兼ね備えていると推測します。まあこれはSandy世代あたりからそうなんですけど

バッテリー最大容量が80%であることを考えると、今までの経験的には推定連続使用時間的には2、3時間程度かと。決して長持ちではないものの、出先のカフェで使う程度なら悪くないですね。Type-Cでの給電も可能なのでモバイルバッテリーなどでの給電もできなくないのがうれしいところ(ただUSBハブが無いとUSBで接続する機器が全く挿せなくなるというデメリットは存在しますが)

ちなみに

画像
設定パネルに表示されるのはnetwork-manager-appletのおかげ

networkmanagerを入れるのを忘れているとこうなります。iwdは入っているため、ターミナルからおそらくiwctlでの接続はできると思いますが先にadditional packagesの中に入れておくのが楽だとは思います

まとめ

Arch Linux本家もインストールのしやすさはかなり上がっていて結構驚きました。6、7年前にインストールしたときはヒーヒー言いながら、半日ぐらい使っていたのがもはや懐かしいなあと感じるほどには環境も結構変わっていくんですね

実はLinuxメイン機から記事をするつもりだったのですが、カスタマイズまで実施するのにかなりのプロセスを挟んだせいで分割する箇所がうまく取れなかったために、最初から環境構築をする必要のあるSurface Goから執筆を始めた次第でございます

次回はインストールした環境をカスタマイズしていきます。まだ日本語フォントすら入っていない状態ですので、全部英語である状態は英語できない人間からしたら流石に使いづらいです
最悪スクリーンキーボード出すところあたりまではやっていきたいな(願望)と思います

ここまでご清覧、ありがとうございました!以上!!

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