京都市役所

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 京都市は31日、税の滞納金の回収業務で、滞納者と同姓同名で生年月日も同じ別人の預金を誤って差し押さえたと発表した。金融機関から開示を受けた口座の住所の照合が不十分だったといい、市収納対策課は「全く関係のない方の口座を差し押さえたことは重大な誤り。深くおわび申し上げる」とした。

 市などによると、住民税約52万円を滞納していた市内の男性の預金を差し押さえるため、7月にこの滞納者の氏名や住所、生年月日などの要件で金融機関に照会をかけた。開示された口座の住所は、滞納者の住所とは異なっていたが、転居の履歴の確認を怠った結果、10月16日付で別人の口座の預金を差し押さえてしまったという。滞納者に郵送した差押調書の謄本には、無関係な別人の口座番号、住所が記されていた。

 預金を差し押さえられたのは神奈川県在住の男性で、京都新聞社の取材に応じた。10月27日にクレジットカードの利用料が引き落とされなかったため確認したところ、差し押さえを受けたことが分かった。京都市に問い合わせると、「滞納者と同姓同名で生年月日も同じだったため間違えた」と口頭で謝罪を受けたという。市は連絡を受けて差し押さえを解除した。

 男性はX(旧ツイッター)への投稿で京都市の対応を問題視し「身に覚えのない『滞納』で一時預金が消えた。はじめはミスを公表しないと聞いていた」と話す。市は「発表については検討中だったが、(報道機関などから)多くの問い合わせを受けたので早めた」と説明した。滞納者からは今後、改めて徴収するという。