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京都市が別人の口座を差し押さえるミス。被害者は「軽微な事案だから報道しない」と説明されたとXで告発 #エキスパートトピ

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
京都市役所写真:イメージマート

 京都市は10月31日、住民税を滞納していた男性と、同姓同名で生年月日も同じ別人の口座を誤って差し押さえていたことを発表しました。

 被害に遭った男性は27日にXで京都市役所の差し押さえ間違いを告発。続く30日に納税課より詳細な連絡があり、そのなかで「今回の事案は軽微な為報道しない」こと、および「封筒を開けられたが個人情報流出の事案には該当しない」ことを伝えられたと告発しました。

 こうした告発を受けて騒ぎがXで大きく拡散。「報道しない」はずの京都市は31日、口座を誤って差し押さえたことを発表しました。

ココがポイント

ケイ@湘南国際マラソン@katy1205y(ご本人から掲載許可済み)

ケイ@湘南国際マラソン@katy1205y

京都市は31日、住民税の滞納者と誤解し、同姓同名で誕生日も同じ別の男性の預金口座を差し押さえるミスをしたと発表した
出典:読売新聞オンライン 2025/10/31(金)

原因は、預金差押えの際に滞納者の情報と金融機関に照会した口座情報の照合及び確認が不十分であったものです
出典:京都市 2025/10/31(金)

エキスパートの補足・見解

 同姓同名で生年月日が同じ別人の口座を誤って差し押さえてしまう事例はたびたび起きています。

 例えば2024年6月に東京都福生市で、同年12月に群馬県伊勢崎市と新潟県村上市で起きており、いずれも今回と同様に居住地の確認を怠ったのが原因だと報じられています。

 ただ、今回の件を取り上げたのは、被害にあった方が「京都市役所側が虚偽の説明をしている」とXで訴えている点です。

 片方の証言だけですが、市役所が被害者に対して「今回の事案は軽微な為報道しない」、「個人情報流出の事案には該当しない」と本当に伝えていたのであれば大問題です。

 また、被害者の方はほかのポストでも「(新聞社に対して)市役所はこの件について報道発表予定だった」と言っていたとあり、一連の告発を見るかぎりでは市役所側が問題を隠そうとしていたように受け取れます。

 ミスが起きないことが一番ですが、過去の事例を見るに今後も同様のミスが起きる可能性は十分あります。そのなかで市役所がミスを隠すために動き、それを公に発表させるために被害者がSNSで騒がないといけないのは健全な状態ではありません。

 京都市は、この件についても事実関係を明らかにすることが求められます。

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ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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