「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

祈り合う

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 以前住んでいた大分市の教会には、ユニークな習慣がありました。それは、ある信者さんの提案で始まった「マリア様の家庭訪問」です。小さなマリア像が、約一週間ごとに教会の各家庭を訪問するのです。

 教会の信者から信者に手渡される紙袋には、布に包まれた聖母像に一冊のノートが添えられています。最初の頁には、この習慣の趣旨を説明する次の文章がありました。

 「マリア様の家庭訪問は、家庭の中で祈る時間を持つことが難しい生活の中で、マリア様の訪問をきっかけに家族が一緒にマリア様の前で祈って欲しいという願いから生まれました。わたしたちの家庭が信仰を育み、伝える場となりますように」

 ノートには、マリア様が訪問された家庭ごとに、「できれば何か一言」を書いて、次の家庭に渡すことになっています。その「一言」を抜粋して三つだけですが、ご紹介します。

 「マリア様が我が家にいらしてくださり、娘がとても喜びました。早速一緒に祈り、家の中が温かい空気になりました。毎日、慌ただしく過ぎる日々でしたが、朝と夕は感謝の祈りを捧げることができました。ありがとうございました。」

 「マリア様の訪問で家族一緒に祈る時間ができて本当に尊い経験をしました。有難うございます。感謝してこれからも祈っていきたいです。」

 「マリア様のご像を受け、目にした時、マリア様ご本人がそばにいてくださるような感じを受けました。次に、マリア様がご訪問されるご家族にも幸せが訪れますように。」

 このような「一言」を拝見して、私もますます幸せな気持ちで祈ることができました。

 共に祈る人、家庭、教会には、マリア様を通して、神様から豊かな恵みが与えられるのですね。