旧滝山病院の患者遺族らが提訴 「誤った医療で死亡させた」と主張
看護師らによる患者への虐待事件があった精神科の旧滝山病院(現希望の丘八王子病院)で、医師らが適切な治療をせずに患者を死亡させたなどとして、患者3人の遺族が31日、病院を運営する医療法人と前院長に計8800万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。
原告側は「人が亡くなる方向に働きかけるような『反医療』が行われていた」と訴えている。
患者3人は2019~23年、旧滝山病院に入院中に死亡。1人について原告側は、病院が根拠なく「急性心筋梗塞(こうそく)」と診断し、血栓を溶かす薬を誤った方法で長期間投与して死亡させたと指摘。褥瘡(じょくそう)(床ずれ)に対し定期的に体位を変えず、骨が見えるまで悪化させたともしている。
ほかの患者2人については、褥瘡を悪化させ敗血症で死亡させたり、足の血流障害に適切な治療をせず壊疽(えそ)を起こさせたりしたと主張している。
父が亡くなった原告は会見で「きちんと治療を受けられたと思っていたが、今は殺されてしまったのではないかと思っている。死に至った原因を明らかにしたい」と話した。
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