《名古屋市西区主婦殺人事件・容疑者逮捕》殺害は2歳の息子の目前で…血痕も足跡も残されながら、「未解決事件」になっていた理由〈夫は逮捕の一報に「びっくりした」〉
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1999年11月に名古屋市西区で主婦・高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件をめぐり、10月31日、愛知県警が容疑者を逮捕した。 【画像】「名古屋市西区稲生町5丁目主婦殺人事件」の写真(15枚)をすべて見る 逮捕を受け、夫の高羽悟さんは次のように語った。 「今日12時半頃に西署から電話があった。『すぐ来てほしい』と言われたが、用事があって14時頃に行った。そしたら『今夜逮捕します』と言われた。びっくりしたし、よく捕まったなと思った。私は自宅から出て友人たちと飲んでますよ。お祝いしてもらっています」 発生からまもなく26年。なぜ事件はこれまで「未解決」だったのか。悟さんらに取材した記事を再公開する。 (初出:文春オンライン2021年5月5日。年齢、肩書は当時のまま) ◆ ◆ ◆ 1999年11月13日午後2時半頃、名古屋市西区稲生町5丁目のアパートで、主婦・高羽奈美子さん(当時32歳)が首から血を流して倒れているのをアパートの大家が見つけ、119番通報した。 大家は自宅の庭で採れたカキをアパートの各家の住人に届けようと、3階から訪問。201号室に住む高羽さん宅のインターホンを鳴らしても応答がなく、無施錠だったためドアを開けると、奈美子さんが倒れていたという。
電話で「落ち着いて聞いてください」「間に合わなかったんです」
テレビはつけっぱなしになっており、同じ部屋のテーブルには子供用の椅子に座らされた当時2歳1カ月の息子がいた。大家が慌てふためいていると、3階から奈美子さんのママ友の女性が下りてきた。事情を知って息子を預かり、女性は奈美子さんの夫に知らせようとした。 夫の高羽悟さん(64)が話す。 「その日は名古屋市北区のタワーマンションで、不動産販売の営業をしていました。同じアパートに住むママ友の女性が勤務先に電話をかけてくれて、同僚社員が『高羽さんの奥さんが吐血して倒れたそうです。救急車を呼んだので、すぐに帰ってきて欲しいそうです』と伝えにきた。奈美子には持病もないのにおかしいなぁ……と思いつつ、駐車場から車を出し、最初の信号を待っているとき、私のPHSが鳴りました。 同じ女性から『落ち着いて聞いてくださいね』と言われ、覚悟を決めました。『間に合わなかったんです…』と言われ、意外なほど冷静に『お手数かけてすみませんでした』と答えました」
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