DEEP STATEはポクロウシクの状況について「市内の大部分がグレーゾーンに入った」「旅団指揮官の嘘も状況の悪化に一役買った」「最悪なのは敵がディミトロフへの物流を破壊したことだ」「状況は危機的で小規模な特殊部隊による掃討作戦では手遅れになるかもしれない」と報告した。
参考:Мапу оновлено
参考:Масована інфільтрація противника у Покровську
参考:Русский флаг в Покровске
恐らくポクロウシク市内の戦いはセベロドネツク、バフムート、アウディーイウカ、トレツクなどとは異なるアプローチで行われている
DEEP STATEはポクロウシクについて28日~29日の間に「ロシア軍がズヴィロヴェ北西郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がズヴィロヴェ東郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がチェルヴォニ・ライマン南郊外に前進した」「ロシア軍がピウデニー 地区で支配地域を広げた」「グレーゾーンがポクロウシク中心部に広がった」「グレーゾーンがO-525まで伸びた」「グレーゾーンがT-0504を越えてポクロウシク北市内に伸びた」「グレーゾーンがT-0515沿いの倉庫まで伸びた」と報告。
視覚的にもポクロウシク西郊外のモニュメント=Ⓐにロシア国旗が取り付けられている様子が登場、ウクライナ軍がモニュメントに取り付けられたシア国旗=Ⓐを破壊する様子が登場し、DEEP STATEはポクロウシク市内の状況について以下のように述べている。
“時間の経過と共に見つかった防衛上の弱点はズヴィロヴェ、シェフチェンコ、コトリーネからポクロウシクまでの線路沿いで、さらに敵は我々の数的不利を理解しており、ポクロウシク南郊外の防衛を担当していた一部の旅団指揮官の嘘にも助けられた。敵は既にポクロウシク市内へ数百の歩兵を引き込み、居住地域の奥深くに浸透し続け破壊工作や偵察活動を拡大している。なぜ市内のロシア軍をこう呼ぶかは待ち伏せ攻撃や地雷で移動を妨害し、後方部隊(電子戦、ドローン、砲兵、迫撃砲部隊など)を襲い、浸透ルートを探し、市内の状況把握に努めているからだ”
“最悪なのは敵がディミトロフへの物流を破壊したことで、浸透してきた敵の待ち伏せ攻撃に加えてドローンの活動も活発化しており、ウクライナ軍の移動や補給を監視して攻撃してくる。今必要なのは市内に浸透していくる敵を掃討する映像ではなく、ポクロウシク・ディミトロフ都市群の占領を阻止する真剣な作戦に集中することだ。ポクロウシクの状況は危機的で小規模な特殊部隊による掃討作戦では手遅れになるかもしれない”
RYBARもポクロウシク西郊外のモニュメントに掲げられたロシア国旗について「ロシア軍は市内で大きく前進した」「敵はポクロウシク北市内での戦闘を報告している」「まだポクロウシクは完全制圧に至っていないものの敵は相当な領域を失っている」と報告したが、DEEP STATEとRYBARは29日時点でも市内中心部にロシア軍の安定的な足場=ロシア軍支配地域を設定しておらず、未だにポクロウシクの中心部はグレーゾーン扱いのままだ。
恐らくポクロウシク市内の戦いはセベロドネツク、バフムート、アウディーイウカ、トレツクなどとは異なるアプローチで行われており、もう「ここまで占領した」という従来の市街戦ではなくなっているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України


















deepstateも公開されている戦闘に関する情報は他のOSINTと同様でしょう。でもウクライナ軍士官からの歪んだ情報により戦況悪化の判断が遅れ戦況が急速に悪化したように思える(現場からの情報は正しいだけの代物ではない)。しかし色眼鏡を除けば緩やかに悪化していったのだとも。ロシア側で過大戦果による戦況判断の誤りというのは幾度もありました。だが、同様の問題はウクライナも抱えていた、というだけの話ですね、しかしロシアと違いその問題は致命的な戦況悪化を孕んでいた・・。
DEEP STATEが「今必要なのは市内に浸透していくる敵を掃討する映像ではなく、ポクロウシク・ディミトロフ都市群の占領を阻止する真剣な作戦に集中することだ。」って述べている辺り、ウクライナ側が流すプロパガンダ映像にはほとほと呆れているように感じますね。
ウクライナ軍の映像に登場するのは「少人数部隊の掃討作戦ばかり」という意味ですよ。ほんと「プロパガンダ映像にはほとほと呆れている」みたいな方向に持っていくの好きですね。
ポクロウシク・ディミトロフ都市群の占領を阻止する真剣な作戦を実施する為に、ウクライナ軍はロシア軍を掃討する映像を流すよりもまずは増援を送れってことなんだろうなって解釈していたつもりでしたが、ウクライナ軍が増援を送ってないから実際問題グレーゾーンが広がっているんですよね?
ウクライナ国民の身になって考えても、増援を送らないウクライナ政府と軍の対応に「呆れる」って感情が出てくるのは誤りなのでしょうか?その感情が出てくること自体が誤りで、それで不快に思われてしまったのなら謝ります。
>ウクライナ側が流すプロパガンダ映像にはほとほと呆れているように感じますね。
ウクライナ軍が公開するポクロウシク市内の掃討戦映像は「小規模部隊による掃討作戦」を映したもので、その何処がプロパガンダ映像なんですか?
数的不利を反映した映像に見えますけど?
「小規模部隊による掃討作戦」を映すのも良いでしょうけども、より真剣な作戦を実施する為に増援を送らずに「敵を掃討する映像」を流しているだけなら、話題逸らしのプロパガンダと変わらないと思われてもしょうがないのではないでしょうか?
だからこそ「今必要なのは市内に浸透していくる敵を掃討する映像ではなく、ポクロウシク・ディミトロフ都市群の占領を阻止する真剣な作戦に集中することだ。ポクロウシクの状況は危機的で小規模な特殊部隊による掃討作戦では手遅れになるかもしれない」ってDEEP STATEのコメントも、映像よりも増援を重視しろって訴えているのではないのですか?
ウクライナ軍が公開するポクロウシク市内の掃討戦映像は「小規模部隊による掃討作戦」を映したもの、だからDEEP STATEは「小規模な特殊部隊による掃討作戦では手遅れになるかもしれない」と言ってるだけで、映像自体はプロパガンダ映像ではないでしょ?
もし映像が「大規模な増援をポクロウシク市内に投入したと主張するもの」で、それなのに状況が悪化しているなら「ウクライナ側が流すプロパガンダ映像にはほとほと呆れている」というのも分かるような気がしますが、なんか違いません?
これは、管理人さんの言いたいことも黒酢さんの言いたい事も分かる。確かにその映像をプロパガンダ映像と断じる事は出来ないが、見方によって無理の無い意見にもなる。結局情報なんて、本人が無意識でも自分に都合の良いように解釈してしまう物です。ですから、ここで言い争っても不毛だと思います。
仰る通りです。戦時中は基本的に発信する情報はプロパガンダ性を帯びるというのは前提条件です。
一方で事実ベースでプロパガンダとは言い切れないのも確かかなと思います。
とはいえ、不利な時に部分的に威勢の部分を切り取って戦意を盛り上げるは王道の報道戦略ではありますが。
横から失礼します。
プロパガンダの語源は単に「宣伝」であり、何も噓を並べ立てる事ではありません。
例えば敵を撃破する映像を流して(その映像が本物であったとしても)自軍の戦果をアピールするのも広義にはプロパガンダの範疇に含まれるかと思います。
戦時のプロパガンダは内容の真偽を問わずロシア側はもちろん古今東西の戦争当事国は普遍的に行っている事なので「~はプロパガンダだ」と指摘されても実際はさほど気のする必要はないかと思います。
一方でとかくネガティブなイメージを持たれやすいため不快に思う人がいても不思議には思いませんが。
色々な方々にご迷惑をお掛けしてますので、この記事に対してのコメントはコレで最後にします。
私は最初のコメントからすっと言ってますが、DEEP STATEが「今必要なのは市内に浸透していくる敵を掃討する映像ではなく、ポクロウシク・ディミトロフ都市群の占領を阻止する真剣な作戦に集中することだ。」と言っている以上、私としては映像に映し出されたウクライナ軍の規模はどうでも良いことであって、要はDEEP STATEは映像よりも戦況を打開する策と増援を重視しろって訴えているのではないのですか?って言ってるだけです。
別にウクライナ軍の兵力が大規模だろうが小規模だろうが何を流そうが構いませんが、その映像を流すだけで現状の戦況が変わるのならいくらでも流せば良いですよ。でもウクライナ人ミルブロガーが言っている事を考えたら、実際問題それで戦況が変わるのですか?ってことを言ってるに過ぎません。
以上、これからも管理人さんの記事に興味を持ったらコメントを残していきますので宜しくお願いしますね。
ポクロウシクの陥落を決定づけるのはO-0525の補給機能を守り抜けるかどうかでありその為にロディンスケが天王山と言われおりそれも正しくはあったのでしょう
ただ結果的には、北東の突出部の撃破に主戦力が拘束されている間にO-0525が接続する市北西の工場地帯まで浸透され補給機能に致命傷が既に発生しているという本末転倒な状況に追い込まれてしまったように見えます
この工場地帯への浸透は精鋭旅団の投入により一度、排除に成功していたのですが1週間持たずに再びグレーゾーンに戻ってしまったあたり市内のロシア軍の勢力は、多少の予備戦力だけでは巻き返せない程のものになっている可能性があるように思えます
ポクロウシク市内、ウクライナ軍の兵力不足だけでなく、やはり状況は深刻ですか。
ポクロウシク=ディミロトロフ前線歩兵、当初の想定よりも、かなりの期間粘っており存分に敢闘したのでしょう。
兵力不足が顕著なようですが、後々を考えると、後方防衛線でも兵力不足になると思いますがどうなるのか見守りたいと思います。
ディミトロフ・ポクロウシク方面南部は、どこかのタイミング撤退を決断しないと退路が厳しくなるリスクがあるわけですが、大丈夫なのでしょうかね。
いや戦況悪化が緩やかであるなら、ウクライナ軍の前線は敢闘したというより緩慢に失血死した可能性が高い。そしてそれを前線司令部は把握していなかったか、もしくは結果的に見なかった事にした。ウクライナ軍では守備隊がいる事になっているけど誰もいない陣地や補給も交代も来ず負傷兵だけの陣地などの問題があるというのは既知の情報でした。前線司令部が少なくとも前線の戦況が悪化していないと判断したのでここまで戦況が悪化したと考えると、綻んだ部分に予備隊を宛てるなどの対応がなされなかったと考えられる。だからポクロフスク北側突出部に戦力をぶつけることが出来たのでしょう。本丸を犠牲にして外郭陣地を取った訳ですね。
特にウクライナについては、前線歩兵、現場司令官、指導部は分けて考えていまして。
(ディスコで踊ってる人間もいるのに)前線歩兵は、明らかに厳しい環境で長期間耐え抜いてきたわけで、負担がかかってきたと思うんですよね。
仰る通り、現場司令官=指導部がどうしようもなければ、報われないものだなと感じてしまいます…
仰る通りです。自分として懸念しているのは、前線兵士の疲労限界がきているのでは?ということです。
作戦の誤りなどさまざまな問題があるのかもしれませんが、単純に疲弊によるミスの積み重ねや集中力不足もロシアを止めきれない要因かもしれません。なんというか、ジリジリ崩されている感があるので懸念点ですね。
御指摘の点、ローテーション不足の疲労として、以前から言われていましたよね…
我々が仕事をしているのと同じで、疲労が積み重ねれば、(悪意のない)ヒューマンエラーも仰る通り増えていくと思います。
少し前のThe Kyiv Independentの記事でポクロウシク市内のウクライナ軍が市街地各所で孤立してて上層部が把握しきれてないってあったんで市街地はかなり絶望的そうなんですよねえ…
スジャ陥落と同じでウ軍のやる事は間違ってる。
だが、スジャの一晩撤退で露軍は出し抜かれたと言える。
人員の大部分を逃がしてしまった。
もし、それを教訓としてるなら、今度は大惨事になる恐れがある。
ウクライナとロシアの大きな違いは許容できる犠牲の量で、ロシアの損害はどうだとよく言われるが、損害を出しながらウクライナの弱点を分析してきちんとついてくる。もちろん長期的にみて許容できる犠牲なのかはまだわからないが、少なくともこの戦争の間は問題ない死者でしかない。ロシアは決して無能ではなく、粗野で狡猾で強い。
無能というか愚かでしょう。
これだけ死者を出していったい何がやりたいのか?
このまま戦争を続けても、戦略的には大した戦果は得られそうにないのに。
トランプが就任前には戦争を2日で終わらせると言ってました。
2日は大げさな言い方ですが、要はロシアの国益を考えれば、プーチンはそろそろ停戦を考えてるだろうと思ってた訳ですが。。。
ロシアにとっての戦略と日本含めた西側の政略には違いはあるでしょう
当事者でも無い素人が推し量れるものでもありませんし
過去の日本もあれだけの死者を出していったい何がしたかったのか正確に答えることなどできないでしょう
制空権を握った方が勝つのがWWII以降の常識でしたが、この戦争で制ドローン権に拡大されましたね。
戦況解説にドローンが出てこないことがないくらい。
中身変わった?
毎度何がスイッチなんだろ
戦闘車両や重火器を伴った軍服のロシア兵では無く、ロシア版“便衣兵”が既に市内にウヨウヨ…とかだとしたら恐ろしい話です。仮に(総数は別として)そうした事態が生じているなら、ドローンによるモニターとコントローラー越しの歩兵狩りの盲点とも言えるかも知れません。直接尋問したり誰何したりも出来ず、市民を誤射するリスクを考えて躊躇が生まれるなら、バイク突撃よりも更にドローンを突破し易い可能性も…。日中戦争やベトナム戦争での市民に紛れたゲリラや兵士は、お構い無しで撃ってしまったケースもあった様ですし、ネタニヤフ・イスラエルに至っては市民ごと粉々にしてしまっていますが、酷い話ですが連中にとって所詮外国人の市民(イスラエルは人質さえ巻き込んで惚けています)。一方ウクライナ東部での同様の行為は正に同胞を撃つ行為になりかねません。ロシア占領地で全く抵抗運動や組織的パルチザンもゲリラ戦も起きていないらしい事も併せ、「つい三十数年前までは同じ国」の「戦地の住人の大多数が侵攻側の人間(勿論、だからと言ってロシアに好意的とは限りませんが…」というウクライナ戦争の特殊性を感じずにはいられません。