なんか久しぶりに会ったけどみんな様子おかしくない? 作:オレ
時間がかかって申し訳ない。オリ主の立ち絵描いたりしてました。
【挿絵表示】
あんま時間がかからないように結構雑に描いたので、自分のイメージで本編見たいよって人は見ない方が宜しいかと。まあ結局結構空いてしまいましたが。
追記
バカ出ました。作者なのに無くなった腕間違ってました。殺してください。描写変えました
「もう、女性にああいうことをするのは失礼ですよ? 私だから良かったものの、何かされても文句は言えませんからね!」
「うっす、すんませんした」
桐藤の説教を聞きながら外を見れば、随分と寝てしまっていたようで、既に日は昇りきっていた。
あの後、よくよく考えたらやばいことしてるなと気づいてしまった俺は、それはもう綺麗な土下座を披露した。あれは我ながら完璧なものだったと言える。
そのままの流れでお説教に移行。反論しようとも思っていたが、言われた内容がその通りすぎで何も言えず、話を聞き、頷くことしかできないまま数十分。
なんとか聞き切ったようで、ようやく正座の体勢から解放された。ベッドの上に正座て。俺でも数回しかやったこと無いぞ。
「ふぅ。すみません、病み上がりの人に話すことでは無かったかもしれませんね」
「あーいや、寝ぼけてたとはいえ、流石に良くなかった。こっちの方こそすまん」
「他の方にやったら怒られてしまいますから。そこは気をつけてください。私は、別に構わないのですが」
「ああ、気をつける」
「……ええ、そうして下さい」
なんでそんな呆れたような顔されてんだ? え何? また何かやったの俺? ん〜、分からん。俺何した??
……ま、まあ言ってこないってことは俺のせいじゃないかもしれないし。一先ず気にしないでおこう。
「で、もう昼になっちゃってるけど、予定とか大丈夫なのか? 今忙しいんじゃないか?」
「え? ───あっ。す、すみません! 今日は一度この辺りで失礼します!」
「おー、やっぱりか。ま、当分ここで厄介になってるから、いつでも来てくれ。暇してる」
「ええ、分かりました。では、また今度!」
「おう、またな」
そう言い残し、桐藤は病室から足早に出ていった。なんとなく分かっていたが、やはり忙しいらしい。忙しい合間を縫ってまで来てくれたのは嬉しいが、彼女は中々無理をする節がある。正直倒れてしまわないか心配だ。
本人からしてみれば、俺に言われたくはないのかもしれないが。流石の俺もあそこまで言われれば、自分が無理をしていたのだということは分かる。
「く、あぁ〜」
結構寝たのにまだ眠い。正座とお説教のタブルパンチで疲労が溜まったのかは分からないが、まあ特にやることも無いし、このまま寝てしまってもいいか。
怠惰な生活という自覚はあるが、未だ安静にと言われてしまっているし、仕方のないことだ。
そう自分に言い聞かせ、襲い来る眠気に身体を委ねれば、俺の意識は簡単に闇へと落ちていった。
桐藤ナギサ。彼女と出会った時のことは覚えている。
まあ、道端の犬に吠えられてその場から動けなくなってる女の子なんて、そりゃ印象に残るだろう。
俺は昔から、人が困ってたらなんとなく見過ごせなかった。正義感があった、って訳じゃないと思う。困ってる人は全員俺が助ける! みたいな、そんな熱い気持ちも無かったし。ただ、目の前で困ってる人を見過ごした時に、自分の気分が悪くなるから。そんな、自分本位な考えだった。
だから、その日彼女を助けたのも偶然だ。……まあ、ぶっちゃけ可愛い女の子が居て、その子にカッコつけたかった。なんてガキみたいな理由もあるが。ともかく、俺が桐藤を偶然助けて、偶然仲良くなって、偶然高校で再会しただけ。
その時は知らなかったが、桐藤は良いとこのお嬢様だ。今思えば、どうしてあんなに仲良くなれたのかは分からない。
彼女を助けた日、そのままの流れで色々遊んだりしたが、結構ヤンチャな遊びも教えたから、そこはちょっと後悔してた。
けど、高校に入るまでで彼女に会ったのはそれっきり。それ以降、見かけることはなかった。
それがたまたま同じ高校に行ってるなんて、当時はそりゃ驚いた。
まあつまり、今の俺と彼女の関係は、偶然で成り立っているということだ。
運が良かっただけ、これに尽きる。
トリニティに入学した時、桐藤の名前が有名で、それもビックリした。ただ知り合ったことのある女の子が、まさか有名な家の子なんて、普通思わないだろ? 苗字は教えてくれなかったから、そん時はずっとナギサって呼んでたし。
だがまあ、ぶっちゃけ彼女は俺のことなんて覚えてないと思ってた。だって一回遊んだだけだし。だから、とりあえず会ったら初対面の体で行こうとした。知らないやつに急に下の名前で呼ばれたら、ちょっとビビるだろ?
会うことはないと思っていたから、それで良いだろと思った。けど、入学から一週間くらい経ったら、あっちから会いに来たんだよ。いやーありゃマジでビビったね。
急に教室入ってきて俺のこと呼ぶんだもん。周りも何事かって目で見てたし、俺も何事かと思った。
けど、トリニティで男子生徒は俺だけだし、物珍しさで訪ねてきただけだと思ったから、とりあえず、そのまま初対面の体で行こうと思った。
「初めまして、桐藤さん。何か用かな?」
ってな。ああ、口調は大分気をつけてた。トリニティ自体が結構なお嬢様校だし、初対面の子の方が多いから、あんまり失礼の無いようにって。
けど、俺がそう言った時、桐藤の顔がめちゃくちゃ悲しそうで、なんなら泣きそうだったから、つい素で心配してしまった。
「ちょナギサ、泣くなって! お前あん時とほぼ変わんねぇぞ!?」
そう言ったら、次はそりゃあもう嬉しそうな顔をするから、随分表情豊かなやつなんだなと、その時から思ってた。
その後理由を聞いてみたら
「ユウリさんに忘れられてると思ったらっ、胸が、とても苦しくなってしまって……。すみません、すみません……」
なんて言うもんだから、初対面のフリした理由とかその他諸々、めちゃくちゃ早口で説明した。だってそんなんで泣くとは思わないじゃん? 一回会っただけなんだし、なんなら、桐藤が俺のことを覚えていた方が驚きだった。
そっからはまあ、普通に関わる様になった。あっちが覚えてるんなら態々初対面を装う必要も無いし、桐藤と話のは楽しかったから、俺が一緒に居たかったし。
その後、俺と桐藤の輪に、聖園や百合園も入ってくる様になった。所謂ティーパーティーの面々ってやつだ。
いつからとかは、特に覚えてない。気づいたら結構話してた。あの学校での生活は、中々ストレスが溜まるらしく、色んな愚痴を聞いてた。他人のそういう話を聞くのは、別に苦では無かったし、それがあいつらの助けになるなら、いくらでも付き合える。
まあ、俺が旅っていう趣味に目覚めてから、相談とかに乗る機会は減ってしまったが。
だってねぇ、あの見た事のない土地で見た事のない料理や人に出会う。あんな楽しいことはないぜ。
そのせいで、補習授業部だとか、アリウスとの繋がりだとかに気づけなかった。いやだって、そんな拗れてると思わないじゃん? 聖園と百合園も、馬が合わない所はあれど、別に仲は良さそうだったし、桐藤があそこまで追い詰められてるのも予想外だった。
俺は、あいつらのことをよく見れてなかったんだ。
それに気づいてからは、あいつらを止めようとした。俺に政治のこととか、悩みとかは分からない。それでも、あいつらがやってることは、本人がやりたくてやってる訳じゃないと思ったから。
……ま、最終的にあいつらをどうにかしたのは先生なんだけどね。いやぁ、あの人マジですげぇ。なんというか、根っからの善人? この人なら信じれるって感じがすげぇんだよね。
俺も多少手伝いはしたが、多分俺が居なくてもどうにかなってた。情けない話だ。友人の変化に気づけず、助けにすらなれないなんて。
あんなことは、二度と繰り返しちゃいけない。これからは、なるべく友人のことに気を配るようにしてみよう。
ああ、色々思い出してたら、またみんなに会いたくなってきたな。退院したら、一先ずトリニティに帰ってみるか。久しぶりに身体も動かしたいなぁ。
「───んあ」
「あ、起きましたか? 先輩」
「ああ〜、うん。おはよう」
目を開ける。丁度、鷲見が来ていたようで、俺のベッドのそばにある花瓶に花をいけていた。
窓の外を見れば日は暮れかけており、そこそこ長い時間寝てしまっていたのだと気づく。
中々懐かしい夢を見ていた様な気がする。まあ、ここでは毎日何しら起きるし、思い出に残っていることも多いだろう。
また惰性で一日を過ごしてしまった。いつまでもこんな生活を続けていたら、それこそダメになってしまう。
「なあ、鷲見」
「どうかしましたか?」
「普通に身体鈍りすぎてやばいから、マジでちょっと身体動かしたいんだけど。片腕にも慣れときたいし。あと暇」
「……はぁ。分かりました。医師の方に相談してみます」
「マジ!? やったー!」
ここでの生活が苦しい、という訳でもないのだが、それはそれとして身体は動かしたい。大分鈍ってるんだろうなぁ。多分、今剣先とやったら勝てない。はぁ、実戦訓練したい。
「いつになったら退院できるんだろうなぁ」
窓の外を見ながら、そんな事を呟く。キヴォトスの空は今日も綺麗だ。
・月島ユウリ
日々を惰性で過ごしている暇人。久しぶりにナギサ様と会って、昔のことを思い出してた。お友達好き好き勢だから、周りの人の事を結構ちゃんと大事にしてる。だからって自分は大事にしなくていいとか、そんな訳ないゾ。
なんと続きました。私から三話目が出ることは天文学的確率です。