昨日、ある産業機械メーカーのIoT機能の開発から発売までについて話を伺うなかで、「そこは盲点だった」と思い、反省した話
機械の稼働率や損耗具合をモニタリングするため、機械のコントローラやPLCからデータを集めて、それを現場で見える化&クラウドに溜めて分析して予知保全まで持っていくサービスを作ろうというプロジェクトで、社長をはじめ経営陣が率先して「やろう」と旗を振ったので、開発は案外とスムーズに進んだとのこと
しかもその開発は、IT系なら当たり前だけど、ハード、機械系ではなかなか受け入れ難いアジャイル開発で進めることができ、開発部門や外部パートナーともにやりやすかったとのこと。また機械本体の設計開発部門から横やりが入ることもなく、逆に協力的で助かったそう
かつ開発担当者はクラウドとか情報系に強い方で、PLCと接続し、データを集めるところが不安だったそうですが、うまい具合に商社から良い製品を紹介してもらい、その辺もクリア
さらに、サービスが完成し、社内や顧客先でのモニターテストも順調だったとのこと
ここまで聞いた段階で、頭の中では、「社内理解を得ていて、技術的なハードルもクリアして、大きな問題もなかったなら、すぐにサービス化できたんだろうなー」と思って時系列を見直したら、開発完了からサービスインまで約3年ちょい。なかなかな期間を重ねていました
「サービスインまで慎重でしたねー」と聞くと、実は社内手続きがなかなか通らず、そこで時間がかかったとのこと
氏曰く
「ウチは長年、機械しか商品化したことがなく、こういうサービス系を発売するのは初めて。だから会社も経営陣は、機械製品の評価やGOまでの流れは皆分かっていて、そのための基準や仕組みも整備されてるけど、こういった類のものはどう対処したらいいか分からない。だから、ちょっと待ってくれ」
ということで、その社内手続きに時間がかかり、そこが大きなハードルでしたねーと笑ってました
まー確かに、機械やその部品を専門に作っていた企業が、たとえ自社製品向けだったとしても、ITサービスを提供するとなったら、ある種、新規市場への参入、畑違いのところへのチャレンジ。変なものを提供しちゃいけないわけで、サービスの開発や評価だけでなく、クリアしておかなきゃいけない部分が多々あり、しっかり手順を踏むのは当然
だから時間がかかったのは仕方ないことであり、一概に「スピードが遅い」とか「古くて仕組みが整備されていない」「頭が硬い」とか、会社を責めることはできません。だって初めてだったんだから仕方ない。
逆に、うまく開発し、サービスインでき、新しい扉を開いたと評価するのが正しい
「モノ売りからコト売りへ」「製造業のサービス化」なんて言葉では簡単に言いますが、その実は、新たな海に小舟で漕ぎ出すようなもので、開発も難しけりゃサービス化、収益化も大変なこと。
それを理解した上で話を聞き、その苦労の末に辿り着いたんだと言うことが伝えられるよう頑張んなきゃいけないなーと思いつつ、企業側も新しい技術を取り入れてサービスを広げていくなら、製品を作るだけじゃなくて、社内手続きとかの仕組みも、早いうちからやっといた方が良いのねと新たな発見を得られました
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