投資の実力者は「損切り」を徹底 損失額や下落率が目安
損小利大を実現する売りワザ(1)
みきまるさんは「大きな含み損はポートフォリオ内にあるだけで気が散ってしまい、他の銘柄の売買の判断も鈍らせてしまう。ゴキブリと一緒で、見つけたら叩くのが基本だ」と言い切る。
具体的な損切りのルールは、資産額の0.1%の損が出たら、その時点で含み損の銘柄を一気に売却する、というものだ。許容できる含み損が資産額の何%程度なのかは投資家の性格によって異なってくるため、事前に考えておくことが重要だという。
「例えば、サラリーマンであれば月給の10%程度の額なら含み損が出ててもあまり気にならないという人もいるはずだ。一方で、少しの含み損でも無性に不安になると自覚のある人は、含み損を見つけるたびに早々に売ってしまうのも手だ」と助言する。
判断の誤りを受け入れる
kenmoさんも、1銘柄ごとの損失を資産額の数%程度に抑えることを重視している。そのため、銘柄ごとに取得価格から8〜10%程度下がったら自動的に売ることを鉄則とする。「特に買ってすぐに含み損が出てしまった場合は、買いのタイミングが間違っていたということだ。誤りをすぐに受け入れて、早めに売却するようにしている」と言う。
さらに2020年以降は「ナンピンは絶対にしない」というルールも追加した。これは都内で不動産の仕入れ・開発・分譲を手掛けているランディックスでの取引の失敗がきっかけだ。
同社は19年12月に上場し、kenmoさんも同年同月の末に同社の株を1株当たり2800円台で購入した。しかし、その直後から新型コロナウイルス禍の影響で株価が購入価格の半分以下まで急落。kenmoさんはその過程で3月中旬までナンピンを繰り返して平均取得価格を下げ、その後売ろうと考えた。
しかし、「上場から少し時間がたって需給が悪化していたこともあり、全て売るまでにかなり苦労し、損も被った。以来、ナンピンはせずに早々に損切りすることを心掛けている」と唇をかむ。
次回は2人のスゴ腕投資家が実践する「利益確定のワザ」を紹介する。
(田中創太)
[日経マネー2024年7月号の記事を再構成]
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