「ネット攻撃」か「ネット広報」か 宮城県知事選で激突した村井知事と参政党・神谷代表 SNS選挙が生んだ分断と対立
発端は「水道民営化」発言
2人の因縁は、夏の参院選までさかのぼる。 神谷代表は街頭演説でこう訴えた。 「だって上下水道必要でしょ、国がやらないから宮城県みたいに民営化しちゃうわけですよ。おかしい宮城県は。水道だってめちゃくちゃ大事なわけですよ。なんでそれを外資に売るんですか、任せるんですか」 これに対し、村井知事も定例会見で強く反論した。 「おかしいよ宮城県は、という言葉を街頭演説でお話されましたけれども、その言葉、そっくりそのまま『おかしいよ参政党は』『おかしいよ神谷さん』ということを申し上げたいなというふうに思います」 県は「誤解を招く不適切な発言だ」として参政党側に抗議。火種を残したまま知事選を迎えることになった。
SNS選挙の“現場”で起きていたこと
選挙戦最終日の10月25日、神谷代表が仙台市入りすると沿道は人で埋め尽くされた。 熱狂的な支持者が詰めかける一方で、抗議のプラカードを掲げる人の姿も見られた。 参政党が参院選で見せた盛り上がりが、地方選挙にも波及した格好だ。 仙台市では、和田氏が村井氏を3万票あまり上回った。 SNS世代と既存メディア世代との間で、明確な投票傾向の差が現れた選挙でもあった。
村井知事「ファクトチェック体制を検討」神谷代表「規制より教育を」
村井知事は当選後の会見で、県としての対応を指示したと明らかにした。 「県として第三者的な立場でファクトチェックをして、問題があれば告発をする。これは県警と県の顧問弁護士も含めて、どういうふうにすればいいのかということを検討してほしいと指示した」 一方で、神谷代表は「規制ではなく説明を」と強調した。 「法的な規制をかけてとかっていうことじゃなくて、それに対しては間違っていますということをしっかりと説明をしていく、繰り返し説明するしかない。規制かけてもうまくみんな隠語とか使ってやれるので、そこは規制ではなく、真摯に説明していくということが大事なんじゃないかなと思う」 さらに、デマの拡散を防ぐにはどうすればよいかという問いに対し、こう答えた。 「教育を変えていくしかないですよね。あんまり嘘を巻き散らかして、相手を誹謗中傷するということは、正しい行いではないということですよね。嘘をついたら処罰だみたいな社会だと、しゃべれなくなっちゃいますよね」
SNSが変えた“選挙の現場”
「ネット攻撃」か「ネット広報」か。 その線引きは簡単ではない。 ただ確かなのは、SNSという新しい“選挙の主戦場”が、地方の首長選にも完全に浸透したという事実である。 情報発信の自由と責任、そしてその影響力をどう制御していくか。 宮城県知事選が突きつけたのは、民主主義そのものの問いだった。
FNNプライムオンライン