絵描きから見えるAIイラストが嫌われる理由の話
生成AI絡みの話については話題に出したとしてもろくなことにならない、という定説は今や痛烈に感じるようになったわけですが敢えて言及するのには私自身の心境の変化をまとめておきたいという一心にあります。
というのもAIに対して嫌悪感・忌避感を抱いている人との論争を経て、
AIに対しての課題や何故嫌悪感を抱くに至るのかという経緯や心情が明らかになってきたからです。
というわけでどうも私です。
これまでは反AI派のお気持ち表明記事だったり詭弁だ誤魔化しだっていう言い合いだったりが見えてて一歩離れたエンタメ的な位置でしか感じられていなかった部分もあり、
そこに加えてAI反対の意見もわかるけどそんな態度で来ることもないんじゃないか?という自身に対して芽生えていた怒りの感情がフィルターになって論ずるにも正確さに欠ける内容になったかなと思えてきました。
自身が体験した論争を元に、改めて見えてきたAIに対してのクリエイターの嫌悪感・忌避感情の中身みたいなのを見ていきたいと思う。
私はこう考えるんだけど、という意見も出てくるなら必要になる話だとは思う。
喧嘩がしたいわけじゃないと強く念押ししておきます、AIだ反AIだってのは一旦置いておこう。
いくつかあるので順番に見ていきましょう
知らずに罪になるリスク
AIへの嫌悪感についてまず見えてきたのはAIを使うことで貴方は罪深いですよっていう烙印を押される恐怖から来るものだという説。
これは版権モノだったり著作権的なところになるんですが、
AIによって抽出したもの・されたものに対して「これは商用OKで完全クリーンなAI抽出物なので私は悪くありません」と断定して言い切ることができないという問題がAIにはついて回るからです。
AI使用者が意図して類似の作品に絵柄を寄せて自分の作品だと詐称したり、明らかに敵意を持って攻撃する目的でAIを利用しているものについては理解しやすいです。
どう考えたってそんな使い方してるやつは攻撃してる時点でAI使用者が悪い。
問題になるのはAI使用者が意図してなくても他作品からガッツリアウトなものが抽出されて知らずに商用利用して糾弾されてしまうというリスクについてですね。
「AIを利用して作品作りました」「じゃあお前犯罪者な」は極端すぎる会話ですが、そうなってもおかしくないラインにAI生成物というのは位置してると思います。
AIに対して嫌悪感抱いている人達の感情としては
自分の知っている人たちがAIに関わることで、知らず知らずにAIで人生壊されるような不幸なことに遭ってほしくない避けてほしいという想いもあるんだろうなと感じました。
自分も知り合いも誰もかれもがそんなリスク抱えてまでAI利用するんですか、と考えるとAI利用しないでくれよって論になるのも一つの答えかなと。
なんなら商用利用OKと言ってる生成AIで商用利用したら販売停止喰らったみたいな例まで発生してしまう始末のようで。じゃあいよいよ何も信じられねぇじゃんとは思うぞ
マスピ顔で溢れかえる投稿サイト
AIイラストの何がいけないかっていうと美麗な絵柄という括りが『マスピ顔』っていう形でジャンクに消費されまくるという点にあるかなと思います。
所謂マスピ顔、AIのコマンドプロンプトで『masterpiece』と入力すると美麗と判定されたイラストが抽出されるというものですね。
いやマスピ顔はマスピ顔でAIイラストが無かった時代なんかでは神絵師って呼ばれる人たちが描いてるレベルで美麗なイラストとして世に出てる顔だったのですが生成AIがマスピ顔のイラストを量産した結果、『飽きられる絵柄』『呆れられる絵柄』として認識されるようになったと思っています。
いや綺麗はキレイなんだけどなぁ。
こうしてAIが美麗イラストが量産できるってなった結果発生した事象の一つが『あらいずみるいAI事件』かなぁと。
「スレイヤーズ」のあらいずみさん、“AI疑惑”を掛けられイラストのレイヤー構成を公開 「ちゃんと描いてるんよー」 - ITmedia NEWS
美麗イラストなんだけど、綺麗だね素敵だねじゃなくてAIじゃないのかと言われるようになってしまう。AIかAIじゃないかの判定判断はどんどん困難になります。
そうしている間にも一つのマスピ顔が嫌悪感を抱かれる絵柄として認識されたら生成AI利用者はその絵柄にならないように別の絵柄を探していくわけですね。
そうやってAIに喰われた絵柄はマスピ顔って認識されて忌避される。
元々マスピ顔の絵柄でイラスト描いてた人にとってはたまったもんじゃないよなぁとマジで思う。
生成AIは絵柄から絵柄を渡り歩いて嫌悪感を抱かれない絵柄を探し続けるわけです。どんどん境界は曖昧になって、また一つの絵柄が量産されて、という繰り返しが起きるわけです。
勝手に使って、同じカテゴリの出力物出して、元の作者達が淘汰される
それが正しい技術発展の姿だとはとても思いたくない、というのが生成AIが嫌われるところかなと。
ストーリーを見たい、という思想
恐らくこの記事の肝の部分かなと思うのがおそらくこれ。
なんで生成AIがここまで嫌われてイラスト界隈で燃え盛ってるかっていうと生成AIではストーリーが見れないから、に尽きると思います。
誤解を招く言い回しなので先に言っておくと
生成AIで漫画作って公開しましたっていうAI製漫画みたいなのはちゃんとストーリーです。別ベクトルにはなりますが
ようは生成AIで綺麗なイラストが出せるようになったというのは
そこに絵描きがこれまで積み上げてきた思想やイラストに対してどうしたい、どういうものを表現したいというストーリー性を考慮されていないということと同義なんだなと思います。
「こんな表現がしたくて筆を走らせました」
「世界にこれを訴えたくてこのイラストを表現しました」
「ボクのニッチな性癖をみんなに共感してもらいたい」
「最推しのこの娘をもっと皆に見てもらいたくて描きました!」
そんな姿が、ストーリーが見えるからイラストに対して人は熱心になるのだと。
AIにはそれがない。
確かに綺麗で素晴らしい出来栄えかもしれないけど、それは学習データとして吸収されていった先人たちの膨大なストーリーを取り込んだ結果が表面的に出てるだけでイラスト見る側が本当に見たいものではない、と。
それでもってストーリーの無いAIイラストが大量に出てきて視聴者は「そんな表面的なものじゃなくて、その元になってるストーリーを見たいんだ!」「そのAIイラストからはキレイだってことしか感じられないんだ」と嘆くわけです。
だから著名なクリエイターが生成AIでイラストを出すようになるとイラストに込めた思いがクリエイターから感じられなくなる、だから嫌という感情に行きつくわけです。
ただ綺麗なマスピ顔が並んでればいいわけじゃないんです。見たいのはそれじゃないから。
勿論AIイラストを表現として活かしてる例もあります。
ただそれは本当に例外的なもので多くの生成AIイラストについては
・作家からストーリーを奪って
・ストーリーの無いうわべだけのイラストとして量産されて
・挙句どんどん見分けがつきづらくなって
生成AIイラストに対しての嫌悪感は加速する一方なわけです。
これに理解が至ってから生成AI問題で両者和解することは今後一生無いだろうなと結論付けました私は。そりゃ無理だよ。
これが時代の流れだからしょうがないとか簡単に言うにはちょっと重いかなと思いましたね。重いと思う。オモイガオモイオモイサン。
AIイラストの技術向上がめざましいのは理解してるけど、
それによってイラストがAIかAIじゃないか判断できないのは辛い。
凄い頑張って描いたんですね、がそれ10分くらいで出力できましたよって言われると手描きだと思って感動した私の感情はどこに行ったらいいんだい?となるわけですよ。
私の例にはなるんですが、
おかげで綺麗系とか可愛い系のイラストに対して感情が死にましたね、判断つかないんだもんもはや。ストーリーを求めて性癖詰め込みましたなイラストや4コマ描いてるアカウントの方を見に行くよね。見たいものが見れるから。
そんな変化は起きてました。寂しいものです
それ許諾取ってますか?
これまでの話で生成AIが嫌悪感抱かれるようになったのはなんとなく伝わると思う。生成AI使用者側が「いや文字入れてるだけですけど?」って一言で解決できないくらいのことは起こってるよなーと思います。
んで生成AIに嫌悪感あるって人の話でいくと許諾無くこれらのことが行われてるってのも一つの要因にあるってことのようです。
Ⅹが規約更新した、「これまでX上に投稿されたものについてはサービス向上のためにX側が利用する権利を持ちますよ」に対して「AI絡みのことについても同様としますよ」って規約更新かけたことでX利用クリエイター達ブチ切れって感じ。
いやー、
マスピ顔とかいって呆れられる惨事を見た上で、自分がそうなるかもしれなくて、知らず知らず自分が生成AIでトラブルになる可能性も秘めてしまって、それがぬるっと行われるってなったらそら怒るよなと。
XのGrokって機能が画像生成AI可能ですよってのが拍車をかけたかなと。別に文章系のAIだったらそこまで燃えなかったかもしれん。かもです。
Xを居場所としてた人からしたらこれまでの交流や思い出や写真イラストデータ類がそういう使われ方されると思ったらとても無理ですってなるのも、わかる。
単に「じゃあXやめればいいじゃん」って一言で済ますにはあまりにストーリーがないがしろにされすぎてるし、だからイーロン馬鹿野郎ってイラスト界隈は言ってるんだろうなと思います。
Xは極端にわかりやすかったために盛り上がりましたが、Xに限らず生成AI絡みは知らないところで画像拾われて学習されて使われてっていうAIの性質上どうしようもないところがこの問題が解決しない所かなと。
大量のデータを学習データとして使用することが必要、というAIの性質が故に、ということですね。
AI学習されるのが嫌ならネットにアップロードしなきゃいいじゃん、ってなるわけですが最も不幸な選択肢だよなぁって思います。
え、生成AIに使われること許諾するかイラスト投稿するのやめるかの二択?クソわよ
まあ第三の選択肢としてAIに使われないためのツールで対策しながらイラスト投稿する、になってるわけですがイラスト界隈。大変だなぁほんとに
ミツアちゃんプロジェクトっていうのがあって、こういう形でAI利用OKな人たちが画像提供して成立してるAIならいいと思います、という意見はあるようです。なんなら私もこれがイラストAI界隈が容認される最適解なんだろうなとは思いますね。
AIダメですって言ってる人の画像が学習データに混ざった瞬間に瓦解する危ない道ですけどね。なんかモメたらしいね、詳しくないけど。
許諾したか否か、もポイントっぽいです。
まとめ
まあつらつらと書いてみたわけですが、何度かやった生成AI絡みの考察も一つ自分の中では着地が見えたかなぁと思いました。
いやー、こうやって落ち着いて見ていくとやっぱ生成AIとイラストって壊滅的に相性悪い組み合わせなんだなぁって思いましたね。どうあがいても仲良くなれる絵が描けん。
んでもってこのAIイラスト問題、AI利用者側の民度も悪い人はくsssssssssssssssssssそ悪いみたいで、それでもってAIへの嫌悪感が加速した人もいるし、じゃあAI使ってやろうじゃんって人には反AI派がこれまで書いてきた嫌悪感を元にしてバチクソ攻撃しちゃうっていう構図になるわけですわ。
マージで誰も幸せにならん。おそらくクリーンな生成AIっていうのも無理な話なんだろうなと思ってます。誰かこのイラストAI絡みの問題の正解を教えてくれ。私は人を傷つける行為はしてはいけないという心情を第一に考えて行動してる派なのでどっちに転んでも誰かが傷つくAI問題が興味深くもあり忌み嫌いたいものでもあります。
この問題、ほんとに単純じゃないなと、そう思います。
どうか攻撃的なことはやめてほしいとそれだけ思います。


コメント
5七瀬さん
マスピ顔については具体的に誰の絵が、というのは無いようです。所謂はんこ絵とか個性の無い顔という意味合いで蔑称として捉えられてしまってる感覚が近いと思います。
マスピ顔の問題点というか『特定の絵柄が飽きられるまで使い倒される』『個性でなくなる』っていうところに危機感を持っている人がいる感じですね。
自分のイラストがマスピ顔認定されてしまうのが嫌すぎる、という感じに。合わせて元々自分の描いてたイラストがAIっぽいねとか言われて侮蔑されるのは我慢ならんよねっていう感覚なのかなぁと思います。
マスピ顔云々で嘆いてるの自体ちょっと古いものいいではあるんですが。
AI絵師の問題行動については
・リテラシーのない攻撃を絵師に行う
・ディープフェイクなどの攻撃的な使用方法をしている
・著作権侵害的な行動を取っている
とかですか。全員が悪、というより問題行動起こしたその人が問題ってだけでAI利用者全員が叩かれるのは違うんじゃない?が私の意見ですね。
それよりかは反AIがイラストにAI使ってるっていう点で苛烈に攻撃してるのもそれはそれで良くないんじゃない?と疑問に思います。
著作権問題は個人として正直グレーラインで、学習データ云々自体で著作権のこと言われるのはおかしくて生成したAIイラストが既存の著作物に抵触して文句言われることがあるというのが正しいと思います。
そんなん反AIだろうがAIだろうが同じ話では?と思います。手書きでも著作権侵害の話はついてまわるはず。
個人見解としてもAI利用者とAI反対者が歩み寄ることは無理だなと思いますし互いに歩み寄りたくないと思ってるだろうなというのが結論です。
反AIのAIならなんでも排斥主義なところは過激すぎると思うし、でも抱いている不安感や不信感みたいなのも言われてわからんではないって感じではあります。本当の事実として実情の法的に良い悪いとか正しい間違いは抜きにした感情論がAI問題の根底にあると思ってます。感情論で動いてる以上何言ってもAI嫌いはAI嫌いのままだし、歩み寄りも無理、と。
どっちの立ち位置にも良い人悪い人が存在してて、一括りにしてたら何も見えてこないなぁと思いました。とりあえず触ってみる、でも害悪認定されるのは流石にどうよとも思います。
民度ゴミでいやになった人です。今いるやつらがみんないなくなればたぶん世の中とAIはすこし平和になります。それくらい民度えぐしゅぎ