AI量産品の大量出力・その影響

 さて、自分の目にはクソの如くつまらないテンプレ系作品だが、パターンが決まっていると言いうことはAIにとっても出力がしやすいということでもある。

 その結果、AIにおおよその方向性を投げてさえおけば、テンプレ崇拝者にとっては面白いと感じる、そういう層向けの無難な話がぽこじゃか作ることができる。


 その結果が今回の騒動のような「1ユーザーによる大量投稿」である。


 率直に言って、38作同日更新は異常な数字である。

 1話が2000~3000文字、間を取って2500文字だとしても、9万5000文字。

 私の場合、自身の負担にならないペースでの執筆を心がけているため、せいぜい1日3000文字以内(1話)、ガチって執筆に集中したとしても1日6000~9000文字(3~4話)が限界だろう。


 加減しろ莫迦!!!!!!!!


 で、これが及ぼす影響だが、真っ先に考えられるのが「サーバーへの負荷」問題だ。

 今はこのユーザーだけに止まっているが、のちに記述する問題から(現状のままであれば)多数のユーザーが便乗、1日に100作品以上も投稿するアカウントが千・万単位で出現することが考えられる。

 事実上のDDoSである。

 そうなればあっという間にサーバーを圧迫し、サイトの運営に支障をきたす事態になる。

 実際、事実上のDDoSに音を上げたのが生成AI画像の安価大量出品でサーバーが圧迫されたBoothやDLsite辺りの同人作品販売プラットフォームである。

 結果、ブチ切れてAI作品を軒並み追放する流れとなった。


 で、なぜこのようなサーバー負荷になり得るほどの大量投稿が予想されるかだが、それは「作品の収益システム」が関係している。

 つまり、「読まれて評価されまくればいくらかの金になる」というサイトの仕様上、大量に「読まれるような内容の作品」を掲載すれば、それだけ金になるのだ。

 金になるとなれば、悪いことを考える人というのは必ず出てくる。

 そういう類の連中は際限がないので、生成AIを限界レベルにフル活用して作品を大量出力し、一斉掲載する。

 この手のスキームが確立されれば、我も我もと二匹目のドジョウを狙って大量のユーザーが同様の行為を試みる。

 下手すれば中華系の業者が乗り込んでくるかもしれないし、反社会的組織やくざのシノギに活用されかねない。

 妄言だと思うだろうか?

 イラストの世界では、先んじてそれが現実のものとなっていたのだが。


 そうなってしまえば、今度はAI出力文章を使用しないユーザーの方にも影響が出始める。

 テンプレ信者には申し訳ないが、普通にテンプレ作品を書いてるだけでは、間違いなく埋もれる。

 ただでさえテンプレで飽和した中で読者の奪い合いになっているのに、同様の質の作品を大量に出力するAI生成作品が万単位で投稿され、サイトを埋め尽くす未来が予想されるためだ。

 それは、テンプレに頼らない作品を書く作家にとっても、決して他人ごとではない。

 読者としても、作品を見つけるのに一苦労になるのは間違いない。

 今まで以上に読まれなくなった、もしくはそれなりに得られていた読者ががっくり減るようになった時……あなたは筆を持つ手を保てるだろうか。

 よしんば筆をとり続けたとして、同じようなメンタリティで作品を書き続けられるだろうか。


 人力で作品を書く作家が淘汰されていけば、結果的に残るのはAI生成作品の山となることだろう。

 だが、先の章でも触れたように、生成AIも万能ではなく、丸投げすれば途端にクソを出す。

 特に、作品が長くなればなるほどそれは顕著だ。

 現状の文章生成AIは、最新の内容を優先しやすく、古い情報はあいまいになりやすい。

 要するに「作品の細かいところをAIが忘れ、適当に補ってしまい、過去の内容と齟齬が生じる展開が平気で生まれてくる」のだ。

 テンプレをスナック感覚で頭をあまり使わず流し読みする読者にとってはそれでもいいのかもしれないが、自分なら間違いなく読むのをやめる案件である。

 嘘だとお思いだろうか?

 残念ながらこれは事実で、実際AI出力作品をよく検品しなかった結果、読者から内容の齟齬を指摘されるという実例は発生している。

 しかし、そんなことはAI出力者にとってはどうでもいいのだ。

 数字が増えて金になりさえすればいいのだから。


 以上のような予想から、間違いなくWEB小説サイトはAIに食いつくされ、まともに成り立たなくなる。

 運営においては、早急にこれらの対策を講じるべきだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る